第14話 初試合
練習試合…………緊張してきた。
「じゃあ、整備して練習しましょうか」
「「はい!!」」
大豆山高校ソフトテニス部は、練習しながら対戦校である桜兎美県立 多堰高校の到着を待っていた。
「「「「お願いします!!」」」」
遠くから、声が聞こえてきた。
「そろそろ来たかしら。2人とも、迎えに行くわよ」
「「はい」」
◇ ◇ ◇ ◇
「「「「よろしくお願いします」」」」
試合前の挨拶を済ませ、ダブルスの試合が始まる合図を待っていた。
2人だけで良かった。これ以上居たら、体力が持たん…………。
「とりあえず、私は中ほどのところまで取るから、カバーをお願い」
「おう、任せとけ」
「セブンゲームマッチ。プレイボール」
――バコン
多堰高校サイドのサーブが飛んできた。
結構強そうな球やな。唯一救いなのは、あっちのペアも混合と言ったところか…………。
とりあえず、蓮香のサポートや。見た感じ、あっちの後衛は後ろの方にストレートに打つ気配は無さそうやし、このまま牽制しとくか。
相手の後衛と山志那のラリーが長い間続いていた。
良く続くな。これ実質シングルスじゃねぇか?まぁ、油断したところを突かれてもあかんし、集中集中。
「よし来た」
ボールが央崎の目の前に飛んできた。
――バコン
目の前に飛んできたボールを、前衛の後ろの方に飛ばしたが――
「え……」
取ることは不可能だと思われたボールを後衛がカバーし、前衛は後衛の位置についた。
な……位置替え!?は!!蓮香は?
山志那は、なんとか追いついているようだったが、体勢を崩していた。
やっぱり、苦しいか。あんだけラリーした上に、不意を突かれて。なんとかカバー出来ないか…………。
――バコン
「イン。ワン、ゼロ」
やっぱり、狙われたか…………。
山志那が体勢を崩したところに、山志那の進行方向とは逆方向、央崎の頭上に強い球が打たれた。
「ごめん。私が油断したから…………」
「いや、良く粘ってた。あれはしゃあない」
その後、1ゲーム差で多堰高校ペアが勝った。
「「「「ありがとうございました」」」」
「…………ごめん、カバーしきれんかった」
「私こそ、もっと揺さぶれてたら…………」
「惜しかったね。シングルスは切り替えていこう!!」
「「はい」」
少しの休憩を挟み、シングルスへ移行していた。
シングルス…………しかも相手は、さっきの後衛の人。
頑張らないと…………せっかく、練習に付き合ってくれたんだから。
――バコン
やっぱり、左右に振ってるけど付いてこられる。
ポジション替えするってことは、珀多みたいに打たれるかもしれないし…………。
一か八か、ギリギリに…………。
横のラインギリギリのところに狙ったボールは、山志那の思惑通りのところに落ちた。
「イン。ワン、ゼロ」
よし、これだったらいける。何回か左右に振って、不意を突いたところでラインギリギリに落とそう。
山志那の作戦は功を奏し、1ゲームを取った。
もしかしたら、気付かれたかもしれないけど、これが一番良い作戦だわね。
1ゲーム分の余裕があるから、対策されたらまた考えよう。
「ゲームカウント、ワン、ゼロ」
すると、相手の後ろから声が聞こえてきた。
「いっけーいけいけいけいけ、めーぐ、おっせーおせおせおせおせ、めーぐ、いーけ、おーせ、多堰、めーぐ」
え……何それ。これって良いの?やばい、手元が狂った。
「フォルト」
集中、集中。
「ダブルフォルト。ゼロ、ワン。」
やばい、集中出来ない…………。




