#6 異能力と刃
ご愛読ありがとうございます。
三月チームはチーム草薙に勝つことができるのか?
今回は結構な量があります。
「何故何故何故何故、お前がここにいる! 無能者の雑魚が!!」
「教えてやるよ…無能には無能の戦い方がある事を…!」
数分前に遡る――
(このままだと、ジリ貧だな)
「大丈夫かい無能者!! 確かに君はやる方だけどそれでも能力者の僕には敵わない!!」
三月は、何か活路は無いかと記憶の中を探る。
(相手の能力は、超スピード(仮)の小型持ち、リーチもスピードも、あっちに分がある)
「そんなに打ち合いばかりして大丈夫か?」
日夏はそんな事を口に出した瞬間、三月の手に刃をいれ、三月は右手の甲とそして、日夏の二撃目で右の腕にも切傷を負う。
(何とか避けたが、まずいな利き手に力が入りにくく……)
――二年前――
シロさんやハジメさん特訓が始まってから三年程度が経過している、今日はハジメさんは、仕事で居ないので、シロさんに稽古を付けてもらっている。
「三月、お前の動きを見ていたら分かる、基礎能力の向上は見て取れる」
「そりゃ毎日、銃の弾丸(ゴム弾)避けさせる特訓したり、限界まで筋トレさせられたり、模擬戦してるはずなのに壁にヒビいれるレベルで吹き飛ばされたり、ひどい目に遭ってるんで、そりゃ少なからず向上しますよ」
「まぁ弱い内は経験値がよく入る」
「ゔっ……」
三月は苦しそうな声をだす。
三月とシロは雑談を繰り広げ十分ほどの休息をとる
「そろそろ再開するか」
シロが達その場から立ち上がり三月向かって言う
「ほら、水分の補給はしたな模擬戦の再開だ」
そして二人は定位置に付き模擬戦用の木製ナイフを構える。
そして戦闘開始の、ブザーがなる――
三月はシロに向かって直進し攻撃を入れる、シロは三月の攻撃を三切り避け、三月の背中に一撃を叩き込む。
「ぐっ……」
三月は負けずと攻撃を入れてシロとの刃と刃のぶつかり合いになる、瞬間隙をみた三月はそこに刃を叩き込む、それ感じたシロは三月のナイフの刃じゃない部分を持ち手前に引き込む。
「二撃目」
三月は一撃を入れられ、大きく下がるそして、ナイフを再度握りしめ、三月は直進し攻撃を入れるそれをシロは分かったかのように受け止める、瞬間……シロの刃が自分の刃をすり抜けたかのような錯覚に陥った。
「なっ!――ぐふぇ!!」
三月は顔面にナイフをぶつけられるのだった。
「でたらめでしょ! あんなの!」
「三月、お前の課題は三つ、一つは動きがまだ目に頼――りすぎている、ただこれに関してはまだマシだ、お前は目がいい、一つの攻撃で相手の動きを予想し次の一手を入れる、その行動は狙って出来るものじゃないしな、そして二つ目は、攻撃の正直―さだ、攻撃が真っ直ぐで単調お前は相手の動きを読む事に長けてているが、読まれやすい、そして最後に三月?、お前ナイフの使い方が今だに理解出来てないだろ?」
「へぇ?」
「ナイフって言うのは……いやまだ良いか、取り敢えずお前は前者二つを習得しないとどちらにせよ三つめの課題はクリア出来ないぞ」
――現在――
「どちらにせよ、出来なきゃ負けだ、ならやるしかねーよな」
(あの時シロさんが言いかけた三つ目……なにが言いたかったのか今なら分かる気がする)
「その手じゃ、ろくにナイフも握れねーだろ!」
日夏は能力を使い高速で三月に向かって直進してくる。
(別に……強く握る必要なんてない……集中しろ……はぁ!!)
瞬間、三月は日夏の攻撃をなるべく手に負担がかからない用に受け流し、攻撃を避け続けるそして、日夏は三月の隙をみてそこに攻撃を入れる、その瞬間三月はナイフで刀を受け止める、三月はマネをしたただシロの攻撃を真似たそれだけ。
「なっ!!刃がすり抜け!!」
瞬間、日夏の眼前には刃が突き立てられるのだった。
「ちっ!なんで無能者が!」
「さぁ、終わりだ、『リタイア』と宣言しろ、正直こっ ちも時間がない一度のチャンスだと思え」
「……」
「そうか」
瞬間、三月は日夏に向かって峰打ちをするのだった、その時三月は自分の成長を身近で感じることが出来た――
――そして現在に至る――
「日夏がやられた……?、あぁ! どうしてお前は、無能者の分際で俺の邪魔をする!!」
「新羅、君だって僕達の邪魔は散々して来ただろうに……!」
「うるさい! うるさい!!」
「うーんこれは、大分頭に血が登っちゃてるね」
「琴葉、サポートを任せていいか?」
「オッケーまかせな!」
琴葉は、自身に対するさっきまでの緊張感が解消されたのか、明るい声で返事をするのだった――
――一方湊は――
湊は片腕を【血結晶】により止血はしているものの腕の可動域はかなり狭まっている
「お前、散田とか言ったな」
気怠そうに返事をする。
「はい……そうですけど……」
相手の名前は散田はかなり高身長で、眼鏡をかけている雰囲気は暗めの男だ。
(取り敢えず様子見か…)
湊は相手を引き込む用に林の中へ誘う。
(誘ってきてますね、乗るか……乗らないか……まぁ……、私の能力なら大丈夫ですね。)
散田が林の中に足を踏み入れた瞬間、湊は右手の親指を噛み血を出す、そして湊は能力を発動する、右手の血液を操作し相手に向け血の針を発射する。
散田と言う男は右手を前に出し針を直接受け止める、瞬間血で作られた針は粉々になっていた。
「相性最悪だな、だがお前の能力は分かりやすくて助かる、硬化ってところだな」
湊の攻撃を受けた瞬間、散田の身体がザラツキを持った様な感じがした。
「貴方の能力も分かりやすいですよ」
「あー、そうかい!」
そう言った瞬間湊は能力を使い血の結晶を放ち続ける
(僕の血は精々氷程度の強度、もしかしたらアイツ石くらいの硬さまであるんじゃないか?、どうする)
っと湊が考えていると……
「貴方は何故、あの無能者に従うのですか……貴方の事は調べさせて頂きましたが、貴方かなりの……」
そう散田が湊に対して疑問を投げかけていると。
「うるさいぞ、おい? それ、三月と琴葉にその事言ってみろ、殺すぞ?」
散田は予想にもしていなかったのだろう、湊は自分勝手に調べられて怒っているのか、それともその事を知ってしまった事に怒っているのか、散田自身理解が的なかったか。
(急に言葉が……それと何だこの威圧感は!)
「何を隠すのか……貴方は達月湊!お前はあの『達月東海』の息子なんでしょう!!」
達月東海とは、この能力社会で医療の世界を発展させた、医療系能力者の一人であるその能力者は「血液操作」、その能力やその逸脱した医学の技術により今では世界でも通用する有力者の一人である。
「ちっ! うせーな、クソ親父の話を持ち出してなんなんだよ関係無いだろ!!」
「貴方は恵まれた能力者のはずです何故あんな無能者と同じ場所にいるのですか貴方は私達と一緒にいた方がいい、貴方の才能は私達は恵まれた私達が使うべきなのです!!」
「お前もか……お前も結局……、親父の話か……もういいや、はぁ……どうも僕の能力じゃあお前には勝てないらしい、なら容赦は捨ててお前をねじ伏せに行くとしようか」
湊は散田に向かって直接する。
「あ! 貴方の能力では私と接近戦ですか、いったい何をするつもりで……!!」
瞬間、湊は散田に向かって拳を振り上げ、散田は身体を硬化してそれを受ける。
「そんな攻撃なんの意味が……」
湊は、瞬間で肩の出血の結晶化、を解除し血をたらしながら言う
「『結晶化』」
「なっ!まさか、自分もろとも!! くっ――」
湊と散田は湊の能力、血の結晶によって結晶の中に閉じ込められるのだった、それを見ていた試験官が大急ぎで強制リタイアを出し、湊は貧血で病院送りになるがそのはもう少し後の話だ――
――一方三月、琴葉――
新羅は三月に向かって風の弾を飛ばす
「はぁはぁ」
(何故だ?何故……俺の風が通用しない!、なら…)
草薙新羅の様子が一変し攻撃が止む
(攻撃が止まった…!体力切れか?)
「琴葉!」
「あいよ!」
琴葉は三月の地面を操作し、地面を底上げする様に土の柱をつくる、三月はその柱を使って新羅に向かって直進する――
新羅はそれを待ち構えていたかのように言う。
「は!、来たな!」
「なっ!」
新羅が出したのはまるで小さな台風を形取った様な物だ、それを三月にぶつけてくる。
「くらえ!『地打ちの風』!!」
「ぐっ!、これは……!」
三月はその『地打ちの風』をまともに食らってしまう。
すると草薙新羅が冷徹な声色で言う
「はぁ……諦めろよ、無能お前には何も変えられないだからお前は大人しく、俺の糧となれ!!」
いつもどこかで、言われ慣れたはずの「無能」と言う言葉に三月は何か、不思議と苛立を覚えた。
(何でだ……?バカにされたから……違う、変えられないと言われたから違う、そんなの理解してる……ああそうか今僕は――)
そう、三月が覚えた苛立は新羅に対するものでは無かった、それは|何も言い返すことの出来ない、力が無い、三月自身に対する苛立だった。
「僕はやらなきゃいけないことが……」
新羅は嘲笑うかのように言う。
「お前に、それが出来るとでも?、俺お前が何がしたいのか何をするのか、俺はそれを知らない、だけどなその目標は俺を倒すことに繋がるなら無理だ、無能者いい事を教えてやる、無能者に選択肢はない、何も変えられない!!」
三月の中で何かが切れる様な、何かが動き出しそうになる、急な頭痛と目眩そして身体が段々熱くなっていく、ただそれが動き出す事は決して無かった。―――
「人を舐めるのも大概にしろ!!新羅!」
琴葉が力いっぱい威圧した声を出し叫ぶ。
「何も変えられない?、嫌違うね、少なくとも私は!三月に変えてもらった!!楽し事や面白い事、沢山やった、三月は私や私達にとって絶対に必要な仲間だ!!」
「……ありがとう」
三月は琴葉に聞こえない程度の声で言う、目の前が少し滲みそうになるがそれを何とか抑え、その時には、頭痛や目眩いや、身体の熱などが幾度となく引いていた、三月はすぐに戦闘の体制をとる。
草薙新羅は、その語りに心底不快感を覚えたのか攻撃を仕掛けてくる。
「そうかよ!! 『地打ちの風』!!」
(昔ハジメさんに言われた事がある、)
――三年前――
「お前が刃を振るう理由は何だ?」
「えっ?、……」
三月は少し考える。
「分からないです」
野田一はその答えを待っていたかのように語り出す。
「そうだろうな……、三月、能力者が武器を持つのと非能力者が武器を持つとのではまるで意味が違う、能力者は自分がより強くそれが効果的な一つの手段として、非能力者は自分自身を守る頼みの綱として、お前にも何かその刃を振る理由があった方がいい、だろうその方がお前はもっと強くなれる、まぁアレだな俺はーお前がその刃でなにをするのかを見てみたいだけだよ、ガハハ!!」
「………」
――現在――
(今なら分かる僕が刃を振るう理由)
三月はその『地打ちの風』を避ける素振りを一切見せなかった、が……その攻撃を琴葉が能力で土の壁を出し防ぎ、能力を再び発動させ土の柱で三月を新羅の所まで発動する
(っく…『地打ちの風』は連続で使えない……!!)
三月は新羅に向かって刃を振る。
(僕が刃を振る理由それは……)
瞬間、草薙新羅は能力で浮遊の高度を上昇させ、三月の攻撃を避ける
(ッチ……一度、引いて)
草薙新羅は三月に向かってもう一度『地打ちの風』を発動しようとし、放つ……がその攻撃も琴葉によって防がれる。
「三月の出来ない事は私がする」
「あぁ!! クソがクソがクソが!!」
琴葉が土の柱をもう一本作りその柱に乗り移るその柱はそのまま新羅に向かって直進し、三月は新羅に向かって、こう宣言する。
「僕は……僕の刃は!仲間を守り全てを貫く刃になるために!!」
そのまま三月は新羅に向かってその刃を横腹を切り裂く――
「ぐっ…は」
新羅は一定以上のダメージを受けたので強制的にリタイアとなった――
三月は気絶したのか、そのまま地面に自由落下する
琴葉は三月の自由落下に気づく
「あっまずい…」
「もう私も体力ないんだけどなー『泥泥』!!」
琴葉はなけなしの力を使い能力を発動する。
三月は頭から泥水にダイブするのだった。
そして、そして――タイムアップ――
評価の通知が来るのは明日なので一度家に帰る。
その前に、学校では三月が無茶をしたと聞きつけ保健室にて彩が駆けつけて来た。
「ちょっとちょっと大丈夫?弱いのに団体戦なんてさ、さっさと棄権するのが吉なのに無理するから……いつも三月の事見てくれてありがとね、琴葉ちゃん」
「いや、いいんだよ逆に本当にゴメンね私達が三月を誘っちゃたんだ」
「ありゃ」
今の社会の医療技術は凄まじく、骨が折れようが、腕と身体が分裂しようがまぁ大抵の事は能力者によって治癒される。
三月達は湊の病室まで来ていた。
「まぁ僕は殆ど貧血と肩の傷だけだからまぁ少し休んだしもう動けるよ……」
「よかった〜」
三月は安心したような声を出す
「さて皆の安否も確認しましたし帰るか」
「そうだね」
三月、琴葉、湊、彩は明日の結果に期待を寄せて今日と言う濃い一日を終えるのだった――
【世界の価値観について】
草薙新羅は、この世界に置いて絶対的な悪では無いことを理解して欲しいです、草薙新羅は、無能者をイジメていた。もちろんイジメはダメですが無能者の迫害は宗教、政治色々な場面で行われています。そのせいか無能者は悪と言う過剰な考え方がどこかで根付いてしまったのかもしれませんね。でもダメなものはダメです




