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第95話 会談と手紙

 突然おかしな少女との邂逅などもありましたが、わたくしたちの目的はウッコネン公爵家から来た使者との会談です。わたくしは座っているだけでいいと言われておりますが、眠らないように努めなければなりません。これもノブレス・オブリージュってやつですわね!


 応接室で行われた会談についてわたくしから言うことは特にありません。使者の方の言葉を要約すると「同じ敵を持つ者同士仲良くしようね!」とのことです。わたくしと父が「いいよ!」と返すと会談はお開きとなりました。と言いましてもまだイベントは残されています。このあと会食があるんですのよね。


 あまり気が乗りませんでしたが、適当にお茶でも飲んで帰ろうと、わたくしは会場のホールに入ります。しかし目に飛び込んできた光景に思わず目を見開いて驚愕してしまいました。なんと! なんとあのお寿司屋さんの方がいらっしゃったのです!


 今日なんと素晴らしい日でしょうか! 歌でも歌いたい気分ですわ! ウニの!


 けれど残念ながら会食でモリモリとお寿司を頬張るわけにもいきません。流石のわたくしも自重です。近々エクソシア領に出店するそうです。無税にした甲斐がありましたわね!!


 会食中に使者の方とも少しお話をしたのですが、内容はあまり覚えていません。何でしたっけ? ウニ? あとはスキアを売ってくれとか、パイロットの研修をして欲しいみたいな話だったような気が致しますわね? とにかくウニのことしか覚えておりませんが、無事ウッコネン公爵家との会談は終わりました。



◇────────────────◇



 わたくしと未夢がこれからの最重要事項に向けての準備を進めていたある日、わたくしの元へ1通の手紙が届きました。


 差出人には知らない名前が書いており、内容は何やらよくわからない言い回しで長文が綴られていました。


 故事やことわざ、何かの詩の引用のような言葉が多用されており、何を伝えないのかがまったくわかりません。端的に申しますと怪文書ですわね。


「これ、何ですの? こじれたファンからのお手紙でしょうか?」


「……どれ? ああ、うん……なるほど…………これは果たし状」


「これのどこに果たし状要素がありましたの!?」


 手紙を詳しく解読してもらうと、内容が理解できてまいりました。要約しますと、「機極術の他の使い手を倒したくらいで思い上がるな。私が最強だから勝負しろ!  時刻は明後日の正午! 場所は以前四御たちが壊した建物があるらしいからそこで待つ」だそうです。


「……翠蘭もこんな文章を書くときがある。何度も読んでたら慣れた」


「なんだか負けた気分になりますわね……。まぁなんだかよくわからないですけど、とにかくわたくしがぶちのめして差し上げますわ!」


 そう未夢に宣言した2日後のお昼、わたくしは未夢と今度オープンするというお寿司屋さんを訪ねていました。まだ開店はしていないのですが、わざわざ招待してくださったので、これを断るのは大変失礼にあたります。何をおいても必ず出席しなければなりません。


「……なんか今日用事なかったっけ?」


「お寿司を食べてから翠蘭のサイズを測りに行くんじゃありませんでした? これで全員でしょう?」


「……うーん。そっか。まぁ大事なことだったら思い出すか」


「そうですわよ」


 たまにはこんな何も起きない平和な日があってもよろしいですわよね。オープンした暁には、アリシアの妹ちゃんたちも連れて来てあげましょう。

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