第83話 地下研究所
未夢が指揮する陽動作戦開始から10分後、不思議なことになぜか病院の庭にあった大型のエレベーターから数機のMAが現れました。警備用にしては数が多すぎますし、ミサイルやら何やら積んでいるガチ装備なのはおかしいですわよね!?
『副長、あれはどうするんですの?』
『MAが現れた場合は奇襲する手筈になっています。合流を阻止してください』
『つまりやっちゃっていいってことですのね! アリシアは戦闘が終わってから来てくださいね』
フル装備の「ダン・コーマ」──ハロウェル騎士団が正式採用しているMAですけど、覚えていますか?──が6機移動を開始しました。
わたくしはグローシアのブースターを全開にして一気に近付くと、一蹴りでダン・コーマの首を刈り取ります。
「オラァッ! ですわ!」
ダン・コーマ隊が混乱している間に、わたくしは好き勝手に破壊の限りを尽くします。ミューβよりは丈夫ですけど、やはり量産型MAは脆いですわねぇ……。
『なっ!? なんでエクソシアの悪魔が!?』
「ご機嫌よう、そしてさようなら。えいっ!」
そうして一瞬で6機を破壊しました。やっぱりこれですわ! MAを壊すのが一番ストレス発散になるんです! 本当に!
『アリシア、さっさと妹さんを救出して逃げますわよ!』
『うん。びっくりするくらい強いね……』
『もっと褒めてもいいんですわよ?』
アリシアのスキアと合流したわたくしは、残念ながら動かし方がわからなかった大型のエレベーターを破壊して降下することになりました。
降りた先にはまだ2機のダン・コーマが残っていましたが、爆発したりしないように丁寧に潰しておきます。弾薬とブースターには注意ですわよ。
そして先ほどまで聞こえていたアリシアの妹の声らしきものに変化が現れました。まるでエコーがかっていると言いますか、輪唱しているような声が頭に響きます。……なんだか増えていませんこと?
『アリシア、わたくしの思い違いだったら申し訳ないのですけど、妹さんはたくさんいらっしゃるのかしら?』
『一人のはずなんだけど……。何かおかしいね。この先かな?』
わたくしは素直にアリシアの後を着いて行きます。途中ハロウェル騎士団の兵士が銃を持って現れたりしましたが……。皆様は生身でMAの前に飛び出してはいけませんわよ? ミンチより酷いことになってしまいますからね。
『ここからはMAを降りて行かないといけませんわね』
『一応聞いておくけど、ヴィアは銃って使えるの?』
『もちろん使えませんわよ!』
『だよね……』
『安心なさい。わたくし壁越しに人が見えたり、指を折ったりできますから』
『何それ怖……』
MAを降りたわたくしたちは警戒しながら研究所の中を進みます。壁越しに見える赤いオーラの兵士は対処していきます。帰りに会ったら面倒ですからね。
初めはサイコキネシスで指を折ってからアリシアが発砲という形だったのですが、最終的にはサイコキネシスで目を潰してわたくしが殴るという形に落ち着いてしまいました。わたくし生身でも強かったんですのね? 知りませんでしたわ。
「あはは……ちょっと引くね」
「もっと褒めてもいいんですわよ?」
廊下を進むと鍵付きの病室のようなものがズラりと並ぶ区画に出ました。そしてここからは赤いオーラを持つ敵影が兵士から白衣の男たちに変わりました。マジで研究区画みたいですわね。
こういうのを逃がすと、絶対後で似たようなことをしでかすんです! わたくしは詳しいんですわ! しっかり処理しておきませんとね!!!
2人目の白衣の男はポケットに鍵束を持っていました。こういうの持っててくださると、こちらとしては大変助かりますわ。
「ここだよ!」
それからも白衣の男たちを処理をしながら進んだ先で、ついにアリシアが妹さんの居る部屋を見つけました。




