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第78話 レガシー(小)

 消えたと思ったボス猿は足だけ残していました。きっとそのうち雪に変わったりするんじゃありませんこと? まぁ特に素材になるわけではないので放置していくことに致しましょう。


 主砲を全力全開で撃ったことでアグリオスの胸部の一部は溶けており、そのせいで左腕が動かなくなってしまいました。それに胸のエネルギー砲も壊れてしまったようです。コクピットブロックまで少し溶けていますわよ!?


「わたくしは悪くないですからね!? たまには未夢も怒られるといいのですわ!!」


「……私は悪くない。バカ魔力バカが悪い」


「バカって言いました!? 2回も言いました!?!?」


「はやく帰ろうよぉ……」


 わたくしと未夢が言い争い始めると、ぐったりした様子のアリシアが間に割って入りました。確かにアリシアは病み上がりですし、疲れたでしょう。しかしまだ帰るわけには参りません。


 先ほどのいざこざについては司法《翠蘭》の手に委ねることにしましょう。こんなん絶対勝ちましたわ! 風呂入ってきますわ!


「寝てても構いませんから、もう少し付き合ってくださいません?」


「……まだ何かあるの?」


「お宝捜しですわ」


 アグリオスは洞窟の中を進みます。辺りは色々と焦げたり崩れたりしていますが、スポットは時間経過で元に戻りますから何の問題もありません。先ほど足の先だけを残して蒸発したボス猿ですら時間経過で元に戻ります。しかしスポットの中で唯一元に戻らないものがあります。それは……。


「あー……ハズレかもしれないですわね」


 洞窟の最奥まで進んだわたくしたちの目の前に現れたのは、淡く輝くコンテナでした。懐かしいですわね……。老竜を倒した時に出た以来です。レガシーですわ!


 しかしコンテナのサイズが小さいです。前回はおバカデカチェーンソーとピュママギコークスクリスタルが入っていましたので、全長20メートルくらいの立方体といったサイズ感でしたが、今回のコンテナは3メートルの立方体といった感じです。クリスタルすら入らないサイズですのでハズレです。ハズレ。あーあ、ですわ。


「これってレガシーってやつ!? 本当にあるんだね! 初めて見たよ!! 開けたい! 開けていい!?」


 先ほどまで瀕死だったアリシアのテンションが突如としてブチ上がりました。現金な子ですわねぇ……。


 前回はMAで開けるタイプのコンテナでしたからよかったのですが、今回は人間が横から開けないといけないタイプです。面倒ですが生身で開けに行かねばなりません。寒いので外に出たくない気持ちもありますけれど、パイロットスーツとヘルメット被れば大丈夫なのです。パイロットスーツを着ていれば宇宙空間でレイピアを使った白兵戦だって可能です。


「未夢、ちょっと開けてきますから、周囲の警戒をお願いできます?」


「……わかった」


「私も行くから!」


 アグリオスのコクピットハッチを開き、ハッチに隠されていた部分にあるボタンを押すと小型のクレーンが装甲の隙間から生えてきます。その先には棒状の踏み板と取っ手がついています。この簡易的なエレベーターを使わないとアグリオスは大きすぎて乗降できないんですわよね……。ハッチも顎の辺りにありますから通常のMAより高い位置にありますし……。


「先に降りてくれる?」


「何言ってますの。こんなの一緒に乗ればいいんですわ。支えてあげますから足をお乗せなさいな」


「えっ!? ちょ、ちょっとそういうの恥ずかしいかも……」


「恥ずかしい? 何が恥ずかしいんですの? ほらほら、言ってみなさい!」


「……寒いからはやく出てって!」


 半ば追い出される形でクレーンを使い降りるわたくしとアリシア。腰をぎゅっと抱いて差しあげますと、ぎゅっと抱き返してきます。役得ですわね!!!


 着地したわたくしたちは急いで輝くトラ……コンテナの前に移動しました。雪猿がリポップしたら面倒ですからね。ちなみに雪猿は人も普通に食べますから気を付けてくださいまし。


「開けるよ?」


「ええ、よろしくってよ」


 アリシアがガチャリとロックレバーを外しコンテナの扉を開けると、中は外側と同じように淡く輝いており、そしてコンテナの中央には台座がありました。その上には整然と何かが積み上げられていました。


「何これ? 本?」

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