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第77話 溶けた

 洞窟の入り口が真っ赤に染まりきった頃、アグリオスは洞窟の入り口を制圧致しました。


「……それでどうするの? 入るの? この機体はあまり狭い場所で戦うのは得意ではないわよ」


「わたくしたちの目的は胸部に装備されたエネルギー砲のテストですから、入りませんわよ」


「入らないの? ……え? ヴィアリスさん、嘘だよね?」 


「……ヴィア、あなた最高だわ!」


 わたくしの言葉にまったく正反対の反応を返す二人。アリシアは相変わらず常識が抜けませんわねぇ……。はやく馴染んで欲しいものですわ。そしてうちで働けばいいのです! アットホームな職場ですわ~~~~!!


 それにしても未夢のトリガーハッピーっぷりは末恐ろしい感じがしますわね。……末って一体いつなのでしょうか?


「ではとりあえず撃ってみましょうか」


 洞窟の前にアグリオスを立たせると胸に装備された大口径エネルギー砲をそちらに向けます。……もう1歩下がっておきましょうか。


「……念のため出力10%で試射する」


「はい、どうぞ。危ないですからアリシア嬢は操縦桿から手を離しておいてくださいね」


「大丈夫なの?」


「……はいはい、カウントダウンする。10……9……んー……0」


「ちょっと!?」


 カチッとトリガーが引かれると、コクピットの中を照らしていたピュアマギコークスクリスタルの翡翠色の輝きが強くなり、操縦桿を通してわたくしの魔力が吸い上げられていく感覚が致しました。なんといいますか新感覚ですわね、これ!


 エネルギー砲から発射された投射体の太さはカニ……クラブ・カノンよりやや太い気が致します。威力はよくわかりませんけど改良されているのではないでしょうか?


 投射体はバリバリと洞窟の入り口を拡張しながら洞窟の奥に着弾すると、中から凄まじい雪猿の悲鳴があがりました。きっと中では大変なことになっているのでしょう。


「未夢、このままだと猿が出てきてしまいますわよ」


「……なんか余裕そうでムカつく。じゃあ次は100%でいく」


「本当に大丈夫なの!?」


「この感じですと大丈夫ですわよ。……なんでわたくしがムカつかれてますの!?」


 隣でそわそわと心配しているアリシアと、なぜか後ろでムカついている未夢。未夢はそのままトリガーに手をかけると、何も言わずに即座に発射しました。


 白い閃光が走ります。発射されたエネルギー砲は明らかに砲身より大きな太さで洞窟を破壊していきます。まっすぐに発射されたはずなのですが、外側のエネルギーが散ってしまっているように見えますわね。きっとこれは肉眼で見ている未夢には眩しくてわからないはずです。わたくしは感応器官で見ているから解るのでしょう。


 目の前の洞窟が崩れ、蒸発していくのがわかります。岩って溶けるんですわねぇ……。


「あら、結構吸われますわね」


「……なんで余裕なの?」


「それよりボスが来ますわよ」


「ボス!?」


 ほとんどが崩壊し、湯気と土煙にをもうもうと吐き出し続ける洞窟の奥から、悲鳴とはまた違う雄叫びがあがりました。そしてその煙の中から大型のMAであるアグリオスよりさらに大きな雪猿が現れました。真っ白であったであろう毛はところどころ焦げ、すでに血によって赤く染まっている場所もあります。


「ど、どうするの!?」


「未夢?」


「…………ふふ、リミッター解除。発射」


「へ?」


 コックピットが白い閃光で満たされ、わたくしの感応器官がアグリオスの機体まで溶解しているのを伝えてきます。仕方がないのでわたくしは操縦桿から流す魔力を絞るように意識しますと、かき消えるようにエネルギーの放射が終わりました。コクピット内まであっちぃですわ!


「……む? エネルギー切れ?」


「ひぃぃ……帰りたい」


「危ないでしょう! 機体まで焼けてますわよ!!」


 なお目の前に居たはずの大きな雪猿は居なくなってしまいました。不思議ですわねぇ……。

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