表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

75/82

第74話 試験機

 ごきげんよう、皆様。本日早朝、何者かの手によってウィングリー王国国営ラジオ放送局が爆破されました。朝のニュースを放送している時に爆発したみたいですわよ。物騒な世の中になりましたわねぇ……。


 けれどウィングリー国営放送がなくなったからといって、わたくしの日常に変わりはありません。


 ウィングリー王国には国営放送以外にも2つの民間ラジオ放送局があります。今のところそちらには手出しをしていませんが、もしエクソシア公国に批判的な放送をすれば……。これ以上は言う必要ございませんわよね?


 そして爆破された直後から、偵察機兼電波中継機のピロフォリオによってラジオジャックが始まりました。その放送内容はわたくしとシャノンの演説なのですが、シャノンは聖歌まで歌ったそうですわよ。自分の声の録音って聞いてみると初めは嫌な感じがしたんですけど、聞き慣れてしまうと自分が美声を持っていることに気がつきました。やはりわたくしったら最強なのでは……!?


 そしてそれとは別に防衛ラインでも動きがありました。いつの間にやら防衛ラインの責任者となっていた未夢が新たな作戦行動を開始したのです。ピロフォリオによって敵の無線の傍受ができるということは、敵の無線を使用できるということでもあります。


 未夢は敵の無線を使って執拗に挑発を繰り返しました。敵が周波数を変えようと、ネチネチと毎日毎日嫌がらせを繰り返し、さらに夜な夜な敵部隊陣地に向かって砲撃をし続けました。


 そして敵が怒って出撃してくるとスコアを稼ぎ、敵が引きこもって出て来なくなると陣地の奥まで砲撃が届く位置まで突撃してから砲撃し、執拗にスコアを稼ぎました。結果ウィングリー王国の前線陣地は20キロメートルほど後退。未夢はスコア稼ぎができないと怒り心頭、というわけですわ。未夢が敵じゃなかったことを神に感謝しますわね……。



◇────────────────◇



 7月に入り、すっかり暑くなってまいりました。ウィングリー王国との攻防もいまは膠着状態に入っています。前線を押し込んだのですから、あのまま攻めればいいとわたくしは思ったのですけれど、うちの悪だくみ担当である翠蘭が、他のことにお熱だからですわね。そしてそのお熱の元が今わたくしの目の前にあります。


 そして格納庫を2機分ぶち抜いて駐機されているオレンジがかった赤色の機体は、通常のMAの横幅より2倍近く大きいのでないでしょうか? 


 胸部と腹部には、以前未夢が撃って体調を崩した大口径エネルギー砲の改良型が搭載されています。……搭載というにはお腹から突き出てますけど。


 エネルギー砲に手足が生えて胸部の上側から頭部がコアブロックになっている変わった構成になっています。


 ピロフォリオと違うところは装甲がしっかりしているところでしょうか? あれは逃げるのに特化してますからね。こちらは重装甲ですが、ブースター類は大型のものが採用されています。つまりおクッッソ燃費が悪いってことですわね?


「それでこの……おデブな機体は何なんですの?」


「以前言っていた試験機『アグリオス』だ。スポットでのテストを頼む」


「……ふふふ、この日を楽しみにしてた」


「あ、はい……。ってなんで未夢君が!?」


「……何その言い方? 複座よ、複座」


 そういえば未夢も防衛ラインが暇になったことで、本部こと元エクソシア家私邸、現エクソシア騎士団基地に帰ってきていましたわね……。


 こほん。複座……つまり二人乗りってことですわね。確かに元になったアラフニス2は5人くらい乗れたんでしたっけ? 2人まで削ったんですわね。


「操縦と砲撃で操作系が分かれているから慣れるまで少し時間がかかるかもな。まぁお前らなら大丈夫だろ」


「わたくしはいいですけど……」


「……ふふ、人の魔力で撃つエネルギー砲は絶対最高」


 わたくしの魔力はタダ酒か何かですの!?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ