第71話 思ってたのと違いました
わたくしとシャノンが雌雄を決したり……雌雌ではありませんか? ……こほん。とにかく決着をつけたり、なぜかそれをサラが見ていたり、一緒に下着やその他諸々を注文しに行ったり……と素敵な3日間を過ごすことができました。そろそろ7月ですし無限に夏休みが続く季節に早くなって欲しいものですわ。
そして無事と言いますか、修理されてしまったと言いますか、わたくしの前には無事に腕が修復されたグローシアが立っています。いえ、嬉しいのですけれど……。
はぁ……あのチアリーダー軍団のリーダーが来ているらしいので行かなければなりません。面倒臭くなってきましたわね……。わたくしはもっと日々爛れた感じで過ごしたいのですが……。
「何ため息を吐いてるんだ? 早く行って来い。今日はバックアップは大丈夫なのか?」
「やつらのボスが来るはずですからタイマンですわ、タイマン。それにしても億劫ですわ~……」
そういえば捕虜となっているおっさん二人はどうしているんでしょうか? すっかり忘れてましたわね。どうでもいいですけども。
「そういえばあのアラフニス2のクリスタルは使ってしてしまうぞ?」
「それは別に構いませんけど……。あっ! あれの改修に使えませんの?」
忘れていたといえば、わたくしの指差した先には少しホコリを被ったチェーンソーが置かれています。デカブツを狩る時にしか使われていない哀れなスポット産レガシー武装に救いはないのでしょうか?
「うーん……やるだけやってみるが……。新型機にもPMCCを使う予定だ。それの試験も頼みたい」
「それもよろしいですけど、格闘機ですの?」
「いや、エフカリストに乗ってたやつを積んでみようと思ってな」
「ふーん、まぁいいですけどわたくしが撃っても当たらないですわよ? それでいいならスポットのレガシーのありそうな場所で試し打ちしてみましょうか」
「なんでそんな場所を知ってるんだ? はぁ……とにかく気を付けてな」
なんだか翠蘭の元気がないですわね。いつも仕事中はバリバリに仕事できる風に見えますのに……。いえ実際できるのですけど。
「心配してますの? いってらっしゃいのちゅーしてもいいですわよ?」
「やっ、やめろ……整備員たちが見てるだろ」
「ああそれ! わたくしが言いたかったやつですわ! 兵が見てますの!!」
「いいからはやく行け!」
半ば追い出されるようにしてわたくしはグローシアで発進致しました。目的地は以前チアリーダー部の方たちと戦った場所です。今回は大人しく待っているようですわ。ちなみにいってらっしゃいのちゅーは致しましたわよ。
◇────────────────◇
「ごきげんよう、チアリーダーの方たち」
以前訪れた監視所の近くに大きなテントが立てられていました。テントといいますか、遊牧民が使ってそうなタイプのやつですわ。パオっていうんでしたっけ?
そしてその近くに2機のMAが駐機していました。そのうちの1機は以前ぶん殴った紫后のMAです。まだ腕は修理されていませんでした。
もう1機は丸みを帯びたデザインの黒い甲冑姿のようなMAでした。膝をついて駐機しています。なんだかダンゴムシみたいですわね……。
「ごきげんよう、チアリーダーの方たち」
わたくしがテントの隣から声をかけると、中から紫后が出てきてブチ切れ始めました。あー……紫后は結構とうが立ってるといいますか、ええと、つまり、妙齢の女性ですわね。昔は美人だったとか言われるタイプです。間違いありません。
「チアリーダーではない! 我らは機極術を修める者だぞ!」
「紫后、よい」
その後ろから小柄な老人が歩き出てきました。歳は70は越えているように見えます。
ハットを被り、スーツを着ています。……もっと、こうわたくしはTHE・老師! みたいな方が出てくるものだとてっきり……。
「あなたが機極術の一番偉い方ですの?」
「いかにも。儂が機極術の三清、上清だ。よろしくな、お嬢ちゃん」
「はぁ……わたくしは殴り合えると思って偉い人を呼びましたのよ? 強い人と言い換えてもいいですわ。来て頂いて申し訳ないのですが、立場が偉い人はお呼びじゃありませんの」
「本当に無礼なやつだな!」
「じゃっかあしいですわよ紫后! 雑魚は黙ってらっしゃい! そもそもあなたたちがわたくしの首を狙ってきたのがそもそもの始まりでしょうが! 詫びるかここで死ぬか選びなさい!」
「ハハハ! 面白いお嬢ちゃんだ。うちのもんがあんたを襲ったのはシノギってやつだ。悪く思わんでくれ」
「思うに決まってますわよね!? わたくしが直々にぶっ殺して差し上げますからさっさとMAに乗りなさい!」




