第68話 また反省会
わたくしが「次に会ったら殺すリスト」に第3王子をぶち込んだ翌日。お昼から恒例の反省会が行われます。気が重いですわ……。
昨日はマジで疲れてましたので、帰って来てすぐにベッドに倒れ込んで爆睡ぶっこいてしまいました。なぜか起きたら隣に裸のサラが寝ていました。不思議なこともあるもんですわねぇ……。
「おはようございます。皆様お揃いで……」
エクソシア騎士団の会議室の扉をくぐると、室内にはすでに反省会参加者が揃っていました。わたくしが最後だったようですわね。
参加メンバーは翠蘭、シャノン、騎士団の前衛部隊からジェイムス隊長とその副長。後衛部隊の隊長とその副長、サラです。未夢はまだ防衛ラインの方に居ますので不参加ですわ。
「あら? ジェイムス隊長ったら生きていらしたの?」
死んだキャラが翌日には生き返っているなんて、まるでギャグ漫画の世界ですわ! わたくしが勘違いしていただけでここはエロゲではなくギャグ漫画の世界だったのでしょうか?
「勝手に殺さんでくださいよ。と言っても奴さんの剣筋があと30センチズレてたら死んでましたな」
「わたくしったらてっきり……。でもそれならあなたのために流した涙を返して欲しいですわね」
「本当に流したんですかい?」
「……さぁ、会議を始めましょう」
まず各員からの被害報告から会議は始まりました。焼かれた畑、破壊されたスキアと防衛施設、負傷した騎士、死亡した騎士、死亡した非戦闘員も居ました。悲しいですけれど、これって戦争ですものね……。
焼失した収穫されるはずだった食料については、代わりにカラネアが闇マーケットのようなところから仕入れてくるみたいですわ。それって闇米なのでは……?
来年以降は大丈夫でしょうか? わたくしにはNAISEIなど何もできませんけど、被害にあった人々には損害の補償がされると聞いて少し安心致しました。
そして次の議題は捕虜についてです。捕虜というよりは、主にアラフニス2に乗っていたパイロットたちのことですわね。
アラフニス2には眼鏡とアリシア、その他のパイロットが3名の合計5名の搭乗員がいました。全員が洗脳及び感応器官の強化手術を受けており、かなり精神的に不安定な状態になっていたそうです。一番不安定だったのがアリシアだったのは驚きでしたが……。
眼鏡は比較的意識がはっきりしており、諜報部が聴取した内容の報告書が各員に配布されました。
それによると、眼鏡は第3王子に裏切られたと思っているようでした。突然豹変してしまった第3王子に強制的に強化手術を受けさせられ、アラフニス2に詰め込まれ前線に送られた、と答えているようです。
ですが眼鏡は悪名高きハロウェル家の……次男でしたっけ? とにかくわたくしは許す気はありません。ですので「首を塩漬けにして送り付ける」に1票を投じておきました。特に投票は求められていませんでしたけれども。
現在は眼鏡を含めた全員が鎮静剤によって眠らされている、と報告書には書かれていました。何やらヤバめの薬も大量に投与されていた形跡があり、当分はエクソシア家が管理する病院に収監されるようです。あの時はアリシアもかなりブットんでましたけど、大丈夫なんでしょうか? わたくしの数少ない友人ですから、近いうちにお見舞いに行きましょう。
3つ目の議題はウィングリー軍の動きについてです。スポット側から来た敵の残党はウィングリー寮へと退却。防衛ライン前でにらみ合っていた敵も、一部を残して首都方面へと退却していきました。
そのため防衛ライン側の敵の守りが薄くなっているようです。未夢が攻め込んでスコア稼ぎしたいと駄々をこねている、とクレームが入りましたがそれは翠蘭に言ってくださいまし!
結局この件については潜入した者から何か報告が上がってくるまで、こちらも体勢を整えて備えることになりました。
最後の議題……というより報告がありました。それはグローシアについてです。
右腕の前腕から先を斬り飛ばされてしまったわたくしのグローシアは現在修理中です。
この世界での一般的なMAの修理方法は、前世での機械の修理と同じく、壊れたパーツを交換することです。しかし第2世代のようなロストテクノロジーで造られた機体を修理する時は別のものを使います。
簡単にいうと、修理専用の大きな壺にマギコークスを溶かして作った専用の液体を満たし、そこにパーツをドブ漬けすると修理できますの。……わたくしに文句を言わないでくださいね? これは原作でもそうだったんですから!
余談ですがいらなくなったMAの部品を入れるとマギコークスに変換してくれるシュレッダーなる破砕機もありますわよ。まるでゲームですわねぇ……。
とにかくグローシアの修理には3日ほどかかるとのことでした。綺麗に斬られていたので比較的簡単に修復されるようです。まるで切り傷と擦り傷みたいな話ですわね。
それにしても今回は正座させられることがなくてよかったです。アラフニス2の破壊を阻止したことで翠蘭にも褒められちゃいましたし、当分の間ゆっくりさせて頂きましょう。人生に休暇はあればあるだけいいのですから。
その時、コンコンと会議室の扉がノックされ、1人の女性が入ってきました。素晴らしいお尻をお持ちとわたくしの中で話題になっている翠蘭の秘書らしき方でした。そそくさと翠蘭の隣に行くと、何かを耳打ちしました。……わたくしなんだか嫌な予感が……。
「ヴィアリス、またリュドヴィックの国境からMAが侵入してきた。1機は機極術の紫后が乗っていたものと同一のようだ」
「……3日後に行けたら行きますわ」




