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第54話 見ていきます?

 プロパガ……いえ、ラジオのおまけの写真の撮影は熾烈しれつを極めました。


 わたくしはジャケットを羽織るタイプのドレスを着せられて、聖女コスのシャノンと並んで写真を撮られました。それも1枚や2枚ではありません。大量にです。くぅ~……疲れましたわ~~~!


 シャノンの聖女コスは、未夢が作った想像上の聖女の正装でしたが、わたくしの正装は母が用意していたものだったようです。そんなものがあったなんて、わたくし知らなかったんですが……。母に聞いてみたところ、わたくしが正式に公爵家を継いだ時のために用意していたそうです。この世界では女性が家督を継ぐことは普通ですからね。


 そして撮った写真には、ありがたい聖女様のメッセージを添えた上で、例のラジオとともにウィングリー王国各地の村々に配布されるようです。現在その方法について議論中のようですわね。


 コンテナの空中投下にするのか、地上から持ち込むのか。どちらにせよカラネアがそれを担当することになりました。スパイ網の強化計画の一環で、カラネアがそれらを準備、実行することで訓練とすることにしたようです。


 つまり正規軍的な立ち位置の騎士団と、山賊的と言いますか……裏の顔的な立ち位置のカラネアで住み分けることになりました。カラネアはこれからも元気に暗躍してくれることでしょう。


 わたくしがこのことを知らされる前から色々と準備はしていたようで、エクソシア領からウィングリー王国に避難した民の中にも諜報員が混ざっていたみたいです。わたくし大体事後報告されるのですけど、一応トップなんですわよね……?


 そのように体制を変えたり、騎士団にスキアを導入したり、ウィングリー寮のマギコークス鉱山を襲撃したりと、わたくしたちは穏やかな日々を過ごしていました。しかし平和に生きていたわたくしたちに恐るべき侵略者の魔の手が忍び寄っていたのです……!


 その凶報は新設されたカラネア諜報部よりもたらされました。


「ウィングリー軍が攻めて来るですって!? なぜなんですの!」


「いや、思い当たる節がありすぎるだろ。マギコークス鉱山の占拠にウィングリー寮軍の妨害、さらにハロウェルの研究所もまた襲撃してたよな?」


「そうでしたっけ? オホホ……」


 わたくしの私室に報告に来た翠蘭のちくちく言葉を聞き流しながら、ミルクティーに口をつけます。スポットでの素材集めも一段落して、わたくし最近暇なんですのよね。


「それとお前宛てに手紙が届いていたぞ」


 渡された可愛らしい封筒を開けると、中にはアリシアからの手紙が入っていました。


 内容はハロウェル家が、名のある傭兵を雇ったこと。その傭兵がフォトゥネスからリドヴィック経由でウィングリーに入ったことが書かれていました。そしてその手紙の最後には、おそらくこれが最後の手紙になるだろうこと。次に会った時は敵同士であることや、仲良くしてくれてありがとう……と書かれていました。


 アリシアはかなり冷遇されているとは言えハロウェル家の令嬢ですし、彼女はわたくしから見てもMAの操縦が上手です。エクソシア領の攻撃に際して招集を受けてもおかしくありません。というか受けたから手紙を送ってくれたのでしょうね……。


 いまだにアリシアシナリオの内容を思い出せないわたくしを許してくださいまし……。


「何の手紙だったんだ?」


「お友達からです。ハロウェル家が傭兵を雇ったから気をつけろ、と忠告のお手紙ですわ」


「ああ、諜報部からも報告があった。『玄冥』とかいう男で、なんでも機極術と呼ばれるMAを使った格闘術の達人だそうだ」


「ほーん? わたくしより強いと?」


「グローシアより高性能機に乗っているってことはないだろう」


「機体性能で勝つって言いたいんですの!?」


「それも含めてお前にやってもらいたいことがある。暇してるんだろう?」


「わたくしが暇している以上に、翠蘭もシャノンも未夢も忙しすぎますわ! わたくしの相手をもっとしなさい!!!」


「お前が仕事を増やしてくるんだろうが!」


「だまらっしゃい! あなたがわたくしの部屋に来る時に、えっちな下着穿いて来てるの知ってるんですからね!!!」


「なっ!? ……そんなことない」


「はいはい。普段からえっちな下着つけてるエロい女は寝室に連れて行っちゃいますからね~?」


「待って……まだ仕事が……」


 往生際の悪い翠蘭をお姫様抱っこすると、丁度そのタイミングで扉が開きました。


「ヴィア、ちょっといい? ……ええっ!?」


「あー……ごきげんよう、シャノン。見ていきます?」


「見せようとするな!」

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