表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

56/101

第55話 チアリーディング部

 グローシアのコクピットからごきげんよう。


 本日は満天の星空からお送りしております。というのも翠蘭が「ウィングリー国軍が集まり始めている。夜襲して来い」などと言いますのよ。なのでわたくしは眠たい目を擦りながら出撃したわけです。これから夜勤が多くなりそうで嫌ですわね……。


 え? 昨夜のことですの? ……翠蘭の名誉のために、シャノンは《《見ていった》》とだけお伝えしておきます。


 あと気が付きましたら寝室にサラが居てびっくりしましたわ。最近わたくしの感応器官を持ってしても、サラのことを感知できない時があるんですけど、彼女は何か特殊能力を持っているのでしょうか? 


 それにしてもグローシアを合法的に乗り回せるようになってからというもの、エフカリストの出番が激減してしまいました。わざわざあれに乗る理由もないですからね。


 そもそもエフカリストはスキアのプロトタイプに、ハロウェル家からぶん盗って……いえ、救出したMAのコアユニットを無理矢理載せた機体です。「量産型MAにピュアマギコークスクリスタルを無理矢理搭載してみた」がテーマですから、ちょっと無理がありましたわね。


 《《エフカリストは》》、デザインに失敗しました。スキアは射撃と装甲を重視した設計でしたのに、わたくしが求めていたものが機動性だったのがいけないのですけれど。エフカリストも他の量産型の機体と比べると、機動性はかなり高いのですけどね……。


 今後のエフカリストの行く末については、翠蘭に一任したのできっと有効活用してもらえることでしょう。


 わたくしが考えごとをしている間にも、グローシアは空を飛び続けています。そしてハロウェル侯爵領を超え、さらに先にあるウェイクリング公爵領に入りました。


 ウィングリー王国にはスポットに接する3つの貴族家があります。北からウェイクリング公爵領、ハロウェル侯爵領、そして我らがエクソシア公国領です。ウェイクリング公爵領はアペルピシア山脈が近く、エクソシア公爵領はリュドヴィック共和国と接していますから、ウィングリー王国としては重要な境界を公爵家に任せる方針だったのでしょう。


 ハロウェル家? ああ、スポットで実験材料が集めやすかったからじゃないです? 


 山と森を超えた先には開かれた平地がありました。そこには巨大な軍事基地があり、エクソシア公国領を攻めるための物資が貯蔵されているとのことでした。カラネア諜報部からの報告によると、いくつかの倉庫に分けて保管されているみたいですわ。


 わたくしが紙の地図を見ながら、空から夜の基地とにらめっこしていると、基地からわたくしに向けて対空砲火が始まりました。グローシアは白いから見つけやすいんですわよね……。ステルス塗装でもありませんし……。見つかってしまったものは仕方ありません。悔やむより燃やせ、ですわ!


 わたくしは対空砲火を避けながらサイレンの鳴り響く基地に着陸すると、手当たり次第に辺りの施設を破壊致します。そして迎撃に出てきたMAを潰していきます。ストレス発散にいいですわね、これ!


 渡された地図で示された倉庫に移動するまでの間にも、大量のMAがうじゃうじゃと湧き出てきます。わたくしなんだか害虫駆除をしている気分になってきました。まさにちぎっては投げを繰り返しながら、目的の倉庫に到着しました。


 倉庫の入り口を蹴破って中を覗いてみると、中には食料らしき袋が整然と積まれています。さらにその奥には、大量のマギコークスが貯蔵されているのが感応器官によって解りました。


 今回のミッションはこれらの焼却です。わたくしは腰からぶどう状に繋がれている翠蘭謹製の爆弾を取り外すと、それを1粒投げ付けます。10秒以内に中心から100メートル逃げろとのことでしたので、わたくしは急いで次の倉庫に向かいます。


 離脱すると爆音とともに火柱が上がりました。この調子でドゥンドゥン燃やしますわよ!



◇────────────────◇



 最後の倉庫から火柱があがるのを見届けます。倉庫を爆破したあとは紅茶が飲みたくなりますわね?


 でもこれって爆弾というか焼夷弾みたいなやつですわよね? 燃やすのに特化したタイプです。おかげ様で辺り一面火の海ですわ。夜空が赤く照らされて綺麗ですわねぇ……。


「これはお前がやったのか?」


 わたくしがロマンチックな夜景を見ていると、見慣れぬMAが近付いてきました。ミューαでもβでもない、原作でも見たことのない機体です。まぁ、わたくしはすべての機体を覚えているわけではありませんから、おそらくですが。


 その機体は一言で表すと「派手」です。艶のある黒地に金やら銀のギラギラした装飾が施されており、わたくしの趣味ではありませんわね。お下品ですわ。


「どちら様ですか?」


「これはお前がやったのかと聞いている!」


「バカなんですの? 見ればわかるでしょうに」


「ならばお前がエクソシアだな。機極術ききょくじゅつ五佐ごさ玄冥げんめいがお前の首を頂こう」


「ああ、MAチアリーディング術の方でした? 応援ありがとうございますわ」


れ者がァッ!!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ