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第42話 面接

 いつもの位置にグローシアを駐機すると、整備士の方が乗降用のタラップをつけてくださいました。わたくしとシャノンがリフトから降りると、そこにはタンクマンに乗った翠蘭が居ました。なぜか腕を組んで仁王立ちしています。


「ごきげんよう、翠蘭。どうしましたの?」


「誰だそのメイドは? 関係者以外立ち入り禁止だぞ」


「紹介します。こちらは新たな従業員候補のシャノンですわ」


「えぇっ!? よ、よろしくお願いします……」


「そうなのか? よろしく頼む」


「シュニン、マタ騙サレテイナイカ?」


「うるさいですわよ、タンクマン。じゃあ面接してもらいますから、とりあえず翠蘭のオフィスに参りますわよ」


「ワタシノ名前ハ、ポインターデス」


 文句をお垂れになるポインター氏の背に乗せられて、わたくしたちはオフィスへと移動しました。そういえばポインター氏は翠蘭が趣味で作ったものらしいです。デザインがおクソダサい点につきましては、わたくしからはコメントを差し控えさせて頂きますわ。


 オフィスに着いたわたくしたちは、早速シャノンの面接を始めました。


「それでは志望動機からお願いしますわ」


「えーっと……私はシャノン=オーティスと申します。先日皐月学園を退学になってしまったので……ええと、ここで働けばいいんでしょうか?」


「ん? ちょっと待て……ちょっと待て! シャノン=オーティスってフォトゥネス教の聖女じゃないか!?」


「はい。お恥ずかしながら、解任されてしまったんですが……」


「おい! わかってて連れて来てるのか!?」


「さっき襲ってごめんなさいはしましたわよ?」


「そういう問題じゃないだろ!?」


 ギャーギャーと騒ぐ翠蘭をなだめるのに少し時間を費やしましたが、翠蘭が落ち着くのを待って、わたくしは真面目な話を始めました。


「冗談はこれくらいにしましょう、翠蘭。それにわたくしが聖女をここに連れて来たことと、わたくしたちの目的が相反しはしませんでしょう?」


「……続けてくれ」


「シャノンにもわかりやすく言いますと、わたくしたちの目的は、すべての国や研究機関に、人体を素材としたピュアマギコークスクリスタルの製造を行わせないことにあります」


「人体を素材……ですか?」


 ここからは少し長くなってしまいました。シャノンにまったくその辺りの知識がなかったためです。


 解説を翠蘭に丸投げして、わたくしは翠蘭の「なぜなにPMCCピュアマギコークスクリスタル」を聞きながら、二人の《《わたくしの女》》が話しているのを眺めて楽しんでいました。


「確かにヘーメラーを起動する時に、少女の幽霊に会ったことがあります。そんなことがあったんですね……。教国では天使と呼ばれていました」


「わたくしのグローシアにもご先祖様の幽霊が出ますわよ。ご先祖様を素材にした機体ってどういうことですの? って感じですけど……」


 エクソシア家って原作のカルヴォノ・マギストリアではあまり語られませんでしたが、結構闇が深そうですわよね……。


「造らせないことというのには賛成ですが、具体的にはどうするんですか?」


 シャノンの疑問も最もですわね。


 以前、わたくしはグローシアでハロウェル家の研究所を襲撃して、エフカリストのためのピュアマギコークスクリスタルを調達して来たことがありました。実験に使われたコクピットブロックが転がっていた場所ですわね。


 しかし、あの研究所も結局別の場所で再建されているようなのです。施設や設備など、色々と失ったものもありましょうが、結局は元の木阿弥ですわ。ところで木阿弥ってどなたかしら?


「一番平和的に解決する方法は、PMCCピュアマギコークスクリスタルが陳腐化……つまりPMCCピュアマギコークスクリスタルなんて使わなくてもいいように、PMCCピュアマギコークスクリスタルを凌駕する性能のものを造ることだ」


 翠蘭が正論で応じます。簡単に言えば、ピュアマギコークスクリスタルを現代における蒸気機関にしてしまおう、という作戦ですわね。内燃機関が発明された結果、誰も蒸気機関なんて使わなくなりました。つまり内燃機関を発明すればいいのです。


 以前もお話しましたが、MAの構造を超簡単に説明致しますと、パイロットの魔力を、マギコークスクリスタルで運動エネルギーに変換して、モーター(ジェネレーター)を回して動力を得ています。運動エネルギーと言っても、ファンタジーな謎のエネルギーなのですけれど……。


 つまりこの構造より簡単に、より大きな動力を得ることができれば、皆がそっちを使うようになって、不幸になるエメラルドアイも居なくなるということですわね! めでたしめでたしですわ!


「できるんですか?」


「現状では不可能だ」


 ……知ってましたわよ? この世界には、石油も石炭もウランもねぇですし。


 まぁ実際のところ石炭は出るみたいなのですけれど、人類に必要なすべてのエネルギーをまかなえるほど産出しません。なんだったら今でも木炭や泥炭がメインですし、森林は伐採されまくりまして、そこら中ハゲ山だらけですわよ。


「じゃあどうするんですか?」


「今は研究施設の破壊とマギコークスの流通量の監視をしているが、効果があるかは疑問だな」


「ふふふ……それに関してはわたくしにいい考えがありますの!」

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