第37話 未遂
楽しみましょうとは言ったものの、どこから攻めればよいものか……。
このままシャノンと睨み合っていても埒が明きません。例えるならアニメが原作漫画に追いついてしまって、アニメの1話24分で、原作漫画の2コマしか進まないような自体に陥ってしまいます。
「ぐぬぅっ……!」
「どうしました? ヴィ、ヴィア……」
人の名前呼んで真っ赤になるのやめてくだします!?!?!? そして後ろで悶絶しているサラはあとで制裁です。
なるようになれですわ! 覚悟を決めたわたくしは、立ち上がってシャノンの隣に立つと、手を取り立ち上がらせます。そしてよいしょっとお姫様抱っこを致します。
「~~~~~~っ!?!?」
「んふふふふふっ!!」
わたくしは、んふふふし始めたサラを放置して、シャノンをベッドに連れて行き、放り投げました。
「きゃっ!」
「シャノンに話しておかなければいけないことと、謝らなければいけないことがありますの!」
以前ぶん殴ったことを謝らないで、「致す」のは流石のわたくしも気が咎めてしまいますからね……。
決意に漲りながらわたくしがそう宣言すると、組み敷かれたシャノンは優しい笑みを浮かべ、わたくしの両脇からそっと腕を通して抱き締めます。
「いいんですよ、ヴィア。私は赦します」
「せめて聞いてから言いなさい! だからこうやって組み敷かれているんでしょうが!?!?」
シャノンの抱き締めている腕を解くと、わたくしは覆い被さったまま、いまだ真っ赤に染まったままのシャノンを覗き込みます。
「いいんです。だってヴィアが私のためにしてくれたことなんでしょう?」
「最終的にはそうなんですけど……。あの、先にキスだけしてもよろしくて?」
少し落ち着いてきたシャノンの顔色が、再び真っ赤になってしまいました。多分お話を始めてしまうと、キスするタイミングがなくなってしまうと思うので……。先に致してもよろしいんですけど、流石にピロートークでするような内容ではありませんからね。
「……っ!」
シャノンはきゅっと目を瞑ると、胸の前で手を組み祈るようなポーズを取りました。そして唇をちゅっと突き出しました。
……………………可愛いんですけど~~~~!?!?!?!?
わたくしは無言で唇を重ねます。柔らかいですわ。いい匂いがしますわ。ただただ柔らかいです。……少し興が乗ってきました。サービスして差し上げましょう!
「…………?? ~~!? ~~~~っっ!??! ~~~~~ッッ!!!!!」
「ぷはぁ……大丈夫ですの?」
唇が離れてもまだ目を白黒とさせているシャノン。驚きすぎて脳内の処理が追いついていないのかもしれません。……折角だからもう1回しておきましょう。
「~~~~!?!!?!?!?!?!?!??!!?!?」
カルヴォノ・マギストリアの世界に来てしまったと気付いた時は、色々と絶望したこともありましたけど、こうしていると、可愛い女たちを守るために頑張っていこうと思えます。
くたりと力が抜けたシャノンは目の焦点が合っていませんけど大丈夫でしょうか? ふと思い出しましたけど、これでお漏らしした女が居たらしいですわね?
あと後ろで「尊い!」とか「きました!」とか言っているサラはやはりあとで制裁です。
「じゃあお話させて頂きますわね」
上に乗ったままお話を始めようとしたところ、ゆっくりとシャノンの目が閉じられます。
「……シャノン?」
「すぅ……」
「シャノン!?」
ね、寝ましたの!? 嘘でしょう? なぜなんですの!?




