表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

31/45

第31話 土下座

 いやぁエグズルテは強敵でしたわね!


 今わたくしの前で、「頭と体が別れたエグズルテ」がトレーラに積載されようとしております。


 え? 闘技大会ですか? 開幕5秒で「エグズルテ は くびをはねられた!」となりまして、すぐに終わってしまいましたので……。


 折角ですから、レンタルされていたMA用の剣を使ってみたのですが、先ほどの一振りで折れ曲がってしまいました。わたくし剣の心得なんてありませんから、無理な力がかかったのでしょうか?


 正直なところ、こんなMA(エグズルテ)なんてもらっても困るんですけど、きっと売ればお金にはなりますよね? わたくし、お金のことは翠蘭に任せっきりでよくわからないんですわよねぇ……。


「エクソシア嬢、少しいいか?」


 わたくしが格納庫でドナドナされるエグズルテを眺めていると、後ろから声をかけられました。


「アナ……会長。どうされました? 大会期間中は他寮の格納庫は侵入禁止だと聞いていますけど、よろしいのですか?」


「私は大会運営委員だからね」


 今日もイケメンスマイルと、はちきれんばかりのお胸が不釣り合いなアナ弱さんこと生徒会長は、確かに運営委員と書いた腕章をつけています。なにやらかなりお疲れの様子です。まさに目のハイライトが消えてるってやつですわね?


「それでどうされました?」


「先ほどの決闘の件なんだが……」


 非常に言いにくそうに切り出す会長。話を聞いてみると、あのエグズルテはバカの私物ではなく、リュドヴィック共和国のものだったようです。現在絶賛国をあげての大問題となっているようでした。思わず吹き出してしまいそうになりましたわ。あの男バカですの!? バカでしたわね!


 冷静に考えてみれば、MAって普通に軍事機密の塊ですものね……。あの名前も知らないバカの行く末に幸あれですわ。そして流石国際問題を起こすことに定評のあるわたくしです。


「……リュドヴィック共和国としては、ウィングリー王国にエグズルテを渡すわけにはいかなくってね」


 ……夜月イーリンに持って行くとは言えない雰囲気ですわね……?


「渡すわけにはいかないと言われましても、どうするんですの? 没収でもします? それともまた決闘ですか? わたくし全然構いませんわよ」


「没収する権限なんて私にはないし、それに君にまた決闘を挑んだら、傷口が広がる未来しか私には見えないよ……。だから、私にはお願いすることしかできない……!」


 スッと自然に会長が自然にしゃがみ込むと、膝と両手を地面につけ、そのまま頭を下げました。ワオ! これはジャパニーズドゲザスタイルですわね!? わたくし土下座されるのは始めてです! ちょっと感動してしまいましたわ!


「数々の無礼、誠に申し訳なかった! エグズルテを返してくれ!」


「えぇ……?」


 困惑するわたくし。アナ弱さん不憫すぎますわね……。5歳下の小娘に土下座って……。でもなんだか綺麗な女性が土下座してるのって興奮しますわね?


 まぁこうやってすべて背負い込む性格のくせに、押しに弱いから、原作じゃルートから外れるとすぐ凌辱されて、酷い目に遭うのでしょうけど……。


「エクソシア嬢は降りかかる火の粉を払っただけなのはわかっている! しかし! どうかエグズルテを返してくれ!」


「え~っと……そうですわねぇ……」


 別にあのMAいらないですしねぇ……。謝罪やお金もいりませんし、困りましたわね。


「私にできることだったらなんでもする!」


「ん? ……こほん。そこまで仰るのなら、わたくしも吝かではございません。ただし条件がありますわ」


「本当か!?」


「ええ、詳細についてはゆっくりと相談致しましょう」



◇────────────────◇



「……本当にこんなことで呼ばないで欲しいんだけど」


「だって頼れる人が未夢みゆしか居ないんですもの。あと別件で少しお願いもありますの。今度埋め合わせをするからどうか許して?」


「……埋め合わせよろしく」


 と、早朝から未夢と悪だくみをした大会二日目が始まりました。


 本日は未夢先生に、皐月学園のフラワーサロンまでわざわざお越しいただいております。なお、先ほど闘技大会の2回戦も数秒で終わらせておきました。相手は桜照皇国の2年生だった気が致しますけど、急いでいたので記憶が曖昧です。


 まだ2回しか戦ってませんのに「ウィングリーの悪魔」と呼ばれ始めたらしいですね。「スポットの悪魔」と被ってるのでやめて欲しいですわね。


 フラワーサロンの一室に、わたくしと未夢、アナ弱さんが揃いました。サロン内には許された者と、その使用人しか入れないと言うルールがあります。ですので今日の未夢はメイド服です。ゴスロリメイド服で、完全に周囲から浮いておりますけれど……。


 いつもサロンのエントランス付近にいらっしゃるロマンスグレーの執事の方が、すごい目で未夢のことを見ていて、思わず笑ってしまいましたわ。


「それで私は何をすればいいんだ?」


「今日はスタイリストさんをお呼びしてますので、まずは着替えて頂きましょう。メイド服を着ておりますけど、わたくしの友人ですわよ」


「……よろしく。任せて」


「エクソシア嬢、ここに部外者は……。いや、私はただ従うのみだな」


 何かを決意したように、決意を秘めた瞳でわたくしを見つめる会長。……この人、この世界がエロ漫画でしたら、次のコマで絶対にアヘ顔ダブルピースキメてますわね……。まぁエロゲーも似たようなものですか。


「ヴィアリスで構いませんわ。わたくしも今日はあなたのことを、ベアトリスと呼びますから」


「わかった、ヴィアリス嬢」


「……もういい? じゃあさっさと終わらせるから」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ