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第25話 誰が主人公?

「こんな展開原作にはなかっただろォ!?」


 ピンクのMA(マギアスピーダ)との剣戟を押し返し、わたくしは両肩のショットガンをフルオートで発射します。2丁分の残弾、合計40発を0.3秒で撃ち切りました。しかし、ピンクのMAは両腕に備え付けられた盾を構え、それをすべて防ぎます。まさに「散弾ではなぁ!」ですわね……。


 エフカリストは、ウェポンラック内でショットガンをリロードします。これは至近距離でぶち込むしかありませんわね……。


「なかなかやるね! 会いたかったよ、悪魔さん!」


 こいつ何なんですの!? なんであなたが主人公ムーブしてますの!?!? スピーカーで会話を垂れ流しながら戦うのはおやめなさい!!!


 右肩に長距離用の大口径キャノン、左肩にミサイルランチャー。そして左右の腕に盾とガトリングガンを装備した真っピンクの重装甲タンク型MAが、キャタピラでドリフトしながら、こちらにミサイルを放ってきました。どう考えてもその姿形すがたかたちで出せる機動性じゃありませんわよね!? あと両手に盾はどうかと思いますわよ?


 なんとかミサイルをショットガンで叩き落としますが、ミサイルとガトリングの弾幕とその合間に放たれるキャノン砲による一撃。……あの……エフカリストと、はちゃめちゃに相性悪いのですが……?


 あの趣味の悪いドピンクのMAを操縦するのは、頭ピンクでお馴染み、リドリス7州連合(セブンコロニーズ)のレイヴン(ワン)、ミシェル=ストーンヒルです。


 流石にこれだけ戦闘を続けていれば学園側にも気付かれてしまったのでしょう。援軍を送る時は、最強最大のやつを送れって言いますものね!


 それにしてもミシェルの愛機「サベージヘイブン」は、マジで強いんですわよねぇ……。


 物理でゴリ押してくるタイプの機体な上に、パイロットの技量も高いです。エフカリストは現在雑魚狩り仕様ですので相性最悪です。


 ……あ~なんだかお腹が空いてきましたわ。そろそろおいとま致しましょうか! ではご挨拶して失礼致しますわね!!!


「興覚めだな。今日はこのくらいにしておいてやる」


「あれ? 悪魔のくせに逃げるの~?」


「逃げるわきゃねーだろォ!?」


 ハッ!? つい両手にエネルギーブレードを持って突撃してしまいました。ボイスチェンジャーをオンにしていると、なぜか煽り耐性がなくなってしまっている気がしますわ!?


 ガトリングの弾幕をかいくぐり、さらに一部をエネルギーブレードで斬り払いながら突撃し続けます。


 タンク型MAの利点は、移動射撃の安定性の高さです。下がりながら引き撃ちされても照準が正確です。必死に弾を回避しますが、エフカリストの動きがわたくしの操縦に追いついていません。グローシアが恋しいですわぁ……。


 とは言えこちらは腐ってもピュアマギコークスクリスタル搭載機です。あちらは通常のマギコークスクリスタルですから、機動性では圧倒していますけども!


「このピンク女ァ! 手こずらせやがってよォ!!!


 なんとかサベージヘイブンに肉薄し、肩のショットガンを、銃身が真っ赤になるまで全弾フルオートで撃ち込みます! これで弾切れですわ!


 もちろんミシェルは盾でそれを防ぎますが、狙い通りにサベージヘイブンの視界が一瞬失われる隙を作り出しました。わたくし、その機体には弱点があることを知っていますわよ?


「居ない!?」


 視界が戻ったミシェルの驚愕の声が聞こえました。もちろんわたくしが消えたわけではありません。


「おいおい、ここに居るぞ?」


 サベージヘイブンの上半身の後ろ、キャタピラの上に立っているのです。この機体は背中に手が届かないという欠陥がありますのよ。まぁその距離で戦うことを想定していないのでしょうけど。割り切った設計ってわたくしは好きですわよ。


「嘘でしょ!?」


「俺に会いたかったんだろォ? レイヴン(ワン)!」


 うーん……ここで倒してしまいましょうか? どうせミシェルは闘技大会出禁ですから、シナリオ的にも倒してしまっても構わないのですわよね。パイロットはそのまま、機体には大破してもらいましょう!


 ところがエネルギーブレードを突き立てようとしたエフカリストに、大質量の鉄塊が降り注いで来ました。


「な、なんだァ!?」


「それあげるよ!」


 突然降って来たそれは、サベージヘイブンが肩に装備していたキャノン砲と、ミサイルランチャーでした。それを切り離してわたくしにブチ当ててきたようです。な、なんて生き汚い……! わたくしといい勝負ですわね!


 そのままミシェルは、機体の重心を後ろにずらしたまま前進。バランスを崩したサベージヘイブンはウィリーをキメ、背中でわたくしを押しつぶすよう倒れかかってきました。ゲームにない動作をするのはおやめなさい!


 わたくしは背中からすんでのところで抜け出せましたが、サベージヘイブンは後ろに倒れた後、腕と体を使って上手く横に倒れる、慣れた動作で起き上がりました。


「おぉっ!? ……やるじゃねぇか」


「アハハ! 楽しいね!」


 この戦闘狂~~~~~! しかし楽しい時間は長くは続かないものです。残念ながら時間切れです。皐月学園の方角から、ゾロゾロと増援がやって来ているのが見えました。


「残念だが時間切れだな。レイヴン1」


「つまんないなぁ……。悪魔さん、この埋め合わせはしてくれるよね?」


「次はキャンキャン《《泣かせてやる》》からなァ!」


 わたくしはサベージヘイブンと距離を取ります。思った通り、ミシェルは追撃してきませんでした。本当にタイマン厨すぎますわね……。


 エフカリストのブースターを全開にして上昇します。このままトンズラ致しましょう。……あれ? わたくし何しに来たんでしたっけ?


 そしてその後夜月イーリンの格納庫に帰ったわたくしは、エフカリストを傷だらけにしたことと、ショットガンをすべて壊したことについて、翠蘭にそれはもうこってりと怒られてしまいました……。


 硬い床での正座は脚を痛めるからダメですわぁ……。この恨み……必ず晴らしますわよ……主人公!

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