第130話 エフカリスト再び
3日後に迫った待ち合わせに向けて、わたくしたちはスポットの悪魔ことエフカリストに乗った謎の男性パイロットと、ピンク頭ことミシェル=ストーンヒルを会わせる……というか戦わせる準備をしていました。準備をしてはいますが、進んでいるとは言っておりませんわ。
「未夢、あなたが行ってパーッと倒しちゃってくださいまし」
「……私は接近戦なんて無理だから。ヴィアがやって。あんたが撒いた種でしょ」
「ぐぬぬっ!」
それを言われると何も反論できません。何も考えずに会わせると言ったものの、わたくしはどうやって戦うかを悩んでおりました。
「だってぇ! あのピンク、強いんですもの! エフカリストで行くなら、正直勝てる気がしませんわね……」
「……そんなに強いの?」
「リドレスでタイマン最強ですわ」
「……わぁ。最悪」
ここはわたくし自らが出るしかないでしょう。よくよく考えてみればエフカリストの時のわたくしの口調を未夢ができるとも思えませんし。
「……でも私のエフカリストが負けて壊されるのは嫌だ。無傷で勝って」
「無茶言いやがりますわね!?」
「……あっ!」
「どうしましたの? 何か勝てる方法を思いつきましたの?」
「……翠蘭が作った新しい武器が格納庫にあったはず。使えないかな?」
「わたくしに使えるでしょうか? まぁとにかく見に行ってみましょう」
すぐにわたくしたちは格納庫に赴きました。その辺りを歩いていた整備士の方を捕まえると、件の武器のありかを尋ねます。
「ああ、あの新型ですか? でもありゃあピロフォリオに持たせようって言ってた武器ですよ?」
「少しだけ見せて頂けませんか?」
整備士の方が言うには、件の新武器はピロフォリオの護身用の銃だと言うのです。確かにピロフォリオは現状しょぼいハンドガン一丁しか持たない機体ですから、護身用の武器が強化されるとパイロットの方たちにも喜ばれるでしょう。
「どんな武器なんですの?」
「腕にはめるタイプのハンドガンですよ。PMCCの破片を使ったとかで、かなり貫通力の高いエネルギーを連射できるって話ですよ。でも魔力の燃費が悪いみたいでしたね」
「……これどう?」
「わたくしが求めていたものはこれですわ!!!」
まさに天に愛されし女、わたくしですわ!!!
ちょうど今求めているものは、貫通力です。リドレスの機体は基本的に厚い装甲と遠距離砲撃に主眼を置いています。横に並べて一斉に撃てば勝てる理論ですわね。
ミシェルの新型機「サベージヘイブン2」も例外ではありません。あれは純粋に「サベージヘイブン」を全体的に強化した機体です。以前、ショットガンとエネルギーブレイドで戦った時は驚くほど苦戦しましたからね。量産機ベースだったから勝てましたけど……いえ、勝ったんでしたっけ? シャノンの掩護で勝ったふりして逃げただけだったような……?
「……なんでそんな苦い顔してるの?」
「これは敗北の土の苦さですわぁ……。整備士の皆様、集合です! お話がありますわ!」
皆で力を合わせて、この夏の大会は絶対に絶対に優勝するんですから!!!!
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決勝戦当日、わたくしと未夢は格納庫に居りました。この2日間でエフカリストの性能がややアップ致しました。いつぞや拾ったレガシーの書物が役に立ったらしいですわ。原理は不明ですけれど……。
そして武器も例の貫通力の高いエネルギー銃がそれぞれの両腕と、左右のウェポンラックに合計4丁装備されました。腕に装着されているタイプの銃ですので、手はフリーです。ですから手にはエネルギーブレードを持てるのです。気を付けないとハンドガンを斬ってしまうので注意ですわ。
ちなみに3分の1ほどピンク色に浸食されていたエフカリストの装甲は、黒に塗り直されております。もしかしたらピンク同士でシンパシーを感じる可能性もありますが、ここは無難に黒で行くことに致しました。
「ふふふ……待ってなさい、ミシェル! 今日こそ泣かせてやりますからね!」
「……私のエフリカリストがクソダサくなった。泣きそう」
「あなたが泣くんじゃありませんわよ!?」




