第131話 宣戦布告
「……私のエフリカリストがクソダサくなった。泣きそう」
「あなたが泣くんじゃありませんわよ!?」
それからわたくしは黒のパイロットスーツに着替え、出撃の準備が完了致しました。しかし肝心の立会人が来ておりません。
先に出撃して外で準備運動でもしておこうかと思った時、ようやく立会人が現れました。
『シャノン、遅いですわよ?』
『ごめんね、昨日眠れなくって……』
通信から聞こえてくるシャノンの声色が、もうすでにお疲れと言いますか、暗いのですが……。
『……あなたたち、待ち合わせに間に合うの? 待ち合わせってウィングリー王国寮駅なんでしょ?』
『デートみたいに言わないでくださいます? シャノン、とりあえず出ますわよ』
『うん……』
わたくしはシャノンの雰囲気がおかしいことに追及できぬまま、わたくしたちはウィングリー王国寮駅へと出発致しました。
◇────────────────◇
先日わたくしが、魔と鉄のおバカさんをお仕置きした場所の上空に到着すると、すでに向こうは待っていたようでした。眼下には3機のMAが待機しております。先日見たおバカさんたちの機体と似たような機体が2機と、ピンクが1機です。
『あー! あー! よォ! よォ、シャノン! これでいいかァ?』
『それそれ! ヴィア、それでいいよ!!!』
わたくしがボイスチェンジャーのテストをしていると、さっきまでの暗さが嘘のように、急にシャノンのテンションが上がって参りました。わたくしこの熱量を持つ方たちと交流したことがあります。皐月学園のファンガールの方たちですわ。……シャノン、あなた……?
努めてシャノンのことを気にしないようにしながら、わたくしは外部スピーカーのスイッチを入れます。そしてリドレスの方たちから50メートルほど離れた位置に着陸致しますと、続いて後ろにシャノンのヘーメラーも着陸致しました。
「よォ、ピンク頭! 後ろの保護者はなんだ? お前のパパとママかァ?」
「待ってたよ、悪魔さん! 今日こそ鳴かせてくれるんでしょ? 後ろのは気にしないで、背景みたいなもんだから。シャノンも、待っててね! 今から助けるよ!」
「そうはいかんぞ、レイヴン1! ワシはレイヴン6、ウィスコンシンと呼ばれておる。リドレス7州連合を代表して貴様らエクソシア公国及びカラネアに対して通告を行う! ウィングリー王国の要請により、リドレス7州連合はエクソシア公国及びカラネアに対し宣戦を布告する! 今日中に書簡でも届くと思うが、この戦いの前に通告しておくぞ!」
「おじいちゃん、もういい? 腰痛める前に帰りなよ」
「ワシを高齢者扱いするな!!!」
ミシェルとおじいちゃんが、コントを始めてしまいました。コントの内容は笑えたものではありませんが、内容は予想の範囲内です。わざわざ通告してくださるなんて、お優しい方たちですわね。
「ご丁寧にありがとなァ。俺らとしては纏めて叩き潰すだけだ。お前も殺される前に退役して、年金でストリップを見ながらビールでも飲んでるんだなァ」
「こいつ! 下手に出てりゃあ、好き勝手言いやがって!」
「やめんか! レイヴン10!」
「でもよぉ爺ちゃんッ!?」
おじいちゃんの隣に居たレイヴン10と名乗る、悪ガキみたいな声の男がいきり立っております。こういう挑発にホイホイ乗ってくれる系の方ってありがたいですわよね。わたくしは今まで一度もそのような手に乗ったことはないですけれども!
「もうそういうのいいから始めていい? 次、邪魔したら殺すからね」
「ピンク頭も大変だなァ。始めようか!」
『頑張って悪魔さん!!!』
なぜかシャノンから熱い声援が届きます。そしてヘーメラーとおじいちゃんと悪ガキのMAが後ろに下がって行きます。
「こんな距離で始めていいのか? お前には近すぎるだろう」
「ハンデだよ、ハンデ! 先手は譲ってあげるよ!」
今日のミシェルからは《《驕り》》が感じられました。わかります、わかります。ピュアマギコークスクリスタルの載っている新型に乗った時の万能感ってヤッッバいですからねぇ……。負ける気しませんわよ、地元でなくとも! という気持ちになりますのよね。
「んじゃ、いくぜェ!」




