第107話 出撃
そして運命の3日目です。……え? 2日目ですか? 2日目は祝融を抱き枕にして寝てましたわ。
「それでどうするのだ? 今日は何かするんだろう?」
「ええ、荷物は全部引き払って格納庫に行きますわよ。忘れものはないようにしてくださいね。今日は何も考えずわたくしに着いて来ればいいんですわ」
「……なんか妾の方が弟子みたいになっとらんか?」
2泊3日の二条邸の旅も終わりの時が来ました。なぜだか知りませんけど、この家の方たちは「お嬢様、お嬢様」とわたくしをちやほやしてくださるのですっかり寛いでしまいましたわ。わたくし名乗っていないはずなんですけど……。
「皆様、本当にありがとうございました。エクソシア公国にいらした時は是非お尋ねくださいね」
「それでエクソシア女公爵さんはどうするつもりなん?」
玄関で女中の方たちと別れの挨拶をしていると、物陰からまるで黒幕のように二条侯爵が現れました。絶対こいつが真犯人ですわ……!
「あら、いつ思い出しましたの?」
「初日の夜には思い出してたんよ。何するんかな? と思って監視させてもらったけど、結局君が何がしたいのかわからんかったわ。女公爵さんは何がしたいん?」
「そこがわかんなかったんですの!? 嘘でしょう!?!?」
わたくし驚愕してしまいました。この黒幕眼鏡、人の心というものがわかっていませんわね!?
「あなたの娘を助けに来たに決まっているでしょう?」
「……それはわかるけど、綾子と女公爵さんはそこまで親しくないよね?」
「ぐっ!?」
……確かに友達というほど親しくもない気がしますわね……。ですが、1つだけ確かなことがありますわ!
「わたくしは可愛い女の味方なのです!!!」
口をポカンと開けたまま眼鏡の位置を直す二条侯爵を放置して、わたくしたちは格納庫に向かいました。気に入らないやつをぶっ飛ばして、可愛い女の子を救うのに何も理由など必要ないのですわ!!!
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『それでどうするのだ? 都市部の上空をMAで飛ぶことは犯罪だぞ?』
『黙って着いて来なさい!』
格納庫から発進したわたくしは、祝融の小言を無視して竜洞山へと移動します。もちろん都市部の上空を通りますから、時間が断てばワラワラと桜照皇国のMAがやってくることでしょう。
『妾の話を聞いておるのか!?』
『犯罪がなんですか! こっちはもう国家反逆までやってるんですからね! やっぱりあなたうるさいから帰っていいですわよ?』
祝融の炎帝がヒヨコのように後ろを着いて来ていますけれど、はっきり言ってこの戦いには着いて来れないでしょう。祝融はここに置いていきましょう。
『なっ! 本当に妾は帰らせてもらうぞ!?』
『わたくしを倒すこともできず、二条綾子の護衛もできず、あなたは一体何をしていたんですか? わたくしの抱き枕になることしかできなかったですわね?』
『ぐぬぬぬっっ……!! そこまで言うのならお前の行く末、見届けさせてもらうぞ!』
『手出しは結構です。離れた場所でわたくしの活躍を見て、股でも濡らしていなさいな!』
『濡らさぬわ!!!』
空襲警報のようなサイレンが辺りに響き始めました。通過禁止エリアに差し掛かったのでしょう。楽しくなって参りましたわね!!




