第102話 グローシア(機極術のすがた)
「お願いです、オルシア! 先っちょだけ! 先っちょだけですからお願いしますわ!」
ごきげんよう、皆様。わたくしは只今、グローシアのコクピット内で、グローシアのピュアマギコークスクリスタルに取り憑く怨霊ことオルシア=エクソシアに懇願していました。
今回の桜照皇国への潜入作戦を考えた時に、エクソシア女公爵として赴くのは問題があるのではないか、と問題になりました。色々と協議した結果、祝融の弟子として潜入するという案が採用されてしまいました。残念なことに……。
以前にグローシアを黒く塗ったことを覚えていますでしょうか? 黒く塗ったグローシアに乗りスポットで暴れていた時期もあります。わたくしも若かったですわね……。すっかり丸くなってしまいましたわ。
あの時はオルシアは嫌がったりはしなかったのですが、今回も国際問題回避のために黒色に塗った後、大変不本意ながら機極術の方たちのMAのように角と見た目だけの偽装装甲をつけようとしたのですが、オルシアがとても嫌がっているのです。
つけようとすると一人でにグローシアの顔が動いてジッと作業員のことを睨みつけてくるので、作業員の方も怖がって作業しなくなってしまいました。オルシアは残念ながら本当に祟ってくるタイプなので仕方ないですわね。
「オルシア、わたくしだって嫌なんですからね!? 1週間だけ我慢してくださいまし!」
わたくしはそれから1時間ほど拗ねるオルシアを説得することになりました。なんとか説得はできたものの、それで得られたものがダサくなったグローシアなことに気がつき、わたくしは格納庫の隅で一人肩を落としました。
そして追い討ちのように未夢がやってきて、わたくしに衣装を渡していきました。確かにいつものようにドレスを着て行くわけにはいかないのは理解できますが……。
用意された衣装は祝融と同じようなチャイナボタンの上着にタイトなパンツでした。早速試着してみたのですが、お尻がきっっついですわね!?
「あの……サイズがキツいですし、わたくしペアルックは嫌なんですけど……」
「よいではないか。妾も本当に弟子ができたようで嬉しいぞ?」
「わたくし自分より弱い方を師匠とは認めませんわよ?」
「ぐぬぬっ……!!」
色々な問題を解消しながらも、準備は急ピッチで進められました。やれやれ……いっちょ可愛い女を救ってやりますか!
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作戦を開始したわたくしたちは、まず桜照皇国寮から少し離れた場所にある森に移動しました。スポット内の森は色々と危険がありますので、もちろんスキアも配備されています。
森の中の少し開けた場所に中継基地を作り、わたくしは1日1回はここに戻って来なければならないという縛りがついております。正座は嫌ですわ……。
グローシア(機極術のすがた)に乗ったわたくしと、修理された炎帝に乗った祝融がまず向かったのは桜照皇国寮でした。
桜照皇国寮……と言いますか、スポットから外に出る時には基本的には寮を通らねばなりません。
そこではマギコークスを違法に持ち出していないか、不法な入国ではないかのチェックがあります。簡単に言いますと税関みたいなもんですわね。
皐月学園が形骸化しつつある今、このマギコークスの持ち出しチェックもあまり意味があるとは思えませんが……。
わたくしはウィングリー王国の身分証を発行して頂きましたので、それを使用しました。写真以外はでたらめですが。これはエクソシア領でも発行できたものですから、本物とまったく同じ偽造身分証です。
さらに祝融が二条家の免状を持っていましたので、わたくしたちは無事に桜照皇国へと入国致しました。




