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馬車を降りて両親と共に受付に行けば、お父様からの説明通りに、ビー玉位の大きさであるステータス玉なるものを渡された。
透明で手触りはガラスみたいなのに、グミのような柔らかさと弾力のあるそれを、言われた通りに掌で握り込むと、パチンと弾けた感覚の後、跡形もなく消えていった。
不思議な感覚に掌を見つめていると、お父様に背中を優しくトントンと叩かれて立ち止まって居た事に気付いた。
『後ろがつかえてしまうから、行こうか』
優しく言われて、歩き出す。
このステータス玉の配布があるせいか、前後の間隔は開けられている。
私が立ち止まれば、後ろで待機している人達が受付に進めないようだった。
申し訳ない気持ちで、早足になると
『そんなに急がなくて大丈夫よ』
と、お母様に笑われた。
うむむ。何やら恥ずかしい。
少し顔に熱が集まるのを感じながら下を向いて歩いていると
『聖なる泉に祈りをお願い致します』
騎士服を着ているので、王宮騎士団の方々だろうか?
ゲームでも、目にした泉にそっくりな真っ白な石造りで、中央部分から水が湧き出ている、泉というよりは噴水じゃない?と、ゲームプレイ中に何度か思った聖なる泉と呼ばれるものが、記憶のそのままに存在していた
ゲーム内では、受付やステータス玉も無かったし、ただシーンが写り変わって、泉が光った!みたいな感じだったけど、実際に体験するならこんな感じなのか。
そう言えば、両親の顔も出て来なかったもんね。
そりゃあ、産まれた時に、気付く事も出来ないわ。
噴水…いや、騎士達が10人程で囲めてしまう聖なる泉に近寄って、両親が両手を組み、組んだ手を額に当てたのを見て、真似をする。
初見なんだから、お祈りについて決まりがあるなら教えて欲しかったよ!
ぎこちなくも、両親の真似をして目を閉じた瞬間
『ひぎゃあっっ?!』
淑女とは程遠い声が出てしまったけど、周りもうわぁー!!って叫んでいるから聞かれてないはず。
だって、聖なる泉がピカってなれば。なんて言ってたけどそんな可愛いもんじゃなかった…
光るってよりは、もう、光の暴力。光の炸裂だ。
夜会のせいもあって、空も暗いので尚更。
目を閉じていたって、目がチカチカする。
泉の周りを警備していた騎士達は勿論、真正面から光を浴びた私達は、目を開けていられない状態で…
『い、泉が光った!!』
『聖女様だ!』
と、少し離れた所から声が上がり、次第にそんな声が大きくなり地面がビリビリする位の人数が、聖女様、聖女様と口にしているようだった。
まだ目がチカチカしていて、周りがしっかり確認出来ない中、どうやらお城から駆けてきた数人が、視界のハッキリしない私達家族を支えながら、何処かへ案内してくれるのだけは、足音や両親に話す内容で分かったのだけど…
いやいや…
《泉がピカッと光った事により、私は聖女と認定されたのでした》
じゃないよ!
ピカッじゃないし!
え?本来は、ゲーム内の説明通りピカッとなの?私がステータスをカンストもしくは、トロフィーコンプしたせいで、あんな凶悪な光だったりする?
にしても、目が痛いよ。
あんなの真っ黒サングラスあっても貫通するよ?
瞼閉じてたのに大ダメージだよ?
暫く歩いた所で、漸く視力が回復して来たのか周りが見えるようになって来たけど…
『こちらの中でお待ち頂けますか?』
と、立ち止まったのは、豪華な造りの大きな扉前で…
扉が開かれると、私の部屋が埋まってしまいそうな位のめちゃデカソファが対面で置かれていて、間にはこれまた、凝って造られたようかテーブルがあった
これはもしかしなくとも、この国のトップがいらっしゃるんじゃなかろうか?
…そりゃそうか
聖女だもんね?
国防を担うってシナリオだったもんね?
国が関わってくるに決まってるよね?
…聖女認定されましたからの、学園スタート。さぁ、今日は何をしようかな?
みたいに現実が行くわけないよね…
お義兄様の事ばっかり考えてて、こんな展開考えても無かったわ…




