とうとう迎えたデビュタント
長かった…
本当に長かった。
待ちに待ったこの日。
いや、正確には待ち待っているのはこの後にお義兄様が養子に迎えられる時なんだけども。
とりあえず、今日のデビュタントの夜会で泉がピカっとしなきゃ始まりませんのでね。
『ティア、緊張しているかい?』
馬車の対面に座ったお父様が優しい笑顔で、尋ねてくる
『いいえ、お父様。お母様を始め沢山の優秀な家庭教師の先生方にしっかり教わって参りましたので大丈夫ですわ』
まぁ、泉が光らなかったらどうしようとは思ってるけど、その時はお義兄様と婚約したい!
て、言ってしまえば良いだろう。
なんて考えても居たりする。
最初から、そうすれぱ良かったと思うだろうけどそんな機会が無かったんだよ…
遠い親戚筋である事は、ゲーム内知識として知ってはいるけど、遠い親戚筋であるせいで今までに一度も、お義兄様に会った事どころか、家名すら聞く事無く育って来てしまった。
いくらなんでも、急にそんな名前も出した事のない人物と会いたいとか、婚約したいなんて娘が言い出したらなんで?ってなるじゃん?
そりゃあ、親戚筋の交流を深めたいって言って何度かはお母様主催の元、ティーパーティなるものを開いて貰いましたよ?
でも、居なかったんだよね…
こそーっと、集まった子供達にお義兄様の家名を知ってるか聞いてみたりもしたけど、なにそれ、美味しいの?レベルのきょとん顔で知らないって言われたのだ。
もうそうなったら、え?お義兄様、存在してる?って心配もあるんだけど。
だからこそ、ピカっと光ればお義兄様を養子に迎えるかもしれないし、ピカっと光らなければ学園で聞き込み調査をしたりしてなんとか、お義兄様に繋げて婚約を申し込めたら!ってのが現状なのだ。
『ティアは本当に私達の娘なのかしら?ってくらいに可愛くて優秀なのだから大丈夫よね』
『お二人の娘だからこそ、頑張って努力できたのですよ』
お母様ってば、その言葉はどうかと思いますよっと。
確かに、ええ、確かに。
自分でも、なにこれ、チートでイージーモード?って位に美少女ですし、魔力も膨大ですし、本だって一度読めば全て頭の中にインプットされるし。
乗馬も剣の腕だって、講師より上だと判断されましたが。
これには心当たりがあるのだ。
私、聖女のゲームで、ステータスのカンストは勿論、トロフィーコンプもしてるんだよね。
そのおかげで、もしや転生ボーナス的なハイスペックだったりするんじゃない??
だって、ゲームの初期スタート時点でのステータスは平均値、むしろ伯爵家という上位貴族だとしても、公爵家、侯爵家などといった更に上がある中で、伯爵家としての平均値だったはず。
それというのも、初期の入試試験は受けた状態でスタートしたのだけど、その結果は100人中50位。
そこから、様々なステータスを上げていく感じだったもん。
魅力に関しては、ゲーム内ならまだしも、いくら磨いたからって体型は良いとしても、現実において、顔形が変わるなんてありえないし、だからこそのカンストボーナス美少女スタートなのでは??と、思っている。
『さぁ、そろそろ到着するよ。準備はいいかい?馬車を降りたら受付に行って、ステータス玉を貰うんだけど、貰ったら掌で握り込むんだよ。そうすれば、ステータス玉が掌から体内に取り込まれて、自分のステータスが見れるようになるからね。デビュタントを終えて帰宅したら、ステータスを確認して自分の将来を計画するといい。家族であっても自分以外にステータスは見えないから、しっかり自分で確認する事。分からない事があれば相談には乗れるからね』
王城のデカすぎる城門が視界に入り出した所で、お父様からそんな説明をされる
ステータス玉?そんなの聞いた事ない!!
『ステータス玉ですか…?初めて聞きました。』
『うん。ステータス玉については、受け取る前にしか説明出来ない事になっているんだよ。不思議だよね。ヴィクトワール王国内の魔法結界によるひとつらしいけどね』
そんなのあったんだ!?
魔法結界で、いくつかの恩恵があったり統制されてたりってのは、ゲームの予備知識で知ってたけど…
完全コンプリートしても、実際に生きてたら新情報があるんだ。
『掌で握り込むのですね。分かりました。』
そう返事をすれば
『ティアの魅力はきっと、素晴らしい数値に違いないわ!婚約者選びが楽しみね!』
お母様が、両手を前に組んではしゃいでいるので、ニッコリと笑顔を返しておいた。




