試験の始まり
『私としたことがルール説明を忘れていた!故に今からそれを皆に伝える!!』
「それは強さを我々に見せること!ここら一体では能力により君たちの動きはすべて見えている」
そのいきなりのルール説明に俺は顔を顰める
「強さを見せる?どうすればいいんだ?」
と辰真も不思議に思っている
「強さの表現の仕方は自由だ!人と戦闘してもいい!能力の範囲を誇示するのもよし!期間は今日の21時まで以上だ」
と声が止まった
なるほど、確かに能力にも色々ある 分かりやすい爆発系の能力や逆に分かりにくい透明化するような能力も存在する
だが、あれほど大勢いた受験生を全員見る?こんなことは不可能に近い それともそう言う能力者がこの学園に多数いるのかもしれない
まぁ、こんなことを考えるのは後でいいか
「どうした、辰真早くお前の斧を探しに行くぞ」
「どうしたって………いいのかよ武戦 今の俺は丸腰だしさっきの説明で強さを見せないと合格できねぇのかもしれないんだぞ」
「じいちゃんから貰った大切な物なんだろ?お前はいい奴そうだし全然手伝うよ」
「うぅ…………ありがとう!!俺たちは友達だ!ちなみに俺の能力は斧を扱う能力だからよろしくな!」
は!?いきなり辰真が能力の開示をしやがった!?
「おい!辰真お前能力を開示しちゃダメだろ!個人情報………いやそれ以上にこの学園では足枷になるかもしれないぞ!?」
能力の開示なんて普通しない 何故ならそれが後々足枷になってくるからだもし見てすぐわかるような能力ならともかく、今辰真が言った能力は分かりにくい部類のはずだろ!?
だが辰真は笑顔で
「でも俺らは友達だろ?それに武戦はさっき出会ったばかりの俺を助けてくれたじゃねえか」
まじかよ、それだけで能力をばらすなんてこの後大丈夫なのかな?
でも信頼されるのは嬉しいな
「俺がきた道は確かこっちだったぜ」
と辰真が案内している先に一人の男が見えた
その男は恐らく身長170くらい そしてその身長を超えた斧を持っている
間違いなくあれは辰真のものだ
「なあ!そこの人!それ俺の斧なんだ!!返してくれねえか?」
と言うが
「は!誰が渡すかよこれお前の武器だろ?武器のねえお前の方がサンドバックにちょうどいいぜ!」
辰真は怒っているように見える そりゃ当然かじいちゃんの形見みたいな物だからな
「武器なしでもてめえなんかぶっ潰してやるよ!」
と突撃しようとする辰真を止める
「待て、相手の能力がわからない以上迂闊には近づけない」
「じゃあどうすればいいんだよ!」
間髪入れずに俺は言った
「俺が行く」と
「おいおい、何で試験中に群れてんだ〜〜?メリットなんて一つもないだろうよ?」
「知らねえな生憎ルール説明の前に仲良くなっちまったもんでよ」
何故か分からないが相手は自信満々だ
「能力で子供の時偉そうにしてたのが分かるな」
だがその言葉を相手は肯定する
「当たり前だろ?俺は選ばれた者なんだ!この生まれ持った能力で偉そうにして何が悪い!!」
その言葉と同時に相手は突進してくる
奴は見る限り何も持っていないように見えるが能力者である以上何かある
「死ねや!」と言う言葉と同時に繰り出されたのは拳
だがその拳はどう見ても武戦には届かないような位置で放たれた
俺は感じとっていたその拳がこちらに向かってくるような感覚を
そして俺はその攻撃を……………回避した
その瞬間後ろにあった木が折れた
「さて、次はこっちの番だ」
相手が信じられないような顔をしているが、無視だ
「大丈夫なのか…………?」
と辰真は俺を心配した
俺は問題ないと言い敵の方まで走りかかった
その速さは初速から普通の人間のレベルでは無かった
「な………!早…………!?」
「どうした?攻撃しろよ じゃないとお前負けちゃうよ?」
そう挑発したらあいつは顔を真っ赤にして
「ふざけんな!てめえぶっ殺す!」と言いながら見えない拳を何度も放ってきた
そして数秒後、勝負は決した
何なんだ………!何だお前は!!
俺を見下しているのは斧を取られた男の近くにいた奴だ 何故あいつは見えない俺の攻撃を回避するんだ!?俺の能力は拳の形で空気を飛ばす能力
その威力は一発で小さい木なら一撃で倒木させられるのに……!
目の前のこの男は全てを避けた 一切無駄のない動きで…まるで未来でも見えているようだ
「これで懲りるんだな………当然この斧は返してもらう じゃあな」と、あいつは去ろうとしたが俺は怒りが抑えられそうにない
俺が奴の去ろうとした背中を攻撃しようとした瞬間
突然体は動かなくなった
その理由はあまりにも恐くて残酷な殺気を感じたから………一体何処から?
武戦は敵をただ見ていた
だがその目はこう言っているように感じた
“次は無い”と




