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【8月書籍化】キュートなモブ令息に転生したボク。可愛さと前世の知識で悪役令息なお義兄さまを守りますっ!  作者: をち。
幼年期

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201/205

ボクはお兄様のパートナー

会場入り口で、順番に名を呼ばれる。


「ハウエル公爵家が嫡男、カイザー・ハウエルと、そのクラスメイトにしてパートナー、ジェラルド」


ルドくんは貴族ではないので家名はない。カイザー様のパートナーと敢えて告げることで「侮ってはならない相手」だと示したんだろう。


二人とも緊張など感じさせない堂々たる歩幅で入場していった。ものおじしないところが羨ましい。


続くウエイン様とケイオスくん。


「バインド侯爵家が嫡男、ウエイン・バインドと、その婚約者、ホーネット伯爵家が嫡男、ケイオス・ホーネット」


ケイオスくんの家名が告げられたとき、会場が少しざわついた。筆頭公爵家を敵に回した父親(クレイグ)の悪評はまだ消えてはいない。

ケイオスくんの足が一瞬だけ乱れた。

するとウエイン様が珍しく真面目な表情でぐるりと会場をにらみつける。そうするとさすがは未来の騎士団長、あっという間に静かになった。それに満足そうにニカっと笑ったウエイン様が、ケイオスくんの背を軽く叩いた。「大丈夫だ」って言っているみたいに。

それを受けたケイオスくんが、唇をきゅっと結んで背筋をしゃんと伸ばす。

その足取りは、ゆるぎなくしっかりとしたものだった。

いつの間にか二人はきちんとした絆を結んでいたようだ。

ホーネット伯爵家の衰退にはボクも関係しているだけに、ほっとした。

頑張ったね、ケイオスくん。ウエイン様、ケイオスくんをよろしくお願いします。


二人のことをずっと見守っていたのだろうナイトが、ケイオスくんの頭の上で号泣している。

ナイトはケイオスくんにつくようになって、ケイオスくんに向けられる悪意を「自分がクレイグの悪意を増長させたせいだ」と悔やむようになっていたから。

ナイトのこの姿をケイオスくんにも見せてあげたいな、って思った。

ケイオスくんを心配してずっと傍にいた子がいるんだよって。



「アーシェント公爵家が嫡男、イクシス・アーシェントと、その婚約者、エリオス・アーシェント」


シス様とリオの紹介も少しざわついた。

二人とも同じ家名だからね。リオは連れ子だって言うことで遠慮してあまり表に出ようとしなかったから。

それを言うと、ボクだって連れ子なのになんなんだ、ってことになっちゃうんだけどね。それはそれです。


リオと居るシス様は、いつもより少しだけ柔らかい表情をしている。親しい仲間やボクには見慣れた表情なんだけれど、学園の生徒や保護者達にはそれに驚いた人も多いみたい。

「まぁ……!」「なんだかお可愛らしいわ」

好意的な声があちこちから聞こえた。

最初は兄弟同士ということで面食らった人も、二人の自然な様子を見て納得したみたい。良かった。





なんて言っている間にボクたちの番。


中の様子がまんま「ラブ☆レボ」で、心臓がドゴンドゴンと大変な勢いで踊っている。

あの日、ここでボクの大切なジルが……


サア、血の気が引きかけたところで


「クリス、大丈夫だ。私にはクリスがいる」


ジルがボクに満面の笑みを向けた。

晴れやかで一切の曇りのない、晴れた日の青空みたいな笑顔。


ああ、僕はずっとこの顔が見たかったんだ。


溢れ出そうになる涙をグイっとぬぐう。


「ジルにはボクが居るんでした!さあ、行きましょう!」




「クライス公爵家が嫡男、ジルベスター・クライスと、その婚約者、クリストファー・グリフェウス」


一瞬の静寂。

あちこちで「あれ?グリフェウス?誰?」だとか、「え?クリスは?」だとかいう声が聞こえてくる。


手を繋いで会場入りしたとたん……


「なあんだ!」「やっぱりクリスか!」


わあっと拍手で迎えられた。

みんな当たり前のようにボクたちを祝福してくれている。


「婚約したんだな、おめでとう!」

「二人は一緒でなくっちゃね!」


卒業パーティーなのに婚約パーティーみたいだね。

少し照れくさいけど、嬉しい!

一部ボクをギリィと睨んでいるご令嬢もいるけれど、そんなのはほんの数人。誤差です、誤差。

ニコニコとお隣のジルを見上げれば、ジルがボクの手をスッと取ってその口元に。


「チュ!」


エアキス!


「きゃあああ!!」


一気に会場のボルテージは最高潮に。


「ジ、ジル!陛下もお待ちなのにっ!」

「ははは!これくらいは問題ない。皆も喜んでいるだろう?」



いえ、ジルの笑みにあてられて呆けています!






読んでくださいましてありがとうございます♡

少しでもいいねと思っていただけましたら、ぜひ☆をポチっと……|ω・)チラリ


作者のモチベーションが爆上がりして踊り狂います。



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