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キュートなモブ令息に転生したボク。可愛さと前世の知識で悪役令息なお義兄さまを守りますっ!  作者: をち。
幼年期

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ボクの親友

驚きすぎて言葉のないボクと、訳が分からな過ぎて無言のお兄様。


「……いやあ、驚いたな!まさか()()()()()()()()()()()()()とはな!はははは…………」


アイク様改めミノくんの笑い声がむなしく響きます。

ポカーンとするボクに困ったように頬を掻くミノくん。


「……あの……ここ、感動の再会?とかいうものではないのか?クリス……いや、ゆうくん?」


ここでガラリとアイク様の口調が変わりました。


「てか、久しぶりい?元気だったよね!知ってる!

ごめん、黙ってて。でも俺が気付いたのって最近なんだよね。俺もジェシーと会ってその衝撃で……あー、()()()()んだ!

いやあ、まさか俺が推しの婚約者、じゃない、()婚約者だったなんて笑えるよねー!

俺がジル断罪とか、あり得ないし!

ゆうくんは弟?やったじゃん!さすがゆうくん!モブなのにモブってない件!」


「………アイクは何を言っている?おかしくなったのか?」


お兄様ったら、明らかに奇人変人を見る目つきになっております。

確かにいきなりハイテンションかつこの口調。そう思われても仕方ありませんよね……。

でも、ボクからすると……既知でしかありません!


胸いっぱいで「はわわ」と口をパクパクするボクを見て、ミノくんの眦が下がりました。


「まあこれでジル様は大丈夫。安心していいよ、ゆうくん。俺も勿論ゆうくんに協力するから!

てか、こっちの俺、ゆうくんに惚れちゃうとか、マジでやっちゃったって感じだよねえ。絶対無理じゃん。だってジル様に敵うわけないもん。あー、ライバルがジル様とか!失恋確定!知ってた!でもちょっとだけ希望は持ってたのになあ……ちぇーっ」


拗ねたように肩を竦めるそのしぐさ!

正しくミノくん!ミノくんだあっ!




僕は思わず「ミ・ミ・ミノくーんっ!!」とアイク様に飛びついてギャン泣きしてしまった。

ああ、ミノくんだ、ミノくん!僕の親友!心の友!ミノくん!


「ク、クリス?何を……!」


お兄様が慌てて引き剥がそうとする。

でもミノくんにしっかりとしがみついて離れない僕に無理にはがすことを諦め、静観することにしたみたい。


だって、心底ほっとしたんだ。


転生とか、前世の記憶とか、分からないことだらけで。

僕だけで本当にお兄様を守り切れるのか不安で。

だけど、とにかく「ジル様を守るんだ」ってそれだけでここまで走ってきた。

そんな毎日はお兄様が居て下さるだけで、微笑んでくださるだけで幸せで幸せで。

でも、そこにリョウが来たことで、一気に不安に押しつぶされそうになった。


アイク様がミノくんなら、もう大丈夫。

ミノくんならジル推しだし、僕と同じくらい状況を理解してるはずだから。

僕たちが守りたくてどうしようもなかったジル様。そのジル様の元に、夢のように二人が揃った。

これって「ジルベスターを守る」っていうこの世界の意志なんじゃない?

ようやく、ようやく今度こそお兄様を救える。

僕はそれを確信した。

リョウなんて全然平気!だって僕とミノくんだもん!二人そろえば無敵なんだもん!



ねえ、ミノくん。聞いて欲しいことが沢山あるんだ。

でもミノくんがアイク様だったんならもう知ってるよね。

あのね、本物のジル様は、ゲームのジル様よりも何十倍も何百倍も素晴らしい方だったんだ。

僕たちの知るジル様よりももっと優しくて、もっと賢くてもっと強い方だったんだよ。


涙を鼻水をミノくんの胸元で遠慮なくぬぐえば「ちょっと、もう!これ一応アイクの服だからね?お高いヤツ!」

と嫌そうに服を摘まむミノくん。

ワシワシっとボクの頭を掻き交ぜ「もーしょうがないなあ。ゆうくんってば俺のこと大好きだもんね」と二パッと笑った。


ミノくん!

懐かしい笑顔に胸がぎゅうっとなって、また出そうになる涙をなんとかしようとぐりぐりぐりっと額を擦り付け甘えていると……

ぐいっと襟元を掴んで引き剥がされた。






「ひゃあ!」


ぽすん。

気付けばボクはまたお兄様の胸の中。

「放さぬ」とばかりにぎゅむぎゅむーっと閉じ込められてしまいました。


「…………アイク、いや、お前は誰だ?『ゆうと俺の仲』だと?私のクリスとお前にどういう関係だ?これがどういうことなのか、詳しく説明しろ。誤魔化しは許さぬ」


淡々と話をしているようなのに「絶対零度」という言葉が浮かびます。

怒りの頂点を超えていっそ冷静になってしまった、そんな感じでしょうか?

背中から抱きしめられているボクにはお兄様のお顔は見えません。

でも、みるみる青ざめていくミノくんの顔から察することはできます。

きっと今のお兄様のお顔、般若です。


………やってしまいました、主にアイク様が。

ボクがあんなに「夢の話」だとか「夢の中の人が見た夢」だとか言ったのに、聞いてなかったのですか?

ミノくんったら「アイク様がミノくんの夢を見た」設定のはずが「アイク様にミノくんが入っちゃった」みたいになっちゃってます……。

ミノくん、ある意味で楽天的、違う言い方では大雑把なんですよね……。ミノくんのそんな明るさにボクは助けられていたのですけれど。

そして思わず前世の僕に戻ってしまったのですけれど。


まさか、ミノくんがアイク様になっていただなんて!


どうお兄様に説明しましょうか?

アイク様、頑張ってくださいね!




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