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キュートなモブ令息に転生したボク。可愛さと前世の知識で悪役令息なお義兄さまを守りますっ!  作者: をち。
幼年期

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違う意味で黒でした

ボクの言葉を聞いたジェシーは、小さな声でボソッ。


「ゆうってば、必死じゃん」






………へ?!

い、いまなんて?!


ゆう、って日本人の名前ですよね?

だってこっちの世界には「ユージーン」はいても「ゆう」なんておりません。

「ゆう」という名称のものも存在しません。

言葉なら「夕方」「優秀」「優勝」……いろいろありますが、この流れで口にしたのならば、どう考えても人名。



心臓が早鐘を打ちます。

もしかして、もしかして、ジェシーも転生者?!

しかも……ボクを知っていたり?!




パチリ。

彼と目があいました。


不満そうに唇を尖らせるその笑い方が、ボクの知るあの子と重なります。





ああ。

そうだった。


「ゆう」はボク。

前世のボクは「水無瀬ゆう」という名前の高校生だったんだ。

そして……あの笑顔。

ボクを「ゆう」と呼ぶ彼は……前世でボクを裏切った元親友。

リョウ……斎藤亮だ。








※※※※※※※






リョウとボクの家は隣同士。

二人とも一人っ子だったから、ボクとリョウはまるで兄弟みたいに育った。

一緒に落とし穴を掘って怒られたり。

庭に段ボールで家を作って遊んだり。

思い出の中の二人はキラキラしている。


同じようにみんなより少し小さめの身体。でも、リョウはボクのお兄ちゃん。

よく吠える犬がいると「ゆうに近寄るなっ!」ってボクを庇ってくれた。

「ゆうはね、僕の大事な子だからね」って疲れたボクをその小さな背中でおんぶしてくれた。

ちょっと口は悪いけど、そんな優しいリョウのことがボクは大好きだった。



それがおかしくなったのは中学のころ。

リョウはことあるごとにボクのすることに口出しするようになった。


「あんなヤツと遊ばないでよ。

ゆうはね、ちょっとやさしくされたらすぐ騙されちゃうんだから。

勉強だったら僕が教えてあげる。遊びたいなら僕と遊ぼう。

ね?僕がいればいいでしょ?」


そう言って、ボクが他の誰かと遊んだり話をしたりすることを嫌がるようになった。

そういうリョウの顔はボクが知る兄弟のような親友の顔とは違って見えて、ちょっと怖かった。


リョウはボクとだけ遊びたがったんだけれど、ボクはクラスメートとも遊びたかった。

同じ小学校の人には何故か遠巻きにされていたから、中学に入って色々な子が話しかけてくれるのがとても嬉しかったから。


だからボクはリョウにこう言った。


「リョウは親友だけど、ボク、クラスメートとも仲良くしたい。

あのね、コータくんはすっごくバスケが上手なんだよ?

シンジくんは、頭が良くて数学のテストはいつも100点なの。授業中にボクが先生に指されたとき、こっそり答えを教えてくれたの。賢くて優しいの!

リョウのことは親友だって思ってる。大好き。でも、だからといって他の人と話もさせないっておかしいでしょう?

みんないい子だよ?だから、リョウも一緒に遊ぼう?それならいいでしょう?

お友達がたくさんいたら、楽しいよ!」」


リョウは不満気に唇を尖らせ、それでも不承不承うなずいてくれた。

でもやっぱりボクが他の子と話したり手を繋いだりすると「ゆうは僕と一緒にいるべき。親友だしね」と割り込んだりしたのだけれど。



でも、リョウの行動は徐々にエスカレートしていく。


ボクがちょっとだけ「かわいいな」って思った女の子がいたんだけれど、いつの間にかリョウの彼女になっていて、「リョウくんに付きまとうのはやめてくれる?」と睨まれた。その後すぐ「アンタのせいでリョウに振られた」と罵られた。

リョウは「アイツ親友にまで嫉妬するなんてヤバいじゃん。俺はゆうの方が大事だし」と笑っていた。


最初は「ゆうの親友ってスゲエな?ゆうの保護者みてえ」と笑っていたクラスメートも、心配そうに「アイツ大丈夫?」「ヤバくねえ?」と言うようになった。


それでも、二人きりのときのリョウは、過保護だけど面倒見のいい優しいリョウのままだったから。

だからボクはリョウのことを突き放せずにいた。

おかしいと感じつつ、そばに居続けた。




ところが、高校に入ったリョウは……もうボクの知るリョウではなくなった。

「僕がゆうを守るんだ」と言っていたリョウ。「僕さえいればいいでしょ」と言っていたリョウは。

「どうして僕だけじゃあダメなの?ねえ?どうして?」

「どこかに行けないようにすればいい?そうしたらずっと一緒にいる?」

とボクをぶったり蹴ったりするようになった。


リョウは学校で優等生を演じ、明るくみんなを引っ張っていくリーダーとして先生や生徒の信頼を得た。

可愛らしい外見と頭脳を最大限に利用して、学校の人気者になった。


そのうえで「ゆうには僕だけいればいいの。ゆうの友達は全部僕が奪ってあげる」「アイツに話しかけた」「アイツに笑いかけた」と陰でボクを蹴り、罵った。

「ゆうは、可愛い振りをしているけど、僕に裏で嫌がらせをするんだ」「親友だったゆうを僕は信じたい。でも、カンニングしているのを見てしまった。どうしたらいい?」などとボクの友人に巧妙に嘘を吹き込み、ボクから友人を奪っていった。

リョウはボクの悪い噂をばらまいて、ボクを孤立させた。


そう。

まるでゲームの中のピンク頭のように。





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