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キュートなモブ令息に転生したボク。可愛さと前世の知識で悪役令息なお義兄さまを守りますっ!  作者: をち。
幼年期

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新しいクラス

本日のタイムスケジュールは、まずは入学式。

玄関ホール前の掲示板にクラスと氏名が貼り出されています。

それを各自確認し、集会場へ。

ここで入学式が行われるのです。


ここで皆さんに重大かつ重要な発表がございます。

入学式で「新入生代表」として挨拶をするのは、その年の学年首席。

通常王族がいらっしゃる場合には、幼い頃から家庭教師によりみっちりと教育を受けている王族がされることがほとんどなのですが……


なんと!

なんと!

今回は、お兄様が新入生代表なのです!!!


ご本人曰く、中等部までは「挨拶など面倒だ」という理由から適度に手を抜いていたというお兄様。

「クリスに少しは良いところを見せねば」と本気を出してくださったのです!


あっさりと「オール満点」を出されたアイク様は、「今まで手を抜いていたんだな!本気を出せと言ったのに!」と大変お怒りでした。

そこで「点数を抜かれたこと」や「自分が新入生代表になれなかったこと」ではなく「これまで手を抜かれていたこと」に対して怒るのが、アイク様らしい。

ゲームのアイク様には全くこれっぽっちも仕えたいとは思えませんが、今のアイク様ならば、お兄様と共に臣下としてお支えしたいと思えます。

どうかこのままのアイク様でいて欲しいものです。


こほん。話がそれてしまいました。


とにかく、お兄様がやる気を出してくださっただけでも同級生になった甲斐があったというもの!

天から下りる光が下々を満遍なく照らし出すがごとく、お兄様から放たれる眩いばかりの魂の輝きが新入生たちの心を輝かしい明日に導いてくれることでしょう。


この世界にデジカメが無いのが本当に惜しい!しっかりと目に焼き付けておくつもりですが、例えばお兄様のお顔に集中すれば他がおろそかになります。お兄様の素晴らしいお言葉に耳を傾ければ、目がおろそかになります。ありとあらゆるものをしっかりと記憶するには、何度も見返すことのできる「音声付き映像」が絶対に必要なのです!

こういうときには、ボクがチート付き転生者でなかったことが残念でなりません。

前世の知識で今世に無いものを発明したり、もしくは呼び出したりできれば!!

なんてないものねだりしていても仕方ありませんね。

前世の推しの記憶を持ったまま推しと同じ世界に存在し、推しの近くで推しを見守れるのですから、これ以上贅沢はいえません。





言うのが遅れてしまいましたが、学園の制服は、濃紺のブレザータイプ。内側にお好みで黒か白のシャツを着ます。

その襟にはリボンを結ぶのですが、それは学年により色が違うのです。

今年は三年生が黒、二年生が緑、そして僕たち一年生が青です。

これは初等部も中等部から同じ。初等部に入学した際に青になったのならば、二年生、三年生、中等部、高等部とずっとその色のまま持ち上がるのです。

なのでこれまでのボクは、お兄様と同じ制服を身に纏うことはできても、リボンだけは違う色でした。

お兄様はずっと青いリボンでしたが、ボクは初等部では黒、中等部では緑だったのです。

でも今は制服もリボンも、全てがお兄様とお揃い!

ボクのリボンも青になったのです!

嬉しくて、青いリボンを見るたびにニコニコしてしまいます。


こんなに嬉しいのには訳があります。

実は青いリボンには、お揃いという以外にも秘密があるのです。


ボクとお兄様は毎朝のリボンをお互いに結び合っております。

始まりは、お兄様が初等部に入学するときに置いてきぼりのボクが「せめてこれだけでも!」とオネダリしてリボンを結ばせて頂いたこと。

お優しいお兄様のお気遣いによりそれは毎日の習慣となり、ボクが入学すると今度は「私にも結ばせてほしい」とお互いに結び合うようになったのでした。

ボクは「今日もお兄様がご無事でありますように。お兄様に良いことがたくさんありますように」との願いを込めて結ばせていただいているのですが……


今朝、お兄様は新しい青のリボンをボクに結びながら「ふふふ」と満足そうに微笑まれました。

そして美しい手でするすると結び、綺麗なカーブを整えたあと、そっとリボンを撫でこう仰ったのです。


「私の色だな。クリスには青が良く似合う」


なんというパワーワードなのでしょうか!

推しの!色!!しかもお兄様公認!


つまり、この青いリボンはお兄様公認の「推しグッズ」なのです!

もっと正確に言うのならば「推しの概念グッズ」。

惜しむらくは同学年全員お揃いということなのですが、そんなことは気にしません!

だってボクのおリボンは推しが手ずから結び、公式と認めてくださったものなのですから!




つまり、ボクは今日『推しの公式グッズを身に着け、推しの輝かしい新入生代表挨拶(リサイタル)に参加する』のです!

これ以上の幸せがあるでしょうか?

人生における記念すべき日であることに間違いはありません。


できるなら「こっち見て!」「チュウして!」の推しウチワを作って振りまくりたい。

ペンライトはどこで買えますか?!青とシルバーはありますか?!


ああ、せめてビデオ!ビデオに収めたいっ!!

……カメラの構造ってどうなっていたのかな?

レンズと……何があればカメラはできるのでしょうか?

工学博士出なかったことが悔やまれます。





提示版に向かいながらひたすらお兄様のご尊顔を目に焼き付け、そのようなことを考えていたからでしょうか。

足元がおろそかになってしまったボクは、角を曲がりながら見事に石につまずき……


「ひゃああっ!!」


どーん!


お兄様が支える間もなく、向こうにいた方にぶつかってしまったのでした。


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