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キュートなモブ令息に転生したボク。可愛さと前世の知識で悪役令息なお義兄さまを守りますっ!  作者: をち。
幼年期

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高等部編~お兄様と一緒!

お読みいただきありがとうございます♡

今日から高等部編スタートです。よろしくお願いいたします♡

あれから4年経ちました。


2年前、ボクは二度目の飛び級により無事に11歳で中等部一年生に入学。

そして今回、13歳で満を持しての三度目の飛び級を致しました。

ついについに!お兄様と同学年です!!




実は、二度目の飛び級の時には大騒ぎとなりました。

そもそも飛び級して初等部に入学していたので、さらに飛び級をするなんてみんなは思っていなかったのです。

初等部の二年生のとき「お兄様の学年に追いつきたいから!ボク三年生にならずに中等部に飛ぶね!」とリオとティムに宣言。ふたりからもクラスメートからも「ええー?!」と驚かれました。

「一緒に卒業しよう」と誘われましたが、どうしてもお兄様に追いつきたかったので涙をのんで「ごめんね」したのです。仲良くなった皆さんとお別れするのは寂しかったけれど、仕方ありません。


こうして飛び級した中等部では、今度は2つ上の年齢の方々と同じクラスになりました。

「え?姫?!また飛び級したの?!」と驚かれましたが、皆さん優しく受け入れてくださいました。


でも、入学初日にちょっとした事件もあったのです。

なぜか新しく同じクラスになった方々が、窓の方を見ては「クリスくん、愛されてるわね」「ふふふ。人気者だったんだな」とほほ笑んでいます。

窓の外に何があるのかと覗いてみると……、なんと、元のクラスメートたちがボクの様子を見に来てくれておりました。

ボクが心配でじっとしていられなかったそうで、初等部の始業式をさぼって中等部に忍び込み、あちこちからこっそりとボクの様子を伺ってくれていたのでした。

慌てて外に行けば「大丈夫か?」「いじめられてない?」「無理ならすぐに戻ってくるんだぞ?」と一斉にみんなが集まってきました。


「心配しないで!クリスくんのことは私たちに任せてね」

「あとは俺たちが面倒見るから安心しろー!」

先輩(私たち)を信じろ!俺らもずっとクリスを見てきたんだからな」


大きな声に振り返れば、中等部の皆さん(クラスメート)が窓から身を乗り出して手を振ってくれております。

その声を聞いて他のクラスのみなさんも窓から顔を出し……窓が鈴なりです!

うひゃああ!なんだか大事に!


「先輩方ーー!クリスをよろしくお願いしますねーーっ」

「とってもいい子なのですっ!」

「兄上が大好きすぎるけどなっ!意外と短気だし」


「なんですって?!短気じゃありませんよ!」


「あはは!ほおら、すぐ怒る!」

「ドジだから気を付けてやってくださーいっ」


みんないうだけ言って安心したのか「じゃあな」「顔くらい出せよ」「来年は俺らも中等部行くから!」と笑顔で去っていったのでした。


それなりの騒ぎになってしまったので、後から先生に呼び出され「前代未聞ですよ?まったく」とボクも含めてこってりとお説教をされたのですが……

ボクはお説教のあいだ、緩む頬を堪えるのに必死でした。だって、みんなの気持ちが嬉しくて。

二年間を共に過ごしたみんなと離れてちょこっとだけ寂しかったので、涙が出そうになったのもいい思い出です。







その時と同じことをまた今回繰り返したわけです。


さすがに三度目ともなれば、周りもボクも慣れたもの。

クラスメートのみなさんも

「うん。だと思った。ジルベスター様の学年になるんだよね?頑張って!」

「良かったわね。私たちのことも忘れないでね?来年には私たちも高等部に行くなら待っていて?」

と快く背を押してくださいました。




さて。満を持しての高等部。

持ち上がり式というわけではなくとも、王都の貴族学園といえばここだけ。

そのため、初等部の「姫」事件と中等部の「クリスとその保護者(元クラスメート)」事件により、大半の方は既にボクのことをご存じでした。

中には一度目、二度目と繰り返し徐々にお兄様の学年に近づくボクを密かに応援して下さっていた方もいたようです。


高等部の門をくぐったとたん、あちこちから「クリスくん!頑張ったわね!おめでとう!」とか「ついに同じ学年か。やったな、クリス!」などと声がかかりました。

「ありがとうございます!」「今日から同級生となりますので、よろしくお願いします」

としっかりと挨拶を返しながら進むボクの横で、お兄様も軽く頭を下げてくださっております。

なんという優しさとお気遣いなのでしょうか。有難い限りです。


しょっちゅうお兄様に会いに行っていたボクは、お兄様と同学年の皆様には既に知られすぎるほどに知られておりました。なのでみなさま当たり前のように「同級生兼弟分」として受け入れ、声をかけてくださったのです。

お友達ができない心配はなさそうなのですが…

残念なことがひとつ。皆さんより明らかにボク、小さいのです。

16歳で入学する高等部に13歳で入学するのですから、仕方ありません。分かっております。3年も違うのですから当たり前です。

でも、でも……皆様から「小さな子ども」扱いされてしまうのが…ちょっと悔しい。

ボクだってもう13歳です。それなりに大きいのに!


もっとミルクを飲む量を増やさなければなりませんね。頑張ります!





※※※



アイク様、イクシス様、ウエイン様も、入り口で待っていてくださいました。


「おはよう、クリス!来たね!

やあ、ジル。これからもよろしく頼むよ?」


「おはようございます、アイク様!ボク、ついにお兄様に追いつきました!これでお兄様と一緒に授業を受けられますっ!

ああっ!お勉強される推し!真面目なお顔も素敵ですよね。この目で見られるなんて、信じられません…」


胸が熱くて泣きそうです。

このために頑張ってきたのですから!

あ、間違えました。お兄様を護るためでした!

決して推しの姿をすぐそばで見守りたいからではありません。

武術で剣を交える素晴らしいお姿を目に焼き付けたり、着替えもご一緒したりなんかしたり、かわいらしく居眠りするお姿も見られるかもなんて期待しておりませんよっ!はあはあ。


だんだん興奮してきたボクの頭にお兄様がポンと手を置きました。

ご褒美ありがとうございます!


「アイク、クリスには私がついている。クリスのことはそう気にする必要はないぞ?」

「つれないなあ!私たちだってクリスとの付き合いは君の次に長いはずだが?狭量な男は嫌われるぞ?

ねえ、クリス。狭量な男は嫌だろう?」

「えっと、狭量は良くないですけれど、お兄様は狭量ではございませんし、万が一狭量だったとしてもお兄様ならば問題ありません。ボクがお兄様を嫌うことなどあり得ませんので!

あ、アイク様は狭量はダメですよ?迷惑になりますからやめてくださいね」


えへん!と胸を張れば、ウエイン様から「さすがクリス!ぶれねえなあ!」と褒められました。

そうでしょうとも!


「にしてもクリスが同級生かあ!幼い頃から知っているだけに感慨深いな」

「有言実行するのが凄いですよね。

ようこそ、クリス。これからは同級生としてよろしくね?同級生になったのだし、私のことはシスでいいからね?」

「俺のことは……ウエインで!俺の名前って略しようがねえんだよなあ。今更だけど、なんかいいあだ名ない?」


ゲームのウエイン様は一部で「忠犬」だの「わんこ」だのと呼ばれておりましたが、それは言わないほうがいいでしょう。

笑顔で「思いつきませんね」とお返事しておきました。


なんとなあく、アイク様たちと合流してそのまま5人で校舎に向かいます。

このメンバーで行動するのにもすっかり慣れました。


お休みの日にはこれにリオとティムが加わったり、ケイオスくんが加わったりします。

お兄様の表情もすっかり豊かになり、笑ったり、ムッとしたり。

今では「無表情」だなんていう方はいないのではないでしょうか?

たまに「すん」としたお顔をしていらっしゃいますが、それすらも可愛らしく見えます。




「……ふふふ」


「どうした?クリス」


「えっと……ようやくここまで来たんだなあって」


「頑張ったな、クリス。まさか本当にやり遂げるとは……」


お兄様が「よくやった」というようにボクの手をきゅっと握ってくださいました。


「はい。頑張りました。どうしてもどうしても、お兄様と一緒に授業を受けたかったので!お兄様とこうしてご一緒できて嬉しいです!」


「ふふふ。私も嬉しい。

高等部でも私の姫になってくれるか?」


甘く見つめられたボク。

かああっと顔に血が集まってしまいました。

何年たってもお兄様のこのお顔には慣れません。


ボクは中等部でもお兄様の姫にして頂いたのです。

(ちなみに初等部での教訓から、アイク様にはあらかじめお兄様が「クリスは私だけの姫だ」と釘を指してくださいました)

だから期待していなかったわけではないのですが……「高等部でも」なんてそのような表情で言われては、弟として可愛がって下さっているのだと分かっているのに「もしかして」なんて都合の良い勘違いをしてしまいそうになります。

こんなのだから、ボクも諦められないのです。

単なる「推し」だったはずなのに……。弟では満足できなくなってしまいそうなのです。

ボクったら、なんて欲深いのでしょうか。単なる名もビジュアルもなきモブのくせに、いくらなんでも図々しすぎです。


わがままは言いません。

お兄様に好きな方が出来るまででいいのです。

どうかボクをお兄様の姫でいさせてください。

そう願うくらいは許されますよね?


その代わり、お兄様のことはこのボクの命に代えてもお護り致しますから。


嬉しさとほんの少しの切なさを胸に、ボクは笑顔でうなずきました。


「もちろんです!ボク、ずっとお兄様だけの姫ですから!」


大好きなお兄様のこの手の温もりを失わないために、ボクは頑張ります。

これからはできるだけお兄様と行動を共にします。

既にゲームとはかなり違っており、ピンク頭も同じとは限りませんが、念には念を入れて。

お兄様、ボクが必ずお護りいたしますからね!








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