似てないもの(本編とは関係ありません)
注(AIが事故起こして間違ってできた物語(笑))
剣が駄目なら、別のものを使えばいい。
そう考えたクロードが最初に持ってきたのは、一本の木の棒だった。
「……クロード様。それは?」
「剣の代わりです」
ガルディオが木の棒を見る。
次にクロードを見る。
もう一度、木の棒を見る。
「剣、ですか」
「剣じゃありません。だから危なくないです」
「なるほど」
ガルディオは頷いた。
「少なくとも刃はありませんね」
「でしょう?」
クロードは少し得意げに木の棒を掲げた。
昨日、剣に雷を留めようとして止められた。理由は簡単だ。危ないからだ。
ならば危なくないものを使えばいい。
剣と同じように細長くて、手に持つことができる。それでいて刃はない。
これなら文句はないはずだった。
「では、やってみます」
「お待ちください」
「どうしてですか?」
「念のため、私が持ちます」
「でも、それだとガルディオが危ないです」
「クロード様が持つよりは安全です」
「……それはそうかもしれませんけど」
納得はできないが、反論もしづらい。
結局、木の棒は地面に置いて試すことになった。
クロードは少し離れたところにしゃがみ込み、棒へ手を向ける。
雷を出す。
それだけなら、もうできる。
問題はその先だ。
出した雷を消さずに、そこへ残す。
「……留まれ」
小さな雷が指先から走った。
ぱちん、と乾いた音がする。
木の棒に触れた雷は一瞬だけ表面を走り、そのまま消えた。
「……消えた」
「消えましたね」
もう一度。
今度はさっきより弱くする。
ぱちっ。
やはり消える。
三度目も同じだった。
「駄目です」
「そのようですね」
クロードは木の棒を拾い上げた。
焦げてはいない。割れてもいない。
何も変わっていないように見える。
「剣と同じ形なのに……」
呟いてから、クロードは止まった。
同じ形。
本当に、それでいいのだろうか。
剣に雷を留めようと思ったとき、自分は何を見ていた?
細長いから?
持ちやすいから?
それとも――。
「クロード様?」
「……別のものを探してきます」
次に目をつけたのは、食卓に置かれていたナイフだった。
「駄目です」
「まだ何も言ってません」
「お顔を見れば分かります」
先回りしたガルディオに取り上げられた。
ならばと厨房の隅にあった細長い金属の道具に手を伸ばしたが、それも使用中だからと料理人に断られた。
さらに暖炉の前で火かき棒を見つけた。
長い。
硬い。
刃もない。
「これなら――」
「クロード様」
「まだ何もしてません」
「なさる前に申し上げております」
またガルディオだった。
クロードは火かき棒から手を離した。
「……何ならいいんですか」
「雷を流しても危険のないものでお願いいたします」
「それを探してるんです」
クロードは頬を膨らませながら歩き出した。
木の棒は駄目だった。
ナイフは危ない。
火かき棒も駄目。
他に剣みたいなものはないだろうか。
そう考えながら廊下を歩いていたクロードの足が、不意に止まった。
――剣みたいなもの?
さっきから自分は、何を探しているのだろう。
剣と同じ形のもの?
でも、木の棒では駄目だった。
なら、形ではない。
クロードは昨日のことを思い出す。
握った剣の感触。
冷たく、硬かった。
木の棒とは違う。
「……もしかして」
クロードは自分の手を見る。
探すものを間違えていたのかもしれない。
剣に似たものを探すんじゃない。
剣の何が雷に関係しているのか。
それを探さなければいけない。
「ガルディオ」
「はい」
「剣って、何でできてるんですか?」
突然変わった質問に、ガルディオが一瞬だけ目を瞬いた。
「鉄ですが」
「鉄……」
クロードはその言葉を口の中で転がした。
そして、さっきまで自分が探していたものを思い返す。
木の棒。
ナイフ。
火かき棒。
形は違う。
使い方も違う。
けれど、その中には剣と同じものがある。
「じゃあ……」
クロードは顔を上げた。
「刃がなくて、鉄でできてるものなら安全ですか?」
ガルディオはすぐには答えなかった。
どうやら今度は、簡単に駄目とは言えないらしい。
クロードはその顔を見て、少しだけ笑った。




