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『異世界転生した製鉄所主任、雷魔法と鉱物生成で成り上がる ~未知の世界は面白いことだらけでした~』~幼少期・王立学園編~  作者: 黎明の星
王立学園編

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俺たちの勝負

「よし、次はグレイン班とラディス班だ!」

ワズカーの声に、ザナトスがすぐ顔を上げた。

「待ってました!」

「お前は元気だな!」

「まだ試合してませんから!」

「それもそうだ!」

ワズカーが笑うと、周囲からも笑い声が上がった。

クロードは隣のノーゼスと顔を見合わせた。

「今度はザナトスたちか」

「さっきの試合、ずっと見てたからな」

「向こうも僕たちの動きを知ってるね」

「こっちだって、あいつらの動きは知ってるぞ」

ノーゼスがそう言って笑った。

ワズカーはセリアナ班へ顔を向ける。

「次はお前たちが審判だ!」

「はい!」

タンガが返事をし、リーゼたちも頷いた。

「その前に少し休憩を取るぞ!」

クロードたちはコートの外へ移り、水を飲みながら呼吸を整えた。

第1試合では何度も走り、球を追いかけているうちに思っていた以上に足を使っていた。

ガレスは水を飲み終えると、軽く膝を曲げ伸ばしする。

「今度こそ勝とうぜ!」

「そうね。でも最初から飛ばしすぎないでよ」

エクリアが言った。

「分かってるって!」

「さっきもそう言ってたわよ」

「今度はちゃんと分かってる!」

ピアが笑い、ベンもつられて笑った。

少し離れたところでは、ザナトスがカイルと話している。

マミヤやランたちも集まり、中央の球と6つの門を見ながら何かを確かめていた。

そのうちザナトスがクロードへ近づいてくる。

「おい、クロード!」

「なに?」

「今度は俺たちが勝つからな!」

「僕たちも勝ちたいよ」

「だったら勝負だ!」

「うん」

クロードが頷くと、ザナトスは満足そうに笑った。

「さっきみたいにはいかねえぞ!」

「さっきは審判だったじゃん」

「だから今度は俺が中にいるんだよ!」

「それなら僕も中にいるよ」

「分かってるって!」

カイルが後ろから声を掛けた。

「ザナトス、そろそろ戻れよ」

「おう!」

ザナトスは手を上げ、自分の班へ走って戻った。

休憩が終わると、セリアナ班の6人がそれぞれの門へ分かれていく。

グレイン班とラディス班もコートへ入った。

クロードは中央の球を見ながら、左右へ散っていく仲間の位置を確かめる。

反対側ではザナトスが足を動かし、カイルは少し離れた位置にいた。

マミヤ、ラン、ヤンナ、トルトもそれぞれ動く準備をしている。

「よし、始め!」

ワズカーの合図で、12人が動いた。

中央へ走ったガレスより一足早く、カイルが球を拾った。

「ヤンナ!」

カイルの球を受け取ったヤンナは、正面から近づいてくるノーゼスを見て横へ向きを変える。

そこにはトルトが走り込んでいた。

「トルト、行ける!」

「うん!」

トルトは受け取った球を持って2歩進み、近づいてきたピアより先に門へ投げた。

球が柱の間を抜ける。

「1点!」

ミナの声が響いた。

ラディス班が先制した。

「よし、最初の1点!」

ザナトスが拳を握る。

「俺じゃないけどな!」

トルトが笑うと、ザナトスも笑った。

「誰でもいいんだよ、入れば!」

「そうだね!」

クロードは中央へ戻りながら二人のやり取りを聞いていた。

今のザナトスは、自分が球を持っていなくても嬉しそうだった。

「次、取ろう!」

ピアが声を掛ける。

「おう!」

ノーゼスが応え、再び球が中央へ置かれた。

次の開始ではノーゼスが球を拾い、すぐガレスへ渡した。

ガレスが前へ走ると、マミヤがその進路へ入る。

「そっちは行かせないよ!」

ガレスは無理に抜けようとせず、後ろから近づいてきたベンへ球を戻した。

ベンは受け取り、右へ動きながらクロードを見た。

そのクロードの前にはザナトスがいる。

「クロードの方は通さねえぞ!」

ザナトスが笑った。

クロードは右へ一度走り、そこで向きを変える。

ザナトスもすぐに動いた。

けれどベンはクロードへ投げなかった。

「ピア!」

反対側へ走っていたピアへ球が渡る。

ピアは受け取ってすぐに門を見た。

ランが戻ろうとしている。

間に合う前に、ピアの腕が振られた。

球が門を抜ける。

「1点!」

リーゼが宣告した。

「やった!」

ピアが笑う。

これで1対1になった。

「おい、クロード!」

ザナトスがこちらを見る。

「そっちに球が来ると思ったのに!」

「僕も来るかと思ったよ」

「なんだそれ!」

「ピアが空いてたからよかったね」

「俺たちはよくねえ!」

ザナトスがそう返したところで、ワズカーが中央を指した。

「次だ、位置につけ!」

試合が再開すると、ラディス班は今度は中央から大きく離れず球を動かした。

カイルが球を持ち、ヤンナへ渡す。

エクリアがヤンナの前へ入ると、球はすぐマミヤへ移った。

マミヤは投げられる門を探したが、そこにはベンが戻っている。

「カイル、戻す!」

カイルが受け取った時、クロードはすでにその前へ走っていた。

「今度は通さないよ!」

「じゃあ、こっち!」

カイルはクロードが近づくより早く、左へ球を渡した。

ランが受け取り、門へ向けて走る。

ノーゼスが回り込むと、ランはすぐ球を持つ腕を下ろした。

「カイル!」

球が戻る。

ノーゼスがランの方へ向いていたため、カイルの前にある門が少し空いた。

カイルは2歩進み、球を投げた。

「1点!」

ナーンの判定が響く。

ラディス班が2点目を取った。

「今のは間に合わなかったな」

ノーゼスが息を吐いた。

「俺も、ランが投げると思った」

ガレスが答える。

「でもカイルへ戻ったのが見えた時には、もう投げてたね」

クロードも門を振り返った。

カイルは球を渡して終わりではなく、戻ってくるところまで考えて動いていたようだった。

次はグレイン班が中央の球を取った。

ベンからガレスへ、ガレスからノーゼスへ渡る。

ラディス班が中央へ集まると、ノーゼスは外側へ球を出した。

「エクリア!」

エクリアが受け取る。

近くにはヤンナがいたが、エクリアはすぐに投げず、ヤンナが近づいたところで横へ動いた。

「こっち!」

ガレスが声を掛ける。

エクリアは一度ガレスを見たあと、反対へ走ったクロードを見つけた。

クロードの後ろからザナトスも来ている。

けれど、そのさらに向こうではピアが門の前へ入りかけていた。

「ピア!」

エクリアが球を投げる。

ピアが受け取ると、ランが急いで戻ってきた。

ピアはそこで向きを変え、もう一度エクリアへ渡した。

エクリアの前には門があった。

ヤンナが戻ろうとしている。

エクリアは腕を振り、横木の下を狙った。

球が門の内側へ通る。

「1点!」

レクシアの声が上がった。

2対2。

「よし!」

ガレスが手を叩いた。

「今の、ピアのところで止まると思ったんだけどな」

ランが笑いながら言う。

「私も最初は投げようと思ったよ」

ピアが答えた。

「でも、戻ってきたから」

「戻るだろ、そりゃ!」

「じゃあ次も戻ってね!」

ピアの返事に、ランが笑った。

再開した試合では、今度はラディス班が続けて球を取り、ヤンナが別の門へ走って3点目を決めた。

グレイン班もベンの投球で追いつく。

3対3。

球が中央へ戻されるたび、両班の位置が少しずつ変わった。

クロードは球へ近づくザナトスを見つけたが、今度は自分から追いかけなかった。

ザナトスもこちらを見たあと、近くのトルトへ短く声を掛けている。

中央でガレスとカイルが球を競り合った。

カイルが一度拾うものの、すぐ近づいたガレスに進路を塞がれる。

「ザナトス!」

球が横へ飛んだ。

ザナトスが受け取る。

クロードは門へ向かう道へ回り込んだ。

「来たな!」

「うん!」

ザナトスが右へ動く。

クロードもその前へ出た。

するとザナトスは足を止め、球を後ろへ引いた。

クロードはその動きに反応して止まる。

けれどザナトスは投げなかった。

「そっちは塞いだよ!」

「まだこっちがある!」

ザナトスは反対へ向きを変えようとした。

クロードもすぐに動く。

ザナトスがもう一度足を踏み直すと、クロードの身体が少し遅れた。

「今だ!」

ザナトスが腕を振る。

球はクロードの横を通り、門へ向かった。

「1点!」

タンガの声が響いた。

ラディス班が4点目を取る。

「どうだ、クロード!」

ザナトスが笑いながら振り返った。

「今のは止められなかったよ!」

「だろ!」

「でも次は止める!」

クロードが言うと、ザナトスは一瞬だけ目を丸くした。

すぐに口元が上がる。

「やってみろよ!」

中央へ戻る途中、カイルがザナトスの肩へ手を置いた。

「次も頼むぞ」

「おう!」

「でも球を持ちすぎるなよ」

「分かってるって!」

クロードは二人を見ながら、自分の手を一度握った。

ザナトスが右へ動いた時、そちらへついていった。

反対へ切り返した時も見えていた。

それでも最後の踏み直しには間に合わなかった。

もう一度中央へ戻り、次の球を待つ。

「始め!」

今度はクロードが中央へ走った。

カイルも球へ手を伸ばしたが、クロードが先に拾う。

そのまま前へ進もうとすると、ザナトスが近づいてきた。

「今度は俺が止める!」

「だったら!」

クロードはすぐにノーゼスへ球を出した。

「そっち!」

ノーゼスが受け取る。

ザナトスはクロードを追わず、ノーゼスの方へ向きを変えた。

ノーゼスはガレスへ渡し、ガレスは外側へ走る。

ラディス班の守る門にはランが戻っていた。

「ガレス、こっち!」

ベンが少し離れたところから呼ぶ。

ガレスはベンへ球を戻した。

クロードはその間に、ザナトスから少し離れた門へ走っていた。

ザナトスが顔を上げる。

「クロード、そっちか!」

その声に、カイルも向きを変えた。

ベンの球がピアへ渡る。

ピアが受け取った時には、クロードの前へカイルが入ろうとしていた。

「クロード!」

ピアが球を投げる。

クロードが受け取り、門を見た。

カイルがすぐ目の前まで来ている。

その奥にはザナトスも走っていた。

クロードは前へ1歩進み、球を構えた。

カイルが手を上げる。

クロードは投げる腕を一度止め、もう1歩横へ移った。

カイルも身体を向け直したが、クロードの方が少し早かった。

球が門へ飛ぶ。

「1点!」

リーゼの声が響いた。

クロードは息を吐き、門の向こうへ転がっていく球を見た。

「入った!」

「やるじゃねえか!」

ザナトスが近づいてきた。

「でも、まだ同点だぞ!」

「うん!」

4対4。

クロードは笑いながら中央へ戻った。

今の球はザナトスの前を直接抜いたわけではない。

けれど、ザナトスが自分の方へ動いたことも、その途中でカイルが来たことも見えていた。

自分だけで門へ近づいたのではなく、ノーゼスたちが球をつないでくれたから、あの位置で受け取れた。

次の開始ではラディス班が球を拾った。

マミヤが受け取り、前へ進もうとする。

ガレスがその前へ入ったため、マミヤはすぐランへ渡した。

ランは門へ向かったが、エクリアが先に守りへ戻っている。

「ヤンナ!」

ランからヤンナへ球が飛ぶ。

ヤンナは受け取ると、ベンの方へ走り始めた。

ベンが門の前へ入ると、ヤンナはそこで足を止める。

「マミヤ、戻すよ!」

マミヤはその声に合わせて位置を変えた。

ベンがヤンナへ向いたところで、球がマミヤへ戻る。

マミヤは受け取ってすぐに投げた。

「1点!」

ナーンの判定が響く。

ラディス班が5点目を取った。

「よし!」

マミヤが拳を握った。

「今の、よく戻してくれたね!」

「マミヤがそこにいたからだよ!」

ヤンナも笑っている。

クロードは中央へ戻りながら、ベンの横へ並んだ。

「次、取ろう!」

「うん。あっちを塞ぐつもりだったんだけどね」

「分かるよ。僕もさっき同じこと考えてた」

ベンは少し笑った。

「じゃあ次は違う方も見る?」

「うん!」

5対4で迎えた再開。

ガレスが中央へ走って球を拾った。

「取り返すぞ!」

勢いよく前へ進む。

ザナトスが横から近づき、マミヤも別の方向を塞いだ。

ガレスはベンへ渡そうとしたが、ベンの前にはもうトルトが入っていた。

「ガレス、後ろ!」

ピアが呼ぶ。

ガレスは振り向き、ノーゼスへ球を出した。

ノーゼスは受け取ってから右へ動き、向かってきたランを見て一度立ち止まった。

「エクリア!」

球を受け取ったエクリアが門を狙う。

その前へカイルが走り込んだ。

エクリアは投げるのをやめ、少し離れていたクロードへ渡した。

ザナトスがクロードへ近づく。

「今度は止めるぞ!」

「分かってるよ!」

クロードは球を持ったまま横へ動き、空いた門を探した。

けれど、門の前にはヤンナが戻っている。

もう少し進もうとしたところで、ピアが声を上げた。

「クロード、歩数!」

クロードは足を止め、すぐピアへ球を渡した。

ピアが受け取って門へ投げようとした瞬間、横からマミヤの手が伸びた。

球が弾かれ、地面を転がる。

「取る!」

クロードが向きを変えた。

けれど、先に球を拾ったのはランだった。

「カイル!」

球が中央寄りへ飛ぶ。

カイルは受け取り、こちらへ走り出した。

クロードが追いかける。

ガレスも中央へ戻ろうとしていた。

その前へザナトスが走り、ガレスの進路が少し変わる。

カイルはザナトスを見たが、そこへ球を出さなかった。

「トルト、右!」

トルトが右へ走る。

クロードがそちらへ身体を向けた時、球はもう反対側のヤンナへ渡っていた。

「カイル!」

ヤンナが球を戻す。

カイルは受け取ると、門の近くまで進んだ。

クロードが腕を伸ばす。

カイルは少し身体を外へ向け、クロードの手が届く前に球を投げた。

球が柱の間を抜ける。

「1点!」

ミナの声が響いた。

「そこまで!」

ワズカーが試合終了を告げた。

ラディス班が6対4で勝利した。

「勝った!」

ザナトスが両手を上げる。

カイルも笑い、近くにいたトルトと手を合わせた。

「最後、俺に来ると思っただろ!」

ザナトスがクロードへ言った。

「うん、ちょっと思った!」

「そっちじゃなかったけどな!」

「カイルが決めたね」

「そうだよ! 俺たちの勝ちだ!」

ザナトスが胸を張る。

クロードは大きく息を吐き、それから笑った。

「次は負けないからね」

「何回でも来いよ!」

二人が笑っている横で、エクリアが水を飲みながら言った。

「二人とも、まだ次の試合があるんだけど」

「俺たちにはな!」

ザナトスが答える。

ノーゼスが肩を回しながら笑った。

「こっちは審判だな」

「そうだね」

クロードも頷いた。

グレイン班は2試合とも負けた。

けれど、次に球を持ったらどこへ動こうかと考えるだけでも、まだ少し身体が動きそうだった。


◇


休憩を挟んで、最後の試合が始まった。

今度はラディス班とセリアナ班が対戦し、グレイン班の6人がそれぞれの門で審判を担当する。

クロードも門の近くへ立ち、両班の動きを追った。

ザナトスは相変わらずよく走り、カイルやマミヤたちと球をつないでいた。

セリアナ班も第1試合の時と同じ場所には留まらず、リーゼやタンガが外へ走るたびに守る門の前の人数が変わった。

序盤はラディス班が先に得点したが、セリアナ班もすぐに追いつく。

ミナは球を受ける前から狙う門を変え、レクシアは相手の進路へ入りながら別の味方へ球をつないだ。

ラディス班も何度か門へ迫ったものの、守りに戻るセリアナ班の動きは速かった。

後半に入る頃にはセリアナ班が先行し、ラディス班が追いかける形になった。

それでもザナトスは最後まで走り続け、カイルたちも諦めずに球を運ぶ。

何度か投球を阻まれたあと、セリアナ班が6点目を取った。

「そこまで!」

ワズカーの声が響く。

第3試合はセリアナ班が6対3で勝利した。

これで組内の選考試合はすべて終了した。


◇


18人がワズカーの前へ集まる。

走り続けた生徒たちは、まだ少し呼吸が荒かった。

「よし、全員よく動いた!」

ワズカーは大きな声で言った。

「3試合の結果は、セリアナ班が2勝、ラディス班が1勝1敗、グレイン班が2敗だ!」

タンガがミナと顔を見合わせ、ザナトスは少し悔しそうに唇を結んだ。

ガレスは肩を落としかけたが、すぐ顔を上げた。

「しかし、代表は勝った班から順に選ぶわけじゃない!」

ワズカーが続ける。

「球を持っていない時、守りへ戻る時、味方へ渡す時、得点を狙う時!」

「全部見た!」

クロードはワズカーを見上げた。

1年生の時も、勝った組の全員が代表になったわけではなかった。

今年も同じだった。

「では代表6人を発表する!」

辺りが静かになる。

「クロード・アインハルト!」

「はい!」

クロードは思わず背筋を伸ばした。

「エクリア・ファインザード!」

「はい!」

「ザナトス・アルマイナ!」

「はい!」

「カイル・ノルディア!」

「はい!」

「ミナ・シーズルノ!」

「はい」

「レクシア・オルフェリア!」

「はい!」

ワズカーは一度全員を見回した。

「以上の6人が代表だ!」

クロードは隣のエクリアを見る。

エクリアもこちらを向いて、小さく笑った。

「選ばれたわね」

「うん!」

去年までは補欠として名前を呼ばれたこともあった。

今年は最初に出る6人の中へ入った。

嬉しさが込み上げてくる。

「続いて補欠2人!」

ワズカーの声で、クロードはもう一度前を向いた。

「タンガ・ロバース!」

「はい!」

「ピア・マールコ!」

「はい!」

「この8人が今年の魔法組代表だ!」

ワズカーは全員へ向かって大きく手を広げた。

「ただし、ここまで来たのは8人だけではない!」

「今日、18人全員が試合をした!」

クロードは隣のノーゼスやガレス、ベンへ目を向けた。

ノーゼスが先に笑った。

「代表か。やったな!」

「うん。ありがとう!」

「俺も次は選ばれてやるからな」

ノーゼスはそう言って肩をすくめた。

ガレスも笑う。

「今度は勝ってこいよ!」

「頑張るよ!」

向こうではザナトスがカイルと話したあと、こちらへ歩いてきていた。

「おい、クロード!」

「なに?」

「今度は同じ組だな!」

「そうだね」

「俺の球、ちゃんと受けろよ!」

「ザナトスも僕の球を受けてね」

「当たり前だろ!」

クロードが笑うと、ザナトスも笑った。

さっきまで相手だった二人が、今度は同じ代表として戦うことになる。

ワズカーは8人の前へ立った。

「次は3年の学年予選だ!」

「今日選ばれたからといって、そこで勝てると決まったわけじゃないぞ!」

「はい!」

8人の返事が重なった。

クロードはコートの中央を見た。

最後の球はもう片づけられようとしていたが、6つの小さな門はまだ残っている。

あそこでは今日、何度も球を取って、何度も取られた。

ザナトスにも勝てなかった。

けれど、次はそのザナトスと同じ組で、別の相手と戦う。

クロードは隣の仲間たちを見た。

どんな相手が来るのだろう。

今度はどこへ走ればいいのだろう。

考えているうちに、また少し笑っていた。

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