第89話 全精霊 大召喚①
ドワーフ達が、第二戦線の荒野に大きな装置を設置している。
シェイドと帝国戦団は装置の外側に立ち、魔物の防衛線となる。
巨大な柱を建て、その周りに六枚の大きな丸い板を置く。
柱から六方向に支柱を張り、板の上の方に、もう一組の丸い板を六枚設置する。
上の板には魔法陣が描かれている。
柱の上に大きなクリスタルを置く。
「よし、装置はこれでいいぞぃ」
ノーム達がやってきた。
下の板六枚にそれぞれ魔法陣を貼っていく。
セントール達がやってきた。
各々の武器を準備している。
魔術団と魔術研究員、エルフが装置の周りへ集まる。
国民戦団の者達は声を掛け合い、武器庫へ行ったり盾を準備したり、忙しなく動いている。
バルクシア王がやってきた。
シェイドの元へ向かう。
「あの日は、何もできなかった……だが、今度は、違う。娘を取り戻すため……私も立つ」
セリクが号令を発する。
「詠唱、開始!!」
魔術団と魔術研究員、エルフが一斉に
柱の上のクリスタルに向け、魔力を送る。
クリスタルが光を放ち、まばゆく輝く。
光が6本の支柱をゆっくりと伝っていく。
それぞれの光が上の板に到達すると、
ドン! と下の板へ光の柱が伸びる。
装置全体がバチバチと帯電し、
ドオォォォォ!!
地鳴りと共に、6本の巨大な光の柱となって、空へと伸びていく。
オォォォォ……
光の柱たちはしばらく空と地上を繋ぎ、フッと消えた。
地上にいる者みな、固唾を飲んで空を凝視する。
空を覆っている分厚く黒い雲が震え、
ゴゴゴゴゴゴ……という音をさせて動く。
うっすらと、巨大な何かが見えてくる。
段々と、はっきり濃くなっていく。
どんどん巨大になる。
——六体の精霊たちが現れ、帝国の空を埋め尽くした――




