第74話 戦地の調理場②
ルトと給仕員たちが戦地の調理場へやって来た。
ドワーフ、ノームも2名ずつ参加している。
「ここが皆さんの職場でーす」
「ドワーフとノームの知恵で作られてるので、普通の調理場じゃない。まずこの水場ね、ここに、この箱を置くと水が出まーす」
ルトが水場の台に小さな箱を置くと、水場の石の間から水が湧き出た。
「えぇっ!?」
「おおぉ……」
「離すと止まりまーす。出しっ放しにしないでねー」
「火床も同じで、箱を置くと火が出ます。炭に火がついたら、外しておいてねー」
「次、このレバーを引くと、高さが変わります」
ルトはレバーを引いてみせる。
「俺らが使う時はこのままでいいけど、ドワーフやセントールが使う時には変えてあげてねー。火床や水場も全部レバーあるから」
給仕員たちはメモを取る。
「ほい次、ここ見てー」
ルトは調理場の隣の大きな魔法陣を指す。
「時間になったら、ここに、空から料理が飛んできます」
「危ないので、一歩下がって待っててください。周りの人にも声かけてね」
給仕員たちがざわつく。
「それを美味しく食べられるようにしてもらって——みんなと一緒にメシ食って楽しい時間を過ごしてください」
「質問ある人ー」
「……はい。なんで水が出るんですか」
——厨房横のテラスでは、セリクが料理人達に説明していた。
「出来上がった料理は、こぼれないようしっかり蓋をして下さい。魔法陣の下に行き先が書いてあるので、確認して鍋を置きます。危ないので、決まった時間に送ってください」
「以上です。不明点はありますか?」
——料理人達は揃って目を丸くしていた。




