表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
72/115

第72話 セントール 来訪

帝国の城門には、いつものごとくアーカーが出迎えに来ていた。


「皆さま、今回もお疲れ様でございました。この度は、ご一緒に帰国されたのですね」


 アーカーはセントール達の方を向くと、姿勢を正す。

 

「セントールの勇士の皆様、我が国へのご来訪、心より感謝申し上げます。ガーシュタルク帝国 宰相のアーカーと申します」


 アーカーは丁寧にお辞儀をした。



「そなたが国を担う者か」


 4名のセントールの年長者、オーグリムが口を開く。

 

「我はオーグリム。長の意を受け、そなたに問う。そなたが忠義を捧げるは、何者か」


「…………ガーシュタルク帝国 シェイド皇帝陛下でございます」


 アーカーは一瞬動きを止めたが、すぐに答える。


「なぜ、その君主に忠義を捧ぐのか」


「それは……」


「私は陛下に命を救われているからです」


「私の家は代々騎士を輩出する家柄でした。私には、剣の才がありませんでした。しかし道を選ぶ事は叶わず、騎士団へ入り戦線での日々を送りました」

 

「 ……皆の足手まといとなる日々でした」


「ある日、強敵に足元をすくわれ、死を覚悟しました。その瞬間、わずか8歳の陛下が敵を薙ぎ払い、こう仰せになりました」


「『お前はこっち(戦線)じゃないだろう』と……」


「陛下が下された勅命により、私は隊を抜けることができ、文官となりました。陛下に救われた命、全て陛下のために捧げると心に決めました」


「陛下の成長を誰よりも近くでお見守りし、陛下がご不在の時の帝国は私が担い、迷われた時にはお導きすると誓っております」



「……そなたの忠義、偽りのないものと認めよう」


 オーグリムがゆっくりと頷いた。


「深き忠義を持つ者たちに支えられた、立派な君主であることを承知した。我らもまた、その御身を守るため力を尽くそう」


「ありがとうございます」

 アーカーは深く礼をした。




 セントール達は戦線へ案内された。


 丘の下では帝国戦団とエルフ達が敵を迎えうっているところだった。


 近接戦で敵と戦っている騎士達が、一斉に後ろへ引く。

 次の瞬間、扇状の閃光が走った。


 閃光が砂煙を起こして広がる。

 ガガガガ!と地面が削れる音がする。

 砂煙は遥か遠くの方まで伸びていく。


 ――砂煙が去ると、敵は皆倒れていた。




 戦線のみんなが丘へ登ってくる。


 シェイドの前にセントール達が跪く。


「戦列に加わるため馳せ参じました」

「我らの力が陛下の安寧に貢献することを願う」



「遠き地より馳せ参じ、我が国の戦線へ力を添えてくれること、心より感謝する。これより共に戦地に立ち、揺るぎない信頼を築けることを願っている」



 次の敵襲で、セントール達は丘を降りた。


 オーグリムは両手に剣を構え、ナグタリオとディエクトは槍を抱え、メジオインは弓を張る。


 二人の槍が敵を薙ぎ払う。

 オーグリムは重く、素早い動きで剣を捌く。

 メジオインの矢が当たった敵は、遥か後方まで吹き飛ばされていく。


「強い……」

「めちゃくちゃ、逞しいですね」

「かっこいいなぁーー……」


 騎士達がその強さに見惚れている。


「きゃぁぁーーー!」

 エリューが丘の上から黄色い声を上げながら、思いっきり拍手している。


 丘に向かって歩いてくるセントール達は顔を見合わせ、照れ笑いを浮かべる。



「……嬉しそうだな」

 シェイドがエリューの背中越しに声を掛ける。


「セントールが大好きなの! かっこいいよね!」


 エリューが振り返る。


「あ、でもね、さっきもおんなじ。叫ばないように、頑張って我慢した」


 人差し指を口に当てる。


 ――シェイドはスッと顔を横に逸らした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ