第66話 ドワーフとノーム
「みなさーん、この後の予定は、ここで本を読むか、ドワーフの工房で魔道装置を見るか、選べます」
「工房に行くヒトー!」
言いながらエリューが手をあげる。
30名くらいいる内の、半分のノームが手をあげる。
「わし、とりあえずこれ読みたい」
「私もここの本を全部読み終わったらでいい」
「はーい、じゃ、行くヒト〜行きますよ〜」
エリューは手を上げたまま、後ろを確認しながら廊下へ出る。
エリューの後ろを工房ツアー組が並んでついてくる。
「セリク、こっちお願いねー」
「承知です」
セリクは軽く手をあげた。
ゴルの工房に到着すると、ノーム達はまたあちこちに散らばって興味津々で眺めている。
「おぉ、噂のノーム御一行じゃな!」
「ゴル、お邪魔しますーよろしくね」
炉の魔道装置にノームが群がる。
「やはり装置に魔法陣を描いて動かしているんだな」
「この "火の魔法陣" 、ちょっと形式が古いな」
「ここの印をこっちに変えたら……」
ボオォォォ!!
炉の炎が勢いよく燃え出した。
「こりゃこりゃ、危ない! 勝手なことしちゃいかん。温度管理も必要なんじゃ。思いついたら先に相談してくれぃ」
ゴルがバタバタと炉に走っていく。
「この槌の水車、土の魔法陣で重力操作したら回さなくていいのでは」
「上と下に引っ張り合う魔法陣を描けばいい」
「そんなことできるんだ! 師匠ー師匠ー!」
あちこちでノームが知識を披露している。
「はいはい、私がメモしとくね。後でゴルに聞いてみるよ!」
エリューも工房を走り回る。
「凄い。完璧な工房ができたと思ったのに」
「視点が変わると、こんなに違うんだね!」
ゴルの弟子達は目を輝かせた。
「――魔術学校の設計図も、大きく変わりそうだね」




