第六話 レーラ王女
その後試験内容は修正され、候補者たちは三カ国を一つずつ紹介していった。
「ガーシュタルクの大広間は世界一美しいと評判です。ダンス試験で大広間で踊るのを楽しみにしています」
「シーカントの大橋が完成した時は渡りに伺いました」
候補者は皆、ガーシュタルクの情報を必ず入れ、アピールした。
全員の発表が終わると、アーカーが再び拍手をした。
「皆さま、素晴らしい発表をありがとうございました。第二回試験はダンス、1週間後に舞踏会が開かれます。ご準備をよろしくお願い致します」
(はぁーーー疲れがどっときた……)
宮殿を出て離れへ向かっていると、うしろから駆け足でついてくる足音が聞こえた。
「エリュー様!」
ソリュードのレーラだ。
「レーラ様、お疲れ様でした」
「あの……ソリュードについてご紹介いただき、ありがとうございました」
三ヶ国の中にソリュードを入れる候補者はエリューの他にはいなかった。
(まぁ……私は全部紹介しちゃったからなんだけどね)
「いえいえ。ホーストンの滝の伝説って、本だけの作り話かもと不安だったんです」
「本当ですよ」
レーラはどこか懐かしそうに微笑んだ。
「私の曽祖母は王家と敵対関係の家の公爵と恋に堕ちました。ホーストンの滝で結ばれることを願い、その後公爵家とは和解して結ばれたんです」
「凄い……! なんて素敵な伝説」
「内乱がなかなか落ち着かない我が国ですが、分かり合えるようにもう一度頑張ろうって、気持ちが前向きになりました。――エリュー様、ありがとうございます!」
(そ、そんな言われたら、こみあげてしまう……!)
エリューは思わずレーラをギュッと抱きしめた。
「あの、私、母が庶民の出で全然権力ないから、ソリュードのために何かしてあげる力がないんだけど……」
「でも何かできることあったら、必ず力になるから。だから、頑張ってね!」
レーラもエリューを抱きしめ返す。
「ありがとう。友達になってもらえるかな」
「もちろんだよ! もう友達だよ!」




