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第24話 海

「ガーシュタルク」

「ク……くし」

「シーカント」

「ト……とんぼ」

「ボルチェ」

 

「エリューさっきも言ったけど、食べ物縛りは特に無いからな?」


 ルトが言うとみんな笑う。


 エリュー、リーサ、マルサ、ルト、カーツの5人は

それぞれ馬に乗ってゆっくり進んでいる。


「チェーン」

「あ、終わった」

「……あ!」


 マルサが負ける。


「そろそろ着くかなー」

「この丘を超えたら見えるってさ」

 

「えー! じゃあさ、じゃあさ……あの岩越えたらみんな駆け足ね」

「おう」


「……せーの」

「駆け足ーっ!」


 みんなの馬が一斉に斜面を駆け上がる。




 ——丘の頂上にくると、視界いっぱいに海が広がる。

 

「…………嘘でしょ何これーーーー!!」

「きゃあああぁぁぁーー凄ーい!!」

「おぉー、これはすげーな!」


 みんな歓声をあげる。


「海ってこんなに広いの!?信じられない!」

「すごいですね!」


 丘を駆け降り、砂浜へ向かう。

 馬を降りると、すぐ波打ち際へ駆け出す。

 

「うわー動いてる……ぎゃぁぁー!」


 安易に波についていって返り討ちをくらうエリュー。

 もう既にびしょびしょだが靴を脱ぎ捨てる。


「あははおせーよ、先に脱がねえと」

「こんな勢いよく返ってくると思わなかったんだよ!」

「いーよいーよ、その初心者感」


 ザバーーーン!


 裸足で裾をふくらはぎまで上げていたルトを大波が襲う。

 

「あ、やべっ」

「先輩、裾濡れてますよ」

「中級者だったんですね」


 エリューとリーサは手で器を作り、波をすくう。

 

「しょっぱーーー」

「これ全部しょっぱいの、すごいね!」

「潜ったら目痛いのかな」


「マルサみてみて、きれーーい!」

 エリューは拾った貝殻を見せる。

「うわぁースベスベですね!」


 カーツが少し先の水面を指差す。

「あ、魚いますよ」

「うそどこどこ!?」

「あの辺り、下の方です」

「見えない」

「チラチラ動いてるの、わかりますか」

「んーーえーー」

「少し黒っぽい……」

「……あ、分かった! いたーーー!」



 ――砂浜に5人で並び、腰掛ける。

 

「いやぁー、感動的だったわーあの丘からの海」

「アーカー様がな、海行くならこのルートがいいって教えてくださったんだよ」

「さすがの宰相様ですね」

「アーカー様って、何でもお見通しですよね」

「どうやって生きてきたらあんな達観できるんでしょう」

「すごいよねぇー」



「陛下もこの海、見たことあるのかな」

「あー、どうだろうな。まぁ城から数時間だから、来たことあるかもしれないよな」

 

「今度聞いてみたらいいじゃないですか」

「そだね」



 ――5人は太陽に向かって馬を進める。

 オレンジ色の地面に長い影がのびている。

 

「山登りもしたいね」

「アーカー様にまた聞いてみるか」

「城下町の劇場も行きたいですよね」

「やばい、計画表が必要」


 馬房に馬たちを帰し、離れへ戻ってきた。

 

「あーーー疲れたーー!」

 大きなクッション椅子に倒れ込むエリュー

 

「先風呂行ってこい、パッと食って寝るぞ」

 帰宅するなり調理場へ向かうルト。



 ――離れの明かりは早いうちに暗くなった。

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