表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
16/114

第十六話 試験③剣術試験

――剣術試験の日がやってきた。


「剣術試験をご希望されたのは、デリーサ様、タリエラ様、エリュー様の三名です」


 手元の資料を確認しながらスウィフトが伝える。


「それぞれ練習相手を務めた騎士と対戦していただき、剣術をご披露ください。では、騎士たちを連れて参りますので少しお待ちください」


 スウィフトは演舞場から出て行った。

 演舞場には候補者の三人だけになった。

 



「――剣術試験は私とタリエラだけだと思ったわ」

 デリーサがエリューに話しかける。


「私たちはそれぞれ帝国有数の公爵家の人間なの」

 タリエラの言葉に、エリューは下を向いた。

 

「生まれた時から皇妃となるべく教育を受けてきたわ。帝国皇妃に必要なスキルも身につけてる。何より、陛下のことをずっと近くで見てきた」


「――私たちは人生を懸けてここに立っているの。

帝国皇妃は軽い気持ちで立てる場所ではないわ」


(……この試験は、二人にとっては切実なのね)


「同じ想いで過ごしてきたタリエラに決まるなら納得もいくけど……」


(こんな軽い気持ちの人間が試験を受けるのは、我慢ならないんだね)

 



「――私も、なぜここにいるのか、正直分からないです」

 顔を上げ、2人に答えた。


「それに、私は――」

「お待たせいたしました」


 スウィフトが騎士を連れて戻ってきた。


「では、デリーサ様からご披露いただきましょう」




 デリーサと相手騎士が向かい合う。

 木刀がぶつかるたび、デリーサは演舞のように大きく翻る。

 広く間合いを取り、華麗に木刀を回す。

 何度も打ち合い、最後は綺麗に騎士に一発を加え終了した。


 タリエラも同じように、美しい剣術を披露した。

 


「では、エリュー様」


 エリューが前に出る。ライネフが向かいに立つ。


「――はじめ!」


 ライネフが先制の突きを繰り出す。

 エリューは突きをかわすものの、動きが鈍い。


 ライネフは手首を返して木刀を振り下ろす。

 エリューは木刀で受け止め、反撃するが、ひと呼吸遅い。


 何度か打ち合い、エリューが木刀を横薙ぎに振るう。

 ライネフは掻い潜ってかわし、エリューの足元を薙ぐ。

 エリューは仰向けに倒れ、ライネフが倒れたエリューの胸元に木刀をつきつけ、終了した。



 ライネフは肩で息をしながら、目を見開いてエリューを見つめている。


 エリューは無表情のまま起き上がった。


「お疲れ様でございました、試験は以上で終了します」


 エリューはライネフと一言も交わさずに演舞場を出て行った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ