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【第一部完結】処刑された最強呪術師、魔法世界で異端となる 〜鬼使いと閃光の剣士〜(第二部連載中)   作者: 鬼喜怪快
5章 百花繚乱戦編(最終章)

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78話 閃光と鬼使い、立ちはだかる




 ペアルトは、満面の笑みを浮かべたまま、

 カルタの眼前に立っていた。



 背後から急所を刺されたダメージは大きい。

 回復の式を使っても、全快には程遠かった。

 噴き出す血は止まったが、

 破壊された内部組織の修復や血液の補充までは追いついていない。



 「ジーラブールから話は聞いてるからさ。

 本気出される前に、決着つけておかないとね」



 ペアルトが槍の切っ先を、カルタの額へ向けた。


 その瞬間――

 ブーメランのように回転する何かが飛来し、魔槍を弾き飛ばした。


 地面に突き刺さったそれは、小型の斧――。



 「見覚えのある斧だな……

 ってことは、短気なお嬢さんがいるのかな?」



 ペアルトが視線を向けた先には誰もいない――


 だがすでに――

 

 彼の懐には、その短気なお嬢さんが潜り込んでいた。


 

 ――ズバッ!


 「ぐあっ!」


 「……わたしのこと、そんな呼び方していたんですね。ペアルト」


 アイナの剣撃が、袈裟斬りにペアルトの身体を裂く。

 

 「痛ったぁ!

 こんな酷いことする先輩だったのかよ!」


 アイナは追撃に移る。

 小型の斧へ魔力を注ぎ込み、巨大化させて振り下ろす。


 吹き飛ばされながらも、ペアルトは即座に回復の術を自身に施し、カルタへ視線を走らせた。



 「……短気姫がなんでいるんだよ!」


 

 斧の乱舞が、容赦なく襲いかかる。

 だがペアルトは、魔槍でそのすべてを受け流す。


 回復に集中する余裕はない。

 否応なく、打ち合いに切り替えざるを得なかった。



 「痛ぇなクソ!

 短気姫がここにいてどうするんだよ!?

 東に向かえよ!

 ジーラブールが来てんだぞ!」


 「あちらには、わたしより適任が向かいました」


 「はぁ!?

 西に行った奴は知らないけどさ、

 東のジーラブールに、誰が太刀打ちできんだよ!」



 「――勉強不足ですよペアルト」


 

 アイナが言い放つ。



 「閃光を知らないなんて」


 

 ――――――


 

 東地区・検問所


 配置されていた冒険者たちは、すでに無残な姿で倒れていた。


 侵入者――

 それは、2年前にカルタの手で死刑にされたはずの男。


 ――ジーラブールだ。


 黒い鎧、大剣、馬上の姿。

 焼け爛れた顔を隠すこともなく、街へ進んでいる。


 検問所を越えれば、自然地帯。

 その先に、街がある。



 「……?」


 

 ジーラブールは馬を止めた。

 前方に、人影を見つけたからだ。


 迎撃に来るのは、カルタかアイナ。

 そう思っていた。


 だが現れたのは、どちらでもなかった。



 「……誰だ、お前は」


 

 問いを発した瞬間――

 

 右腕が宙を舞った。


 次の瞬間には、背後を取られていた。

 


 「……フランと申します。ジーラブール先輩」



 ――閃光が、そこにいた。


 

 ――――――


 

 ――西地区


 こちらも検問所は突破され、2体の侵入者が街へ入り込んでいた。


 待ち構えていた4名のAランク冒険者と、

 市街地で激しい戦闘が繰り広げられていた。

 住民は避難済みだが、戦況は劣勢。


 相手は、呪術と黒魔術で作られたハイブリッド生命体。

 人の姿から妖やモンスターへと変化し、攻撃してくる。


 

 「これが噂に聞く新生命体ってやつかよ!」


 「能力もパターンも未知すぎる!」


 「だが、ここで止めなきゃ街が滅びるぞ!」



 作戦を立てようにも手詰まり状態に陥っていた。


 その時――


 「遅れてすみません。あとは任せてください」



 屋根の上に、役小角が立っていた。


 彼はすでに有名だった。

 15歳でAランク。

 生まれ変わりの体験者。

 魔術ではない術を使う異端。



 「ロッキか。

 噂の新生命体と交戦中なんだ。

 以前戦っているんだよな?

 なにか助言をくれないか――?」


 「皆さんは、ここにいてください」


 小角は屋根から降り、ひとり前に出た。



 「……バカ! ひとりで行くやつがあるか!」


 

 冒険者たちも飛び降りた。


 その瞬間、ロッキの両脇に2体の存在が現れる。


 ――圧倒的な威圧感。


 空気が、変わる。

 


 「……はっ!」


 

 後鬼が、冒険者たちを見下ろした。


 「ですから。

 屋根に居てくださいと申し上げたのに……」


 前鬼が続ける。


 「本部の方が厄介そうだ」


 「フラン姉さんは心配いらない。

 問題は、本部だね……」


 小角は静かに印を切った。



 『流転の式』


 

 光の柱が立ち上がり、新生命体を包み込む。


 「今回はどの妖を取り込んでいるのかしら、楽しみだわ」


 「強ければなんでもいい……」



 新生命体の身体が揺らぎ、2体の妖とモンスターが姿をみせ始めた。





 


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