87.試食
「どうだい?」
俺はジェノベーゼパスタを配り終えると、食べ始めたみんなの顔を見回して言った。
「「「「「きれ~い!!」」」」」
まずは、女性陣が色鮮やかなライトグリーンの見た目に歓声を上げている。
「「「「ウマッ!!」」」」
男性陣が、一口食べて歓声を上げる。
「わん!」
お前もうまいか?
「・・でも、ミミはあんまりこの味好きじゃないかも・・・」
一口食べたミミがつぶやいている。
「うん。美味しいと思うんだけど、ちょっと苦~い・・」
なるほどなあ・・子供にはチョットあれかもな・・。
「わたしは大好きー!いくらでも食べれちゃうかも!!」
さすが、兎人には受けが良いようだ。
「それにしても、ビジルの葉がこんな料理になるとは・・・」
サルクさんがしきりに感心している。
「ピンナッツとシーズが、濃厚さを増している・・」
ネイサンの感想に、みんながうなずいている。
「このソースを、ピザ生地に塗って、更にシーズをトッピングすると、ジェノベーゼピザになるぞ」
「「な、なるほど!」」
ネイサンとサルクさんが、声をあげて唸った。
「・・よし、じゃあまた練習がてらに、作り置きしようか?」
「「了解!」」
まあ作り方は簡単なので、この練習はすぐに終わった。
「ちょっと時間が余ったな・・」
俺は、出来上がったジェノベーゼソースを収納に仕舞いながら言った。
そう言えば一々言うのもなんだけど、収納魔法のことは最初の顔合わせの後に、新メンバーのみんなにも言ってある。
だって、教えとかないと何も進まないもの・・。
さて、どうしようか・・・。
そうだ!
そういえば昨日、『イワン商会』のイワンさんと業務提携の話し合いをした後に、市場で見つけたあれを使って・・。
「これを使って、もう一品パスタを作ろうか?」
俺はそう言って、収納から赤くて楕円形の実を取り出した。
「ん?それはもしかして、テリ?」
その実を見たサルクさんが、つぶやいて固まった。
テリじゃなくて、チリ・・チリペッパー、唐辛子のことだけど。
「テリ?!それって、毒じゃない!本当にテリなの?」




