77.募集
「今日もルシアさんだったんですね」
窓口の担当は、ピンクの髪のベリーショートの女の人が座っていた。
「いらっしゃいませ、マモル様。今日はどのような御用件でしょうか?」
ルシアちゃんがニッコリ笑って聞いてきた。
「後でレシピの登録もするんですけど、新しいメニューの追加と『おやすみ処』の拡張に伴って、従業員を増やそうかと思っているんです」
俺は挨拶を返したあと、事情を説明した。
「左様ですか。それでしたら、当ギルドの人材募集掲示板への掲示と、よろしかったら冒険者ギルドの方にも同じ内容の募集をおかけいたしましょうか?」
「その手続きは、こちらで一括でできるんですか?」
「はい、可能です。冒険者の方でも、各地を回った経験を活かして、料理人に転身なさる方もいらっしゃいますので、その方が良い人材が集まるかと思います」
「なるほど。じゃあ、そのように手続きをお願いします」
「承知いたしました」
ルシアちゃんは一礼すると、手続きを始めた。
「・・では、募集条件を確認させていただきます。基本的なところですが、年齢、性別、種族はどういたしますか?」
「その辺は全然こだわりは無いんですけど、料理人の方は、できるだけ好奇心やチャレンジ精神が高くて、柔軟性のある性格の方がいいですね」
「なるほど・・そうしましたら、ある程度応募者が集まった段階で、まとめて面接をなさいますか?」
「ああ、それはいいですね」
「改修工事の方は、1週間くらいかかるご予定でしたでしょうか?」
「ええ」
「では、募集期限を5日後に設定しまして、その段階で面接という段取りでいかがでしょうか?」
「そうですね。そのようにお願いします」
「承知いたしました。・・その他ご要望はありますでしょうか?」
「料理人のほかに、ホールスタッフも募集したいんですけど」
「かしこまりました。・・こちらの方の募集条件はどうなさいますか?」
「そうですね・・いま一緒にやってもらっているのが、『アトラスの牙』のメンバーたちなんで、彼らの年代に近い方がいいですね。その他はこだわりません」
「では、年齢は15から20歳までということで」
「お願いします」
「その他ございますか?」
「大丈夫です」
「そうしましたら、待遇面ですが・・一般的には料理人だとこれくらい、給仕の仕事だとこのくらいですが・・」
「これは日給?」
「いえ、週給です」
そ、そうなんだ・・あいつらに渡しているのって意外と高給だったんだな。
「ええと、いま『アトラスの牙』の連中に支払っているのがこれくらいなので、給仕の方はちょっと安めのこれくらいでお願いします」
「それは随分相場より高めですがよろしいですか?」
「構いません」
「承知しました。・・これだと応募はかなりくると思います」
断るのが大変になるかな?
「それから料理人の方も、できるだけ良い人に来てもらいたので、相場より若干高めでこれくらいにしてください」
「承知しました。この村で料理人を探すのは、なかなか難しいと思われるますので、そのくらい高めに設定した方がよろしいかもしれません」
「お願いします」
「・・あと、就業時間ですが・・・」
・・このようにして、細かい条件を詰めて人材募集を依頼したのだった。




