78.面接
今日は面接の日だ。
朝から俺は、商業ギルドの2階の会議室のような部屋へ来ていた。
会議室?・・でいいか・・。
会議室には、窓側に椅子が数脚と長机が置かれており、その反対側の廊下側には椅子が1脚だけ置かれている。
俺は、窓際の椅子の内の真ん中の席に座っている。
そして右側の席にミミが(なぜ?)、その隣ににはギルド職員のルシアちゃんが座っている。
なんか、俺専属みたいになっているな・・。
そして左側の席には、『アトラスの牙』のメンバーが、ネイサン、ポール、リン、キースの順で座っていた。
それと、足元にはタロが丸まっている。
「では、マモル様。これから応募者の面接を始めたいと思います」
ルシアちゃんが席を立ってそう言うと、俺たちの方へ一礼した。
「お願いします」
俺もうなずいて、そう答えた。
「まずは、給仕の方へ応募して来られた方々の面接から始めますが、その前に念のためお伝えしておきます」
「なんでしょう?」
「条件が相場よりもかなり良かったので、実際に応募された方の人数は、当ギルドに10名、冒険者ギルドに10名でした」
「そんなにですか?」
「「「「ええっ?」」」」
俺が驚いていると、リンたちも同じだったらしく、小さく声が上がった。
「ですので、今日の面接をスムーズに行えるように、私どもの方で予め審査をしまして、5名に絞らさせていただきました。よろしかったでしょうか?」
なるほど、こういったことに精通しているギルドの方で、ある程度の基準で選考してもらった方が、変な人材を採用してしまうリスクが低減できるということか・・さすがプロだな。
「ありがとうございます。助かりました」
「そう言って頂けますと、こちらとしましても、安心いたしました」
ルシアちゃんがニッコリ微笑う。
「では、改めまして最初の方からお呼びしますね」
「はい、よろしくお願いします」
俺が返事をすると、ルシアちゃんが席を立ち、入り口の方へと向かった。
「1番目の方、どうぞお入りください」
そして、扉を開けて廊下で待っている応募者の人へ声をかけた。
「失礼します!」
すると、会議室へ入って来て元気な声で一礼したのは、身長140cmくらいの小柄な女の子だった。
「そちらの席へお掛けください」
ルシアちゃんが、俺たちの向かい側の椅子を指し示す。
「はい!」
勢いよく返事をするたびに、ルシアちゃんと同じピンク色の髪をした頭の上で、2つの大きなものがピョコピョコ揺れる。
「ニーナと申します。よろしくお願いします!」
椅子の横で、ニーナと名乗った女の子は、もう一度頭を下げると椅子に座った。
またしてもその頭の上で、例のアレがピョコピョコ揺れた。
「えー、ニーナさん。こちらが今回雇主となられます、『ふじの湯商会』の会頭のマモル様です」
なんか、こう改まって紹介されるとなんだかこそばゆいな・・。
「ええと・・いま紹介された通り、『ふじの湯商会』のマモルといいます。で、こっちの4人が一緒に働いてもらっている冒険者パーティー『アトラスの牙』のメンバーで、ネイサン、ポール、リン、キースです。あと、こっちの小さい子がミミ。こちらこそよろしく」
「は、はい!よろしくお願いします!」
また揺れた・・・アレってウサ耳だよな?
っていうことは、彼女はウサギの獣人族か・・この村では人族が殆どだから初めて見るな・・。
・・ちょっと触ってみたいかも。
「ゴホン・・では、志望動機からお願いできますか?」
何かに気づいたのか、ルシアちゃんがわざとらしい咳を一つして、面接を進めた。
「そ、そうですね。どうしてふじの湯の仕事に応募されたんですか?」
俺は誤魔化すように、同じ質問をする。




