74.仕上げ
「よし、ここまで来れば後は仕上げだ。ソースを作ろう」
「分かった」
「今日はいつも作っている、トマトソースにしようか」
「え?あれでいいのか?」
「他にもいろいろバリエーションがあるんだけど、その方が分かりやすいだろう」
「そうだな。じゃあ、トマテとカーリックとガドオイルに塩だな」
ネイサンが、手際よく材料を用意していく。
そして、カーリックを粗みじん切りにして、フライパン(鉄製の重いフライパンはあった)にカーリック、ガドオイルを入れて弱火にかけ、香りが立ったらトマテを加えて煮詰める。
「ネイサン、最後に塩と、この前に見つけていたピッパー(胡椒)で味を調えてみてくれ」
「おう・・こんな感じか?」
「いい感じだ!」
俺は味見をすると、親指を立てた(この世界でも、意味は同じらしい)。
「そうしたら、麺を茹でるぞ」
「へー茹でるんだ」
ネイサンが頷いて、鍋に湯を沸かし始める。
「お湯が沸いたら、塩を入れてくれ。そしてそこに、さっき作った麺を入れて3~4分茹でるんだ」
「分かった」
「茹で上がったら、麺をとり出してこっちのザルに入れてくれ。湯切りができる」
「おう」
「茹で汁は少しだけとっておいてくれな」
ネイサンは、俺の指示通り麺をザルに上げた。
「いよいよ最後だぞ。空になった鍋にその麺を戻し入れて、作っておいたトマテソース、茹で汁、ガドオイルを加えて和えてくれ。で、最後にまた塩とピッパーで味を調えて、出来上がりだ!」
「で、できた!」
「「「「ワーー!!」」」」
ネイサンの言葉に、他の4人が歓声をあげる。
「じゃあ器に盛りつけて・・あっそうだ!ビジルの葉を少しだけ千切って、パラっとかけてくれ。見栄えが良くなる」
「こ、こうか?」
「上手いな」
ネイサンは、人数分の皿にトマトソースのパスタを盛り付けていった。
「・・・よし、食べよう!」
「「「「「わーい!!!!」」」」」
う、ウマ!
めちゃくちゃ美味いぞ!!
んー、ネイサンのスキルは多分ぜったい料理系に違いない・・・。
「「!!」」
俺が内心唸っていると、ひと口食べたネイサンとポールが目を見開いて固まっている。
「うめー!ウメー!!、ウメー!!!」
キースは同じセリフを繰り返し、バクバク食べている。
「美味しい!」
「おいしいね!」
リンとミミも、笑顔でうなずき合って食べている。
「ネイサン、バッチリだ。俺が考えていた通り・・いや、それ以上の出来だ」
俺は、ネイサンの肩を叩いて称賛した。
「へへ・・まあな。俺にかかればこんなものさ!」
そう言って、ネイサンは胸をそらせた。
「そういえば、アレがあったな」
俺は、収納魔法でドリンさんの所で買った、ハードタイプのチーズを取り出した。
「ネイサン、ちょっとこのシーズを削って、パスタにかけてくれるか?」
「このまま削るのか?」
「そうだ。できれば、粉みたいになればなおのこといい」
「分かった・・・これでどうだ?」
「おお、ありがとう・・・うん!更に旨くなった!」
「「「「オレ(わたし(ボク(ミミ)))にもかけて!!!!」」」」
「お、おう・・」
「「「「「おいしー!」」」」」
作った分のパスタは、あっという間に無くなってしまったのだった・・・。




