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194 約束の1ヶ月経過

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。



「もうお腹減ったニャ……」


 ダンジョンの階層を下がるごとにその階層の広さは大きくなっていくようです。僕等は遭遇した魔物は瞬殺しますし、移動も有り余る体力を武器にほとんど駆け足なので、1階層を1時間もかけずに攻略できていますが、さすがに11階層から15階層まで隅々回っていたら19時30分過ぎになっていました。この世界だと完全に夜ですね。


「もう19時32分なので、夕食を食べにダンジョンを出よう」


「ベイシックダンジョンの町に戻るのですの?」


「この国の食事には期待できないから、きつねのしっぽ亭に戻るニャ!」


 クロはペガの提案を即座に否定して、きつねのしっぽ亭に行くことを主張しますが、さすがにそう何度もトリマ村を訪れるのは不自然です。なにより今日の午前中にはルーモイ市にいたのですから、その移動スピードがおかしいことに気付く人が出ても不思議ではありません。


「ベイシック国の冒険者ギルドには、僕等はこのダンジョンに泊まり込みで攻略中と思わせておこう。ダンジョン攻略と並行して、ホウライ国を目指して東に向かう旅をするため、まずはプゴル村に行こう。ワインも結構売れているので、追加で仕入れる必要もあるし」


「おー、ブリアント亭の食事もおいしかったニャ! 賛成ニャ!!」


 どうやらクロの行動基準は食事のレベルに左右されるようです……



 ベイシックダンジョン16階層からプゴル村付近に瞬間移動し、馬車でプゴル村に入りました。時間は20時近くと遅くなりましたが、問題なくブリアント亭の宿を確保することができ、おいしい夕食にもありつけました。前回からの10日間でホルモン料理の研究も進んでおり、牛タンのシチューが絶品でした!



「もう朝ニャ。運命の朝ニャ。そろそろ起きるニャ!」


 翌朝はシロの胸に顔を(うず)めていたところを、クロに起こされました。それにしても運命ってなんでしたっけ?


「この世界に来て1ヶ月ニャ。今日はクロとシロをマサトの妻にするかどうか決める約束の日ニャ!」


 ……たしかにそんな感じの約束をした気もしますが、妻にするかどうかまでの約束でしたっけ? なんとか頭を働かせようと、よろよろとベットから起き上がって立ち上がりました。


「クロの話は飛躍しすぎです。1ヶ月後にマサト様は私たちを行商人としてのパートナーから、その、こ、恋人としての…… そんな感じの関係性に進めるかどうかの判断をしていただく約束になっていたはずです」


 シロからフォローがありました。そう、そんな感じの約束はした覚えがありますね……


「3話だニャ!」


 クロが訳のわからないことを言ってるのは、いつもどおり無視するとして……


「そうだね…… たしかにこの1ヶ月で僕等の関係は、ペットとその飼い主から完全に脱却したと思うよ」


「そうニャ! 胸に顔を埋めたり、胸をもまれたり、グリグリしたりと、かなりの進展を見せているニャ!」


 うっ! クロはかなり痛いところを突いてきました……


「マサト殿のおっぱい性人ぶりが発揮されているとしたら、わたくしも対象ですわね。ところでグリグリって何を指しているのかしら?」


「とにかくマサトのおっぱい星人的行為については、責任問題ニャ! 行商人のパートナーなんて言ってる場合じゃないニャ!」


 グリグリに関してはクロがなんとか誤魔化してくれましたが…… 毎朝寝ぼけて彼女たちの胸に対していろいろやってしまっていることは否定できませんね……


「まあ…… 僕としては君たちと結婚を前提とした関係に進めるのに、異論は無いけど……」


「マサト様……」


 シロの目から涙がこぼれています。悲しい涙ではなく、うれし涙なのでしょう。まあ、シロについては僕に対する忠誠心を疑うことができないし、すでにキスもしている関係なので……


「うれしいニャ!」


 クロが抱き付いてきました。満面の笑みを浮かべています。僕からもそっとその背中を抱きしめます。


「わたくしもマサト殿に認められてうれしいですわ!」


 ペガも僕の背中に抱き付いてきました。今のペガはJKモードなので、下着越しのペガの立派な胸の主張が激しく僕の背中に刺さります。なんて事を真っ先に思い浮かべるから、『おっぱい星人』なんて呼ばれてしまうのでしょう……

 それにしても、神獣であるペガとの結婚なんて可能なのでしょうか? この世界の神話でも、神獣と人とが結婚したなんて話は思い当たりません。


「ペガはマサトと結婚できるのかニャ?」


 クロが僕の疑問を口にしてくれました。


「問題ないですわ! マサト殿の特別(モフモフ)魔法は、マサトの子を産むことができる女が対象になっていると思いますわ。つまり、そこらの動物のメスは非対象だけど、神獣であるわたくしは対象なのですわ!」


 なんとっ! 僕はペガの言葉に衝撃を受けましたが…… たしかに特別(モフモフ)魔法は初潮を迎えた女性が対象のようなので、その説には説得力がありますね……


「ペガは、というか神獣は子供を産むことができるのかニャ?」


 たしかにそんな話は聞いたことがありません。竜なども神話の時代から数が増えてはいないようです。


「マサト殿は特別ですわ! わたくしの直感が妊娠も可能だと告げておりますわ! 何なら今から確かめてみましょう!」


 ペガもクロに負けず、過激なことを言いはじめました……


「さすがにそれはまだ早いと思うよ……」


「そうニャ! まだ朝なので、確かめるなら夜になってからニャ!」


「早いの次元が違う……」



 とりあえずこの場は、家族とか行商人のパートナーから、気になる異性として結婚も視野に入れた関係性に進展したということで、なんとか3人には納得してもらいました……




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