129 爆上げレベル
荘厳な勇者選定の奇跡を見届けたあとは、高レベルの魔石を回収しました。レベル60以下の魔石が19個も入手できたというのは、金銭的にはものすごく大きいですが、レベル99の魔人の魔石というのはいくらで売れるかというと、まったく想像が付きません。なにしろそれだけ高いレベルの魔石というのは、それを必要とする魔導具も限られた存在だからです。
まあ、レベル99の魔人の魔石なんてどこで入手したのか絶対に聞かれますので、まっとうに販売するのは難しいですが……
「すっごく綺麗ニャ!」
「大きいですね……」
クロとシロは魔石を見て感心していますが、たまに見て楽しむのも魔石の魅力に取り憑かれてしまうおそれがあって危険です。
「これを売るのは難しいですわね……」
ペガは魔石を見ても特別な感情を抱かないようで、冷静にその価値を見極めているようです。
「ニャニャ? これを欲しがる人なんて山ほどいるはずニャ!」
「問題はこれを売るときに鑑定されると、いつどこで魔人を討伐したんだと聞かれることだよ…… 鑑定!」
【魔石 魔人 レベル99】
「おお! レベル99の魔人を討伐したなんて、大ニュースになるニャ!」
「のんびりこの世界を旅したいマサト様にとっては、煩わしいことが増えてしまいますね……」
「そうなんだよ…… まあ、お金はレベル60以下の魔石がたくさんあるのでそれを売れば問題ないよ。この魔石は僕の収納魔法の奥でひっそりととっておくよ」
「レベル60以下の魔石だけでも数十億エン分くらいの在庫がありますわね。マサト殿はまさしく規格外ですわ。それに、新勇者様よりもはるかに強い戦力を持っていますわね」
「勇者も強力な加護を得て、急速に成長すると言われているし、さすがに僕よりは強くなるんじゃないかなぁ……」
「マサト様も魔人を倒されましたので、レベルアップされているのではないでしょうか?」
「たしかに…… なんか無駄にレベルアップしている気もしてきたので、確認するのは恐いなぁ……」
「シロとクロの前では隠しごとは無しニャ! 鑑定結果を公開するニャ!」
「わたくしにも隠し事は無用ですわよ!」
3人に詰め寄られてしまいました。まあしょうがないですね。 鑑定!
【人 マサト 男 16歳 レベル161 商人 魔道士 賢者】
体力 190/198
魔力 407/533 x1.5 x2
スキル 体術(剣術5、刀術6、格闘5)
無詠唱
直感2
魔法 生活5(時間、着火、清掃、照明)
水6(水生成、氷弾、バ)
風4(送風、かまいたち)
雷6(静電気、いかずち、雷電)
身体強化1
治療5(治療)
空間6(収納、収納付与、収納+、瞬間移動、瞬間移動+、地図)
鑑定6
特別
状態 正常
「レベル161って、過去の魔王でもなかなか到達しないレベルですわよ……」
「魔法全般のレベルがバク上がりしている感じニャ……」
「さすがはマサト様です……」
3人とも僕のレベルアップ具合にあまり言葉が出なくなってます。というか、僕も言葉が出ません。
魔法はすべてレベルが1つ上がっている感じです。生活魔法が待望のレベル5になったので、魔法レベルが4つ下がる鏡ダンジョンでも長時間の探索が可能になりました。雷魔法のレベル6は、雷電魔法とセットでばれたら速攻で勇者認定されちゃいそうです。治療魔法のレベル5も女性なら聖女認定されるかもですし、空間魔法レベル6も鑑定魔法レベル6も前代未聞の数値です……
「雷魔法もレベルアップしたって事は、雷電魔法もさらに強力なものが発動できるって事ですわね? もう魔王も倒せる気がしますわ……」
神獣は人類と魔王の争いには干渉しないと言ってましたが、ペガは僕に魔王討伐をして欲しいのでしょうか?
「僕は勇者になるつもりはないし、もう新しい勇者が選定されたんだから、魔王討伐は真の勇者におまかせするよ……」
「魔人や魔王はマサトが倒して魔石を回収し、その実績は勇者になすりつければ良いニャ! 利益は取ってめんどくさい名声からは逃げれば良いニャ!」
「そうです! マサト様が世界最強なのは揺るがない事実です! この世界の平穏が揺らいでいると、のんびり旅をすることが出来ません。マサト様がこっそり魔王を討伐して、勇者のやったことにしてしまうのが最善でしょう!」
「そうですわね! きっと勇者は前向きで直情的な単純バカなので、マサト殿がうまく立ち回れば、魔王討伐の功績を譲られても気付かないですわ! 次は西の方に行って、新勇者がどんな人物なのか観察した方が良いですわ!」
「たしかに勇者ってポジティブなイメージがあるけど、単純バカってのはどうかと思うよ……」
西の方向に行くのはしばらく控えようかな……
「鏡ダンジョンは遠く西の地にあるニャ」
ぎくっ! 声には出していなかったはずなのに、なんでクロは僕のモノローグにツッコミが入れられるのか、毎回不思議です……




