異世界帰宅
さて、異世界へ帰ってきたわけだが何をしようか。
ここで俺は整理してみる。
俺の異世界に転移された原因には祖母のメリルが大きくかかわってる。今度顔を合わせたとき話でも聞いてみるか。
そしてこれからどうするか、俺の中では、傭兵団に入ろうと決めたその時から時間が止まったままだ。
その傭兵団の中でも副隊長という役職で、4年間という歳月の中『本来の彼』が作り上げた
ヤヒロ=モリユギという人格、人間関係もあるだろう。
うーん、今まで彼が作り上げてきたものを壊すのは申し訳ない。ちょっとこのまま彼が作り上げてきた歴史の中で生きてみるか。
この先どうするかはその中で考えてみよう。
別れ際彼に
『今の状況を書いたメモがあるから、それを見て判断してください。』と言われたからちょっと見てみよう。どれどれ・・・
○○さんへ 急にこんな状況になって申し訳ありません。
とりあえず簡潔でありますが、今の状況を書いております。記憶は少し引き継がれるかもしれませんが、どうかお役立てください。
今のあなたはヴァーミリオン傭兵団の副隊長です。といっても、業務的にやることは部下や後輩の指導や育成です。ただ、副隊長と言っても、皆と特に変わりません。
ここに1日の行動を記しておきます。
日の出とともに起きて、朝食の前に木刀で素振り。
朝食後は魔法の座学と練習で午前が終わります。
昼食後、装備の点検、その後模擬線を行ったり、各自各々で鍛錬します。
夕方くらいには、皆家へ帰ります。ただ役職の付いてる方たちは作戦会議や任務についての会議があります。
その後終わり次第僕たちも帰る。
あなたがいた世界のように時間の概念はありますが、あのように細かく24時間に区切られてはいません。今は体調が悪いと仮病を使い、ここ1週間ほど傭兵団の任務はお休みしてます。
団長から、いつでも復帰してもしていいとの了解を得ているので、これからどうするかお考え下さい。
お互い了承したとはいえ、僕はあなたを巻き込んでしまったのは事実。あなたがどう生きるかは自由ですが、僕は「僕が生きる世界」から応援しています。
それと少しではありますが、金貨10枚ほど貯蓄しております。自宅の机の引き出しの鍵がかかっているところに入っています。ぜひお使いください。
それではよい人生を、僕も頑張ります。どうもありがとう。
うーん、どうしようかな。こんなことなら俺ももう少し貯金しておくんだったな。
ただ、彼の心配より俺の心配だ。彼は俺の体で生きると決めたのだから、俺も未練を断とう。
むしろこっちの俺の体はこの世界では、ものすごいアドバンテージを持っている。
無駄にはしたくない。
傭兵団に興味あるからちょっと顔を出してから考えるのも悪くない。明日顔を出して見よう。
俺は仮病で療養していたという、夕日に染まる病院に別れを告げ、わずかに残る記憶を頼りに新しい自宅へ帰った。




