↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
流浪の剣士と隻脚の奴隷  作者: しろたけ
16/24

出会いの真実

『僕があなたの前に現れた理由を教えなければなりません。』


彼が俺の前に現れた理由。そして彼が俺を選んだ理由。


―それは


『はい、順を追って説明します。まず、あなたを選んだ理由は、あなたが生きることを自分の意志で手放してたからです。それで魂が剥がれやすかった、というのが大きな理由です。そして、身体が健康だったこと。』


なるほど。あの時、俺は確かにこのまま死んでもいいと思っていた。


『そして現れた理由ですが、体が魂と別れると、元に戻そうと引っ張り合うのです。そしてそれが、今まさに戻る時です。』


おいおい、突然元の世界に戻るのかよ。


『ですが、意思という魂が完全に拒否すれば、もう二度と身体には戻りません。』


そうか。俺はもう本来の世界で生きていく気はもうない。あのドン底状態の俺が復活したのは、このヤヒロ君が頑張ったからだ。

俺は、この世界で生きていくと言おうとしたが、


『僕は、やり残したことがあります。だから、もう一度本来の世界に戻りたい!』


急だった。まさか俺に説明と了承を得るために現れたのはではないのか。


『僕はあの世界で母さんに、姉さんに、おばあちゃんに何もしてあげられなかった・・』


彼は涙を流しながら振り絞るように言う。


『勝手なことだと思います!でも、僕に恩を返すチャンスをください!』


2年間付き合った身体がその場に土下座した。


「うん、いいよ」


ハッとするように彼は俺を見上げる。

俺自身、どちらでもよかったと思う。ただ、死のうと考えてた俺に別の世界で生きるチャンスをくれたのは彼と祖母のメリルだ。

おれはその恩に報いるべきだと感じたからだ。


「でも、本来の体に戻ると、また病気になるんじゃないか?」

と聞くと、

『いえ、禁術でヤヒロの体の病は治っています。ただ・・・』

「ただ?」

『23歳で僕の魂が入ったヤヒロの身体は死ぬ、という運命変えられません。ですが、本来のあなたの身体なら60歳以上生きることが出来ます。』


そういうものか。っていう長生きしそうなんだな、元の俺は。俺の魂が入ったヤヒロの寿命は聞かないでおこう。怖いから。


『僕に22歳までの5年間をください。』


そう言ってまた俺に頭を下げる。


もういいよ、よくわかったと思いながら、彼に手を伸ばす。5年はちと長いかな?と思いながらも、頷いた。


『ありがとうございます。』


そして目の前がぼやけて、真っ白になっていく。「また5年後迎えに来ます。」という声と共に、闇に沈んだ。


そういえば、どうやって迎えに来るんだろうと思いながら。



―目が覚めると、2年前に生きる意志を手放した実家だった。

ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。