初バックレ
木こりの作業言うのは、木を使う家だったりはもちろん、あまり木が増え過ぎないようにするための間引きも必要らしい。
二人一組で両端に持ち手のあるのこぎりを使い、お互いが引いたり押しながら、息ぴったりの共同作業で切っていた。
もう一人が次の木を切るための確認と、のこぎりが入りやすいよう鉈で削る。これも意外と重労働のようだ。
作業から2時間ほどだろうか、一服するらしい。俺も休憩の輪の中に入って談笑した。
つい2年前まで死にかけてて、今は筋トレ趣味のクソニートです。
なんか職をください、と打ち明けたらゲラゲラ笑っていた。
どうやら優しい世界のようだ。
休憩も終わって現場に戻ると、視界の端になにか映りこんだ。
「?」
目を凝らしてみると、うすいグレーとカーキ色がまだらになってる犬のようなものが
こっちをガン見している。
(あっ魔獣やん)
そう思って振り返りガイに「魔獣っぽい!」と叫んだ。そして目線を戻すと奴らは3匹に増えていた。
(おいおい、そういう増えるマジックいらないから)
しかもこっちに向かってウォンウォンと鳴き始める。
ガイがくると「やべぇモンテウルフだ、逃げるぞ!」と叫び、その場にのこぎりやらなにやらおいて逃げ始める。
みんなそれに続く、殿なんてどうでもいい。
もう一人の警護役がモンテウルフは集団で狩りをし、陽動やら挟み撃ちやらで獲物を狩る、
知能の高い魔獣と走りながら聞かされた。
えっ逃げきれんの?ってか闘わなくていいの?と思ってると
「ありゃ分が悪すぎる!パーティ組んだ冒険者じゃないとやられる奴だ!」
と全力ダッシュで山の道を逃げるガイが叫んだ。
なにそれマズイじゃん、と足に力が入る。
山の遊歩道のようなところに出た。ここの道をまっすぐ行くと街まで続くから幾分か安心したが、それでも背後からウォォンと遠吠えの様な獣の声がする。
しつこい!
だけどもう少しだ!門番の人が異変に気付いて助けを呼ぶはず!
そう考えて必死に逃げる。
あっと誰かが小さく叫んだ。一番前を走っていた木こりの人だ。
そして、それは俺の目にも飛び込んでくる。
姉のクローネだった。




