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「な、何だよ。どうしたんだよ、急に」
「それはこっちのセリフだ。どうしたんだよ、急に。どうしちまったんだよ、ちなっちゃん! 福岡で何があったんだよ!」
優太が怒りの態度を表すのがそんなに珍しかったのか、彼女は絶句していた。
「福岡で……私は、私……は」
自分の身に何が起こったのか、全く覚えてないらしい。背を向けて、うわ言のように独り言を呟いている。
その時、薄汚れているオーバーオールの後ろポケットの中に、綿のような物が見えた。嫌な予感がする。無礼を承知でズルリと綿の大元を取ると、それは例の人形だった。頭と腕、足の三つがない。優太は、この人形が生身の身体を集めているように思えてきた。
一体何故、福岡から帰ってきたちなっちゃんが、こんな物を持っているのかが不思議でならない。
「ちなっちゃん、この人形、一体どこで」
「…………福岡の三島の家。あいつの家に……あいつの家に、このジジイの身体も、陸斗の身体もあった。見つけた」
「なっ……!?」
突然の変化球で変な声が出てしまう。どうやら、思い出してきたようだ。
「嘘だろ!? ここから福岡まで、どれくらい距離があると思ってんだよ! 一瞬にして移動したっていうのか!? っていうか、三島って誰」
「見間違いとか、そんなんじゃない! これを見れば、分かる」
スマホから映像を見ている。このビデオみたいなものは、一体何なのだろう。
「これは?」
「身体保護カメラっていう物だ。各国霊保の隊員に配備される、霊的な衝撃があれば証拠の映像として用いられる。ドライブレコーダーと同じように常に録画されているけど、事故の瞬間からその十分後までしか録画されない」
そんな物があったなんて。映像を見て、だんだん思い出してきたらしい。
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倒れていたちなっちゃんが立ち上がったところからスタートした。ここは一体どこだろう。三島という人物の家なのか? 服にカメラが仕込まれているのか、一人称で進んでいく。
ものすごく散らかった薄暗い部屋に一人、彼女はいた。薄暗い場所だ。
『何だ、この臭い……!』
この時点で、もう言葉遣いが普段とは違う。この直前に、一体何が起こったっていうんだ?
ザッと二階を探索し終え、一階に降りていく。やっぱり素人には全然分からん。どこに何が映っているのか。
一階は真っ暗だった。映像と音声のみだが、彼女の心拍数が上がっていく事だけは伝わってきた。息遣いが荒くなっている。電気のスイッチに手を伸ばすも、点かない。スマホの明かりだけで窓際まで行っている最中、何かに躓いて転んでいる。その瞬間、ぶふーと何かが破裂したような音が届いてきた。




