表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
フーガック生物図鑑  作者: 遠藤迄太郎
転生と原初の島と旅立ち

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
17/23

第十七話

 トンネルを抜けて正面に、そのまま下り坂の線路せんろびている。


 行き着く先に目を向けると石や砂利が山積みになっている。


 さっきの掘削くっさく採掘さいくつだったのか?


 都市の形は円柱状、外周を這う様に、こちらにもやや下り坂の線路が伸びる。



 ミユズ「それではお二方共こちらにお乗り下さい。」



 うながされた先には、見た目はかなり大きなトロッコ、ではあるのだが、節足動物せっそくどうぶつっぽい形状の底板そこいたの上に楕円形だえんけい床板ゆかいたが乗っている。

 床板の縦の長さはテオの全長より少し長い程度か?

 乗っても問題無い様だ。ミユズが操縦桿そうじゅうかんらしきものをにぎっている。


 中央にテオを乗せ私も後ろに乗り込む。


 ミユズ「こちらは位置エネルギーを利用したものであり、操作はブレーキのみです。

 では参りましょう。」


 ・・・位置エネルギー・・・ブレーキ・・・もうなんか慣れてきたな。


 トロッコが動き出す。速度が上がると、ミユズがブレーキ操作を行う。

 ゆっくりと確実に降りていく。



 テオがつぶやく。

 「線路?に支えられて斜行?転がる?落ちていく?滑空に似ている?」


 その通りだ。地面に支えられているか、揚力ようりょくに支えられているかの違いでしかない。

 テオは生きてきた年月分を差し引いても、相当に賢い様に思える。


 細い滝の様なものが見えてきた。細い急流?いや、人工的な水路だな。

 レンガの様なもので組み上げられている。


 かなりの数の水車がものすごい勢いで回転している。回転速度からして木製では無い。あぁ、プラスチックか?


 ・・・発電所だな。間違い無く。


 ミユズ「気になられますか?

 あちらもやはり、位置エネルギーを利用した発電施設です。」


 ・・・ですよね。


 そう難しくはないとは聞いているが、発電器の作り方なんぞ知らん。せいぜい電池位だ、分かるのは。



 テオ「回転する、こすれる、熱くなる。火は出ない?」


 ミユズ「・・・見ただけでよくわかりますね。

 金属接触面きんぞくせっしょくめん潤滑じゅんかつ冷却れいきゃくという対策を行っております。」


 テオ「冷却、知ってる。アイス、美味しい。じゅんかつ?とは何?」


 ミユズが流石に驚いてわかりにくい応え方をしてしまう。私も驚いた。

 ・・・今アイスっつったな。


 テオの質問攻めにミユズが答えていると、またトンネルに潜る。

 抜けると目的地に到着した。


 地底湖に見えるが磯臭いそくさい。

 地底海といった所か。


 地上から合計して体感百メートル以上降りてきたはずだ。現在地点が海抜零かいばつれいか。


 〈マァツ・ハウリア〉の地下にも地底海があったな。どちらの地上からも海は見えなかったが。

 広大なマングローブの森林みたいなもので覆われていたのか?いや、しおの匂いすらしなかったな。


 ミユズ「こちらは地底の海〈ミィシィ・オゥムリア〉。

 かなり深い位置で海と繋がっているとされており、硬い外殻を持たない海生生物の逃げ場所、繁殖場所となっている様です。」


 ・・・なるほど。全くいないのか?そうであるならば・・・。


 テオ「普通の魚、入ってこない?硬い魚、深く入れない?」


 そうそれ。


 ミユズ「どうやらその様です。

 〈リワァド〉で言う深海魚。これらは硬い外殻を持っていない、そして、硬い外殻を持つ魚は深く潜れない、という事の様です。

 まだよく分かっておりません。何しろ調べようがありませんので。」


 テオ「調査、進んでない?」


 ミユズ「植物は進んでいるのですが。

 動物となると絞めてからでなければ危険ですので。

 食べられるかそうでないかになってしまっております。

 単純に索敵能力さくてきのうりょく、戦力や拘束力こうそくりょくの不足ですね。」


 そうだな。観察となると難しい。ほぼ必ず先に発見されてしまう。

 そして、逃げられるか襲われるかだ。


 ミユズ「以前は〈ファントム〉の被害が大変なものでありましたが、〈グレムリン〉タチアナ様がお産まれになり、〈ウロボロス・ドラゴン〉テオ様がお目覚めになり現在、被害は全くと言って良いほどありません。

 本当にありがたいのですよ。」


 テオ「あの子達はより優れた〈テオス〉に従う。

 この〈テオス〉は〈テオ〉と〈エリス〉。

 〈黒〉と・・・〈ウイング〉。

 タチアナ、優れた〈テオス〉生えてる。」


 ・・・〈ウイング〉?あぁ〈翼〉か。

 発音出来んのね。

 〈テオス〉は黒竜を指す場合と、〈黒い翼〉の場合があると。

 文脈読めやってことですねわかります。


 〈ファントム〉。

 コウモリの様な翼を持った黒猫みたいなやつらだな。


 タチアナが呼ぶとすぐに三十程が飛んできていたが。

 元はそんなに凶暴きょうぼうなのか。



 ん?タチアナが産まれる?テオが目覚める?流石に筆談。


 [テオ、お前なにやってたの?タチアナ産まれるまで。]


 テオ「・・・寝てた。・・・本読んでた。・・・五十年位。」


 ・・・引きこもりじゃねぇか。

 時間が壮大すぎるんだよ。


 ミユズ「ちなみに、どの様な本を?」


 テオ「〈ハクロ号〉の調査結果。〈ヤドリ〉のはただの日記。」


 ミユズ「!・・・それ、いつでも良いので見せて頂けませんか?本当に。本気で。

 〈ドラゴンズゲート〉までお伺い致しますので。ぜひとも。」


 テオ「・・・死んじゃうよ。持参する。ここの本を拝見したい。」


 ミユズ「ぜひお願いします。他にもお望みがあれば用意しますので。」


 ミユズの言葉が荒れている。

 えらい早口になってんな。興奮しすぎたのか?



 話を聞きながら階段を登る。

 海抜零まで降りてらからまた登るのか?と思っていたら・・・〈迷宮節殻貝〉の〈死宮〉に出た。

 大きな縦穴が開いている。

 金属製のパイプがつながっている。油クセェ。お察しだな。


 普通に照明ついてたから気にしなかったが、〈ダンジオン〉の中だったのか?


 延びた洞窟の奥が明るい。


 なんか人工建造物がある。

 多分鉄筋コンクリート三階建てだがもうおどろいてやらねぇ。



 ミユズ「こちらが油田管理施設の入り口。

 これは宿舎ですね。

 この洞窟の先に油田がございます。

 あちらの明かりは外です。

 崖になっており、下は湿地帯ですので大変危険です。お気をつけ下さい。」


 あぁ、〈死宮〉から湧いてるわけじゃないのか。・・・なんのパイプだ?


 ミユズ「ここから先が火気厳禁ですので・・・」


 テオ「あの穴から本の持参、良い?ここの本、気になる。」


 ミユズ「あぁ!もちろんでございます!飛べるのですものね!ここに書庫を作りましょう!〈迷宮節殻貝〉の壁は頑丈ですから!あぁ!除湿施設の実験もここで行いましょう!」



 ・・・ミユズ。キャラが違うぞ。



 テオ「にじんだ本の書き直し、したい。ここでやっていい?」


 ミユズ「もちろんです!」



 ・・・盛り上がってんな。


 テオは引きこもってたくせに意外とコミュニケーション能力が高い。年の功か?いや、単純に賢いのか。


 一頻ひとしきり話した後テオは出発した。バカ共の無事も伝えてくれるそうだ。



 ミユズ「・・・失礼致しましたリケイ様。どうぞこちらへ。」


 テオが出発して我に返ったミユズの案内を受けて奥へと進む。

 また〈死宮〉だ。こんなに近くにあるものなのか?


 油クセェ中座り込んでるバカ共を発見。


 またなんかうなだれている。


 特にノボルはひどい顔面になっている。



 リュウ「・・・あぁリケイさん、来たんだね。」


 ノボル「・・・〈竜骨バーナー〉も金属ボンベのバーナーも、なんかもう、すでにあったわ。・・・。」



 ・・・でしょうね。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ