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あの時僕は  作者: 桜舞 加奈子
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課長への連絡



目が覚めるとベッドの上にいた。

あれからどうやって家まで帰って来たのか覚えていない。

唯一覚えていることといえば、いつも仕事の帰りによっていた居酒屋に入ったことだ。

だが、飲食したものも払ってきた値段さえ覚えていない。

手元にあった目覚ましを持ち上げると朝10時。

いつの間にこんなに寝るようになったんだ僕は。

ああ。仕事に行かないと。

でもまあ今から行っても絶対に遅刻だよな。

なら行かなくてもいいか。

あ、いやでも一応課長に連絡しとかないとダメだよな。

仕事ようのバッグに入っている携帯を引っ張りだし、連絡先を開く。

連絡先には92件の連絡先がはいっている。

そこから、「蒼井 課長」をプッシュ。

プルルル… プルルル…

呼び出し音が鳴る。

4回呼び出し音が鳴ったところで課長が出た。

「もしもし?」

僕は姿勢を正すと

「あ、もしもし。平野ですが」

と言った。

もちろん、姿勢を正したところで相手には見えないのだが。

「平野君?!こんな時間まで連絡も寄越さずになにしてんのよっ!」

聞き慣れた、課長の声が聞こえる。

「あ、えっと申し訳ありません。えっとその実は…」

あ、やばい。どういう理由で休むことにするのか考えるのを忘れてた!

「実は何よ?」

考えろ。考えるんだ僕!

「ちょっと?どうしたの?」

よし。ここは定番のあれでいこう。

「あ、ええ実はちょっと朝から熱っぽくて…」

「あら、そうなの?」

「はい…」

僕は出来るだけだるそうな声を出した。

すると課長はため息をついて

「いいわ。じゃあもう今日は来なくても大丈夫だから一日、安静にしてね」

といい、電話を切った。

時計は10時5分を指す。

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