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あの時僕は  作者: 桜舞 加奈子
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ある女の子との出会い



「どうしたん?」

ふと後ろから声がした。

振り向くと中学生ぐらいの女の子だった。

「え?」

とっさに聞き返すとその子はちょっと不機嫌な顔をして

「だーかーら。泣いてる理由を聞いてるの」

と返した。

泣いてる?誰がだ?

あれ?ぼ…くが…?いつの間に?

「なんかあったんだろ?話してみなよ」

僕は涙を袖で拭って

「お前小さいくせに生意気なんだな」

と精一杯、元気な振りをした。

女の子は髪をかきあげると

「まあね。それで両親からは嫌われてたんだけどさ」

と答えた。

「そっか…」

僕も答えた。

女の子も僕もすっかり黙りこんでしまった。

3分ぐらいたっただろうか。

女の子が僕の近くを通ってブランコに座った。

女の子はブランコを少しこぎながら

「まあさ、言いたくなきゃいいんだよ。」

「へ?」

僕は突然のことにすっとんきょうな声をあげてしまった。

このぐらいの年の女の子なら涙の理由が知りたくて駄々をこねると思っていたからだ。

そう、彼女の妹もそうだった。

彼女の中学生の妹…

いつも

「ねえねえなんで?なんで?」

と言ってきたものだ…

「涙の理由だよ。 別に今はおしえてくれなくてもいい。」

暫く回想していたら女の子が会話を続けた。

「あ?ああ」

「でも でも… 一つだけ約束してくれないか?」

「ん?なんだ?」

僕は尋ねた。

「明日もここに来てくれないか? 同じ時間にここで待ってる」

そう言った女の子の頬はなぜか少し赤みを帯びていた。


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